- 2025-1-18
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最近、何かトラブルがあると「第三者委員会」というのが出てきます。第三者って名前が付いていることから中立な第三者から構成される公正な委員会・・・みたいな響きがしますが、ホントにそうなのでしょうか?この言葉が出てきただけで妙に納得してしまってはいませんか?
そもそもこの「第三者」委員会(らしきもの)の委員メンバーを選任するのが会社側という時点で、もうそれって「第三者」なのか?と疑問をもたれても仕方がないですね。報酬も当然会社側から出るんだろうし・・・さらに正確に申せば、フジテレビが立ち上げるのは日弁連のガイドラインでいうところの「ちゃんと公正中立性が担保された第三者委員会」ではなく「第三者の弁護士を中心とした委員会」なんだそうです。もう語るに落ちてますね!私の知人によれば:
最近、かなり著名な弁護士さんと公認会計士さんと付き合っていますが、彼らが成功した原因はどうも「顧客に寄りそう」、つまりかなり融通を効かせるということみたいです。ああいうプロフェッショナルは一般の会社と違って上司にへつらう必要がないと思っていましたが、顧客へのへつらいは素直なワタシ?には理解できないくらい凄いです。はっきり言って手が後ろに回らない限り何でもやります(顧客の都合の良いように書きます)
とのことです。芸能人の下ネタなんかには興味ないですが、公共性が重視される企業が絡む事案ならば、「第三者委員会」やそれらしい委員会のメンバー選出はちゃんと中立公正性が担保されていないとアカンだろうと思いますね。
学校のイジメのケースも「第三者委員会」のようなものが立ち上げられたりしますが、日弁連のガイドラインに沿ったものならともかく、隠蔽する動機がある学校側が委員会メンバー選定するなんて片手落ちですね。それなら被害者側からも委員を出さないと・・・
しかし「第三者委員会」という言葉を聞くと何故かそこで妙に安心してしまう=思考停止に陥るというのは「コンプライアンス」なんていうのもそうですね。その言葉でその先の思考がさえぎられる、思考停止に陥る。
ガバナンスも似たような側面があります。社外取締役とはいえ選任するのは会社側です。別に特段中立でも無ければ公正ではないかもしれないが、なんとなく社外取締役と聞くだけで、そういうことを期待してしまう・・・ダメじゃないですか?
ガバナンスの最も進化した例としてよく挙げられるのが「委員会等設置会社」・・・指名委員会・監査委員会・報酬委員会の委員長は社外取締役で、構成員も社外取締役が半数(以上)を占める・・・とかなんとかいうアレ。その社外取締役を選ぶのは会社側である限りそんなもんが機能すると考えるのは、会社側に選ばれた第三者委員会が機能すると考えるのと同様にオメデタイ人達でしょう(笑)
実際私の知っている事例では、ガバナンスの骨格を為すはずの社外取締役が誰一人として「ガバナンス報告書」を読んでもなかったし、そこに書かれてあることは「各委員会は規定に基づいてちゃんと仕事をしましたよ」というアリバイにしか過ぎないし・・・その一方でその会社はどんどん傾いていく・・・でも委員会は誰一人としてそのことに対して責任を取ろうとする姿勢が見られない。委員会で決めたことだから?みんなで決めれば怖くない?
その昔、ISO9000の監査というのがありまして・・・恥ずかしながら、審査には合格して無事更新される一方で不良が続発してお客様から「社長を出せ!」と呼び付けられて謝りに行ったことが一度ならずあります。某社から ISOの大家として転職してきて ISOの導入担当だった部下に「これってどういうことなんだい?」と訊くと「ISOの監査は品質システムがちゃんと機能しているかどうかを監査するものであって、不良を出さないことを保証するものではありません」とシャアシャと言ったものです(笑)「そんな ISOなら返上してしまえ!」と怒鳴ったことは言うまでもありません(笑)パワハラ?(笑)
委員会等設置会社の委員会はカバナンスがちゃんとしていることを保証するものではあっても、会社が傾くかどうかを保証するものではありません(笑)
ねえ、もうこんな第三者委員会とかコンプライアンスとか委員会等設置会社みたいな「言霊」に踊らされるのはやめませんか?惰性で続けても意味ないですよ!時間とエネルギーとお金の無駄ですよ!