- 2023-7-30
- トピックス
今回は 7月28日(金)に発表のあったエプソンを採り上げます。
エプソン
グラフで明らかなように第1四半期は対前年同期で「増収減益」です。同社の場合は事業利益を見ていますが、ここでは他社比較や継続性を重視して営業利益に着目します。売上高に関してはここ数年で一番多いのが見て取れますが、営業利益は減益です。前年も四半期を追うごとに利益が下がってきているのが気になります。
ドルもユーロも前年同期に対してそれぞれ 10円程度円安となっているにも関わらず減益となっているのが少し気になります。
セグメント毎の説明はスライドが分かれ、説明も細かいので、数字だけを纏めておきます。事業分野全般に亘って利益率は下がっていますが、減益の要因は「マニュファクチュアリング関連・ウェアラブル関連」と「プリンティングのうち『オフィス・ホーム分野』のようです。後者に関しては:
という説明があります。ちょっと分かりづらい表現ですが「コロナもほぼ終息したので、本格的に拡販する為の販促費などを投下して経費が増加した分が、粗利益の増分を上回ったため『減益』となった」という意味なのでしょうか?前向きな経費投下なら四半期利益が多少凹むくらいのことは気にすることではないと思います(あまり気にし過ぎて前向きな経費投下が出来ない方がむしろ問題)
従来エプソンは、年間見通しを四半期を追うごとに少しずつ上方修正するというパターン(余裕を持っていて、それを少しずつ小出しにして上方修正するパターン)だったのが、2022年度 Q2(上期)をピークにその流れが変わったように見えます。
今回、グラフでは読み取り辛いですが、年間売上高見通しは微妙に上方修正しています。また事業利益は据え置きとありますが、営業利益では上方修正しています。ここで為替前提を:
としていますが、現時点の実勢レートに近く、下のキヤノンと比べて随分吐き出してしまったなという印象を受けます。
まあ、まだ第1四半期なのでこれからの成り行きに期待しましょう