誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(31):★★トルガウ Torgau -8-

★★トルガウ Torgau -7- からの続きです

お城に行く前にもう少しマルクト広場の周辺を歩き回ります。「ルネサンスの町」とは聞いていましたが、私の撮った写真には結果としてルネサンス期の名残を残す建物よりも「廃墟」に近いもの、放置された建物などが多く残っています。特段の廃墟趣味などはないのですが(笑)ヤバい建物は早晩きれいにリノベーションされてしまいそうで・・・それよりマルクト広場の周辺という、謂わば一等地に、東西ドイツ統合から三十年も経って、まだこういう感じが残されているということに、ある種の驚きがあったように思います。 ↓↓航空写真はクリックすると拡大します。

航空写真の左手に「ベッカー通り」とありますが、そこを南下してマルクト広場に入る直前にルネサンスの切妻(破風:Fassade)のある建物があります。知らなかったのですが、ここは「ドイツ最古の玩具商」ということです。
公式サイトはこちら
正面写真を撮り忘れたので右の写真は Wikipediaからの借用です。写真はいずれもクリックすると拡大します。

Hotel Goldener Anker マルクト広場に面したホテルです

この辺りまではきれいにリノベーションされていますが、Marktplatzから、右手に入っていく通り「Fleischmarkt(肉市場)」あたりから向こうは少し様相が変わります。統一後三十年経って、まだ補修工事をする予算が回ってこないのか、あるいは補修対象から外れた地域や建物なのか・・・

この「J.G.Schmidt」と屋号の付いた家屋も「Liste der Kulturdenkmale in Torgau (A–L)」の Fleischmarkt 2の建物として掲載されています。そこの注釈には「Mitte 16. Jahrhundert(十六世紀中ごろ)ルネサンス様式の平凡な建物で、ファサードが変更されていますが、建物と家の歴史という点では重要です」とあります。

Fleischmarktと Nonnenstraßeが交わる角に、外装がくすんだままの建物があります。旧東独時代には外壁の塗料が不足していたのか、ほぼすべての建物の外壁は、先の「J.G.Schmidt」やこの建物のような感じでした。見ると、カフェが見えますが廃業しているようです。Cafe Altstadtとありますが、ネットを検索してもヒットしないことから、廃業して久しいとみえます。


中を覗くときれいに整頓されていますが、今どき流行りそうなカフェのスタイルというより、長閑だった時代に、近所の高齢者たちがお茶をするところといった風情です。下の貼り紙は「自分のコレクションを売ります」とあります。

Stammbild、Glanzbild、Oblateなどと呼ばれるのは、右のようなイメージのシールを台紙に貼ってコレクションするアイテムで、戦前に流行ったものと思われますが、旧東独時代にも続いていたようです。右の Wikipediaから引用したものは 1890年代のもののようです。シート物、個別のシール、あるいは台紙に貼ったものなど、いろいろな形態で販売可能とあります。

アドベントカレンダーも戦前や古いアイテムや、旧東独時代のものがあるようです。なんか、こういうのに弱いんです(笑)つい電話して現物を見せてもらいたいな・・・という誘惑にかられましたが、今回は自重しました(笑)

Oblaten-Album c1890.jpg Gemeinfrei, Link



「HOTEL」という文字が外壁に見える建物も、リストの Nonnenstraße 4に掲載されています。多分今日東独時代にはホテルだったと思われ、看板が外されたものとおもいましたが、もとからそういう装飾だったとも見えます。

解説には「トルガウのアール・ヌーヴォー時代初期の最高品質の建物で、建築的にも芸術的にも重要な彫刻が施された屋根の上部構造も注目に値します。曲線的な花のアール・ヌーヴォー・スタイル」ということです。ホンマかいな(笑)

★★トルガウ Torgau -9-に続きます

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