APPPEXPO 上海展示会:(株)大力の山村社長報告 -1-

中国に行くにはまだ面倒なビザ申請手続きがある状況ですが、そんな中、京都の(株)大力の山村社長が商談もかねて上海の APPPEXPO(上海広告設備展示会)を視察し、写真を大量に送ってくれました。またメッセンジャー電話での速報・感触もお聞きしましたので、未整理ながら速報としてシェアします。

【Messanger電話による聞き取り:ざっくりした第一印象(順不同)】

★ 虹橋の国家会展示中心で開催。これまでは1階でクローバー型の8ホールを使っていたが、今回は2階を使用し6ホールを使用。面積的には減った感じ。インクジェットは ホール 1,2,5.6。

★ 外国人は少なかった印象。初日に出会った日本人は理想科学の人だけだった。日本人は中国人の中では目だたないが、外見でで目立つインド・パキスタン系や欧米系もコロナ前に比べると多くはなかった印象

★ 漢字オンリーのブースも多く、また名前を知らない新興(泡沫?)勢力も多い。

エプソンヘッドが花盛り!感触で言えば9割はあったのではないか?エプソンが用意したバナーが至る所に立っている。

★ 水系は i3200、UVは t3200が使われている。

★ (要検証ながら)典型的には 13200ヘッドを 1色 2個使いで 8ヘッド搭載し、1パスで 300m2/hという速度。その下の廉価ライブでは 1色 1個使いで 4ヘッド搭載し 2パスで 75m2/hなど

★ 但し、昇華転写用インクは 35元/L(今のレートで約 700円/Lあたりまで下がりもうあまり儲からない様子で、むしろ UVインク機が勢いを増している印象

★ 大判で、従来はメディアを生産する幅が 5mが限界ということからプリンターも 5m幅が最大だったが、6.6m幅機が登場し、3.3m幅のロールを2反掛けしているものもある。

★ 同時に UVフラットベッド機が隆盛。ロールもできるハイブリッドは減り、シンプルなフラットベッド機が増加した印象

★ 全般の印象として、展示会として洗練されてきた印象。以前のようなカオス感がなくなり、小綺麗・スマートな印象

カオスだった 2003年の展示会はこんな感じ(入社 20年以内の人は必見です!)

★ 以前は「エプソンの剥ぎ取りヘッド」「駆動基板」「インクカートリッジ・チューブ・ポンプ」などの怪しげな部品屋が花盛りだったが、殆ど姿を消した。エプソンが純正ヘッドの販売を公式に始めたため、かつてあったような「剥ぎ取りヘッド屋」が成り立たなくなったいうことか?

★ 大野註:エプソンヘッドが実感として9割のシェアを占めている状況は、かつて XAARが同様のポジションを築いていた 2003年頃の状況を彷彿とさせる。販売方法も「誰にでも売る」という点で当時の XAARと同じである。扱いが簡単で、一定レベルの技術屋がいれば簡単にプリンターが作れてしまうのも同様である。今回の「名前を知らないメーカーが増えた」「漢字オンリーのブースが増えた」という状況はその結果であろう。i3200は XJ128に相当する印象である。

★ その結果、何が起こったか?皮肉なことに有力プリンターメーカーの XAAR離れであった。結局 XAARは XJ128ヘッドを誰にでも売った=誰でも同じようなプリンターが作れてしまう=差別化を訴求する要素が無い=価格を維持できない=XAAR128を搭載したプリンターを作っても儲からない=XAAR離れが起こった。その次に来たコニカとセイコーは、そこから学んで別の戦略を採った。さてエプソンは XAARの失敗に学べるだろうか?既にエプソン離れを起こしている有力メーカーがいるという報告がある。歴史は繰り返すのか?

★ DTFや UV-DTFも相変わらず花盛り。DTFの水系顔料インクは 120元/L(概算 2,400円/L)と、35元/Lの昇華転写インクよりまだ値崩れしていないのも盛況を支えているのか?

★ 情報として入ってきている「パウダーレス」は Wet on Wetでまだ安定した技術とななっていない感触。★ ヨーロッパの展示会では DURSTや AGFA(INCA)などでよく見られる「ロボットアームによるマテハン」は殆ど見られないとのこと。まだ労務費や人手不足がそこまで深刻ではないということか?

APPPEXPO 上海展示会:(株)大力の山村社長報告 -2- に続きます

関連記事

ページ上部へ戻る