サインアンドディスプレイショウ2021


11月 5日、国際展示場青海A棟で開催された「サインアンドディスプレイショウ2021」に出かけてきました。久々のリアルの展示会という点での期待半分、出展者が少なくどんなもんかな~?という疑念半分というところでした。結論は・・・画像でご判断下さい。ここまで準備されてこられた主催者サイドの皆様の努力には敬意を表したいと思いますが、次回もこういう状況だと「在り方」を考え直す必要があろうかと感じます。

「サインアンドディスプレイ」という分野・業界はインクジェットだけが全てではないことは理解しています。LEDパネルの展示も見られ、また施工される業者さんの出展もありました。とはいえ主役のインクジェット視点では、プリンターを展示していたメーカーは 3社(EPSON、MIMAKI、RICOH)だけでした。コロナ前なら普通にそこに居た HP、ローランド、武藤工業、沖データ・・・その他の海外勢が居なかったのは寂しい限りでした。先般の Nessanによる FESPA報告でも似たような状況だったことが報告されていますが、いかにガラパゴス日本とは言え 3社というのは「最少催行出展社数」を割っているのでは?

コロナは「コロナ前からのトレンドを加速した(だけ)」とよく言われます。ダウントレンドだったものを更に加速し、来るべきものの普及を加速した・・・米国では SGIAと GRAPHEXPOなどが統合されて PRINTING UNITEDという展示会となったように日本でもそういう動きが必要なのかもしれません。

また各社のプライベートショーや、有力販売店による展示会、更には HORIZONという印刷後加工機メーカーによる「SMART FACTORY」や、HUNKELERによる「INNOVATION DAY」などといった、新しい形態の展示会が好評を博しています。それに対して、これまで展示会を支えてきた業界団体はどういう答えを出すのでしょうか?

今回、目立たないながら「オンラインイベント」も開催されました。あれの評価はどうだったのでしょうか?それも含めて主催者サイドの総括を知りたいものです。

【全般印象】

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【セイコーエプソン】

ホッチキスの針のような形の展示スペースの長辺をほぼ独占したのがセイコーエプソン。アパレルメインにモナリザにとる、サイン業界を意識した顔料プリントサンプルを含め、エプソンのラインナップ全てを展示し、最も目立った・・・というより、実質的にエプソンの為の展示会という様相です。

エレファンテック副社長の杉本さん。インクジェットで「廃棄されるハズのものを蘇らせる」という活動事例を報告。エプソンの工場で、廃棄される予定だった古びたパーティションに、明るいデザインを UVインクでプリントして蘇らせたり、金属と樹脂の複合製品であるスノボに、インクジェットによるラッピングを施して蘇らせ、地中に埋めるしかなかった廃棄物を救ったり・・・「魔法の技術インクジェット」でやれることは無限にあると説きます。

不覚にも昨年発表されたというこの機種はフォローしていなかったけれど・・・典型的な中国ボディに見えます。

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【ミマキエンジニアリング】

常連のミマキは今回もブースを維持、エプソンに次ぐ面積を占めています。サイン系の展示会から、あの赤い「MIMAKI」のロゴが無くなったら展示会の存在が・・・そんな象徴的な意味を持っているように思います。

キャリッジがデカイ!JFX600-2513フラットベッド機

スプレー式の UVトップコート:デジコート

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【リコー】

プリンターを展示していた3つ目のメーカー。ラテックス機の展示と、愛媛の佐川印刷による事例を展示。大判プリンター一筋に仕事をしてきた鵜飼さんががんばってます。

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【アグファ】

サンプル展示でした。小さなブースなのでうっかり見落としましたが、手前に置いてある有名な 2.5Dリアルプリントの「えひめの魚」(佐川印刷)の全貌はこちらです。

【総合報道】

業界紙「総合報道」、業界誌「POPEYE」の上杉さん。やはりコロナの影響は深刻とのこと・・・取材もままならず、各社元気ではないので広告の出稿数にも影響がでているとのこと。各社の業績を見ていると、利益に関しては二極化のような傾向が見られますが、好調・不調にしても経費を節減して利益を絞り出しているのは明らかで、その費用削減の影響を受ける産業もあるという構造ですね。

【出口から・・・】

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