欧州放浪の総括(9)纏めと放浪のススメ 最終回

欧州放浪の総括(8)纏めと放浪のススメ -2- 戦利品?からの続きです

さて、2023年 5月 4日~6月 15日まで、6週間に亘る私の欧州放浪の総括の最終回です。「放浪のススメ」と銘打ったからには何らかそういう趣旨の纏めにしたいと思っていますが、なにやら纏まりのない「纏め」になってしまうかもしれません。そのあたりはご容赦を(笑)

皆様から「宿の予約はすべて事前にやっていったのか?」「費用はどのくらいかかったのか?」「放浪とは言うが、行く場所は全くの思い付きで決めたのか?」「自分も定年後に行きたいところがあるが、リスク管理はどのようにしたのか?」等々のお問い合わせに対し、様々な角度からそれへの答えや情報を提供してきました。最終回はそれらを踏まえて、総括としたいと思います。

ここでは主として私と同じような「会社員人生は一区切りついている」「時間は自由になる」「そこそこ健康である」シニア層を想定しています。それより若い世代の方も、いずれはそういう年齢に達するので、そのための心の準備として参考になれば幸甚です。

1.それをやらないで後悔しないか?いつやるの?今でしょ(笑)

判断基準はそれだけで十分です。人生百年時代とはよく言われますが、所謂「健康寿命」とか「健康余命」という概念・・・数十キロの荷物を転がして6週間 10,000kmに及ぶ鉄道旅行(ちなみに歩いた距離だけでも約 300kmあります)なんてことを出来るのは 75~80歳まで、あと 5~10年というところでしょう。その後はやろうと思っても体がついていかないという状況が生じるでしょう。

別に放浪の旅でなくてもいいのです。前から漠然と「定年になったらこれをやりたい」ということがあるならば、現役中は時間が取れずに先送りしてきたことがあるならば、それはやったほうがいいです。健康余命はあと少し・・・いつやるの?今でしょ(笑)

2.6週間・・・おススメしません

え?自分でやっておいておススメしないの?はい、長過ぎます。

今回の私の場合は、3年に一度の INTERPACKという展示会と、4年に一度の ITMAという展示会をカバーすると否応なく6週間となってしまったという事情があります。その制約を外して、プライベート部分だけを纏めると約4週間(28泊)で済んでいます。可能ならダブルミッションではなく、ミッションを絞って4週間以内に纏めるのがいいように思います。まあ、今回の場合は展示会訪問というミッションが背中を押してくれたという側面もあるので、矛盾する部分はあるんですけどね。

私はかつて3回に分けて北ドイツに通算 11年駐在した経験がありますが、最後の 2年間は単身赴任で、そのころは「いずれ定年になれば(今回のような目的で)ビザの限度の半年くらいドイツに滞在してみたい」などと漠然と考えていたことがあります。単身2年間の経験があれば半年くらいはなんとでもなるだろうし、まして1ヵ月なら短過ぎるくらいだろう・・・

でも、実際にやってみると1ヵ月がいいとこだなあという気がします。今回得た情報や経験を元に、次回(え、まだ次回があるのかよ(笑))やるとしたら6ヵ月滞在ってやるかい?ん~ん、多分やりませんね(笑)多分、途中で飽きます(笑)もちろん、やってみたいという方を止めるものではありません。これ、今やらないと後悔するだろうなと思えばやった方がいいです。もうこの歳になったら「やって後悔するか、やらなくて後悔するか?」という選択ではないでしょう。

3.放浪ってどうよ?おやめになった方が・・・(笑)

ここまでずっと「放浪」って言葉を使ってきました。言葉のイメージからは「風の吹くまま気の向くまま、明日はどちらに行くのやら、当てのない旅、独り旅・・・」ヒュ~、ヒュ~、カッコいい~(笑)

こういうのがカッコいいのは若さの特権だろうと思うのです。私も学生時代、一年間留年して当てのない時間を過ごしたことがあります。それが将来(今になって)何かの果実を産んだか?というと、何とも言えません。しかし、今やるならば「何をやりたいのか?何がやりたかったのか?」というヴィジョンを漠然とでも、いやある程度言語化してちゃんと持って旅に出た方が、満足感を得られると思います。

4.事業との共通性

いや、なにもそこに無理にこじつけなくてもいいんですが(笑)事業計画ってまずは机上でプランですね。事前の計画はそういうもんです。旅行会社が参加者に提示するプランは詳細まで綿密に予定が組まれており、それでも起こる突発的な案件を添乗員が適切に処理する・・・そういうものですが、個人での長期旅行はそこまで綿密な事前の机上プランは立てない方がいいと思います

むしろ「何をやりたいのか?どこに行きたいのか?そこで何を見たいのか」というヴィジョンだけは明確にして置き、最初の 1/3くらいの旅程の予約などは事前に固めておき、残りはローリングしながら現場で決めていくというスタイル。事前にどれだけ情報を集めようとしても、現場に行って初めてわかることもあります。ドイツ鉄道の運行の不安定さなどは現場でないとマネージできません。地元の人の話を聞いて「おお、そういうのもあるのか!」と思わぬ拾い物をすることもままあります。何を達成したいのかという最上位概念は事前に決めておき、滑り出しまでは固めておいて、その後は現場で最適解を実行していく・・・これは事業計画立案と実践そのものですね。

5.最後にひとつ重要なこと

皆さんから頂いた質問やコメントで、実は一番多かったのは「よく、奥さんが許してくれましたね?」「どうやった(どうやって懐柔した?(笑))のですか?」・・・の類です(笑)こればかりは秘訣はありません。まあ、長い時間をかけてそういう関係を構築するしかありません。この歳になってからではかなり手遅れかも(笑)ということで、もう少し若い年代の方は、今からそういう関係を目指して布石を打っていくことでしょうか?

一緒に行けばいいやんって?いや、それは・・・プラハとウィーンだけならともかく、旧東独やポーランドの田舎町に興味があるとも思えず、ウィーンからミラノまで夜行寝台列車で行きたいなんていうモノ好き鉄女でもなく・・・そういうパートナーと6週間?そりゃあまりにもリスキーだ(笑)

やはりオトコには独りになる時間が必要だ(笑)あ、これを言う以上は相手にも同じ自由度を差し上げないとアカンでしょう。秘訣というにはあまりに当たり前ですが、あえて言えばツボはそこでしょうね。いずれにしても、これだけ好き勝手なことを許容してくれたカミさんには感謝の一言です!(・・・あ、高くついたかも知れませんが(笑))・・・それは費用分析には含めておりません(爆))

以上、これをやらないと後悔するかもな?というコトがあるならば、直ちに行動を起こす・起こす準備をしましょう。直ちに?じゃなきゃいつやるの?今しかないでしょ(笑)

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