業界各社 2022年度 第1四半期決算発表状況(6)小森コーポレーション

もうすぐ第2四半期(上期)の締め月の9月になります。間抜けなタイミングとなってしまいましたが、今回は、印刷機メーカーでインクジェット機も手掛けている小森コーポレーションを見ておきます。

小森コーポレーション

第1四半期としてはまずまずの数字かなと見えます。コロナ前の 2019年度と比べて、売上高はそれをクリア、前年同期比もクリアしています。また営業利益も過去 3年間の第1四半期は赤字でしたが、黒字回復しています。

2021年度決算発表と同時に決算短信に発表される 2022年度の見通しも、売上高も控えめながら堅実な増加を織り込んでおり、営業利益も約 50%の伸びを見込んでいました。今回それを据え置いた格好です。

【為替の影響】

為替前提に関し、同社は「最も円高寄りを前提としていたコニカミノルタと、最も円安よりを前提としていたリコーのちょうど中間あたり」のポジションでした。それでも実際のレートよりは円高目に設定していたわけであり、かつ電子写真系各社のように海外生産比率が高く、円安メリットを享受しにくい体質ではなく(極端には旧富士ゼロ(FB)などは円安はコストアップ要因)、国内生産が主体の同社はもっと円安を享受できてもよかったのではないか?・・・そう思えます。

↑↑ 当社の決算概要と地域別売上高の内訳です。これを見ても、為替は前年同期・今年度見通しに比べて円安に振れていますが、国内市場は為替は関係ないわけで、要はドル圏・ユーロ圏、特にユーロ圏があまり調子がふるわなかったものと読めます。まあ、同社の場合は商談サイクルの関係で、奇数四半期より偶数四半期の方が成績が伸びるという構造になっているようです。そういう意味では9月で締まる第2四半期・上期の決算が要注目でしょう。

【インクジェットに関して】

前回の決算へのコメントとして「インクジェットをフォローする私として気になるのはやはり「ランダ技術のマシン」の動向です。決算短信にはサラッと下記の記述があるのみです。強化加速するのか戦線縮小するのか気になるところです。」と書きました。

決算説明会資料には下のようなページがあります。「IS29のリカーリングビジネスの推進」とありますが recarringとはおそらくインクビジネスのことを指すと思われ、稼働率の向上などによる印刷枚数増加(インク消費量のアップ)施策ということと思われます。IS29(コニカミノルタの KM-1と同エンジン)の後継機も気になるところです。

今回の 2022年度第1四半期の決算短信にはインクジェットに関する記載はありません。先の決算短信に記載された「開発計画と事業体制の見直し」がどうなったのか・・・第2四半期の情報開示に期待したいところです。

関連記事

ページ上部へ戻る