- 2021-3-14
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コロナ禍でリアルの展示会やコンファレンスが開催不能や大きな制限を受ける中で、必然の流れとしてオンラインイベントが登場してきました。私がリアルなコンファレンスを開催したのは昨年の 1月末で、それがリアルの最後のタイミング、その後 6月・7月には日本としてはいち早くヴァーチャル展示会を開催して好評を頂きました。その頃既に欧米では「ウェビナー疲れ」という言葉も聞かれ始めていました。
そしてその後、各メーカーも独自でオンラインイベントを開催、印刷関係の諸団体もオンラインイベントを開催し始め、私もここで 3月 25・26日に「JIBC2021 Online」、23・24日にはサプライヤーズ・フォーラムをいずれもオンライン開催します。しかし、私なりに昨年既に欧米で言われていた「ウェビナー疲れ」という空気を、遅ればせながら日本でも感じています。大方の印刷関係団体やメーカーも同じことを感じているのではないでしょうか?
今回はそこらへんを考えてみて、オンラインイベントはどうあるべきかの試論を書いてみようと思います。ちなみに以前は「ヴァーチャル virtual」と書いていましたが、virtual eventを「ヴァーチャル・イヴェント」と書くのもわざとらしいので、最近はオンライン・イベントとしています。vとbが区別できない平均的日本人になっちゃいました(笑)
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これは昨年9月時点の私のプレゼン資料で、その時にもリアルとオンラインの比較や、オンラインイベントはどうあるべきかの考察をしてみました。ここを出発点に、皆さんからのご意見や最近の状況を踏まえて今考えていることは・・・
1.参加しているシチュエーションが日常から切り離せない
リアルな展示会やコンファレンスは、会社から離れた展示会場や会議施設で行われ、日常業務から離れてそれに参加します。もちろん会議場に PCを持ち込んでせっせとメールを書いていたり、頻繁に席を外してスマホで会社に電話を掛ける哀しい人達もいるにはいますが(笑)まあ、コンファレンスが始まってしまえば、おとなしく講演に集中するしかありません。
ところがオンラインイベントに参加するシチュエーションというのは、会社のデスクからとか、在宅勤務での自宅の PCからとかで、日常の業務と切り離すことが困難です。つまらないと感じると、いつでも安易に離脱できます。
2.オフィスからって参加し辛い
オフィスに座ってキーボードを叩かず、画面だけをジーっと見ているのって・・・周囲からどう見られているかに敏感な日本人(サラリーマン)にはちょっとフィットしづらい側面もあるかもしれません。まあ、自宅ならそこはクリアできそうですが・・・自宅には自宅で、別のかく乱要因もありますからね~・・・奥方から「仕事してないならスーパーで卵買ってきてくれない?」とか(笑)
3.見逃し配信は参加意欲を殺ぐ?
あとでいつでも見ることができる=今、時間をやりくりして参加する必要はない・・・「ま、時間のある時に観よう」と先送りすると、たいていは観ないで終わってしまうようです。実際、自分がそうですから(笑)
4.事前録画モノはつまらない
事前録画って主催者や講演者にはある意味で好都合なのですが(時間に縛られない)、疑問に思ったことをその場で突っ込むことができないわけです。こういう意地悪質問をしたらなんて答えるかな~?なんてワクワク感が無いんですね(笑)参加している実感にも乏しいんです。
5.ダラダラと長く、メリハリのないのは飽きられる
これはわかりますよね!たとえいい内容のことを喋っていても、ダラダラと長く、メリハリが無いとウンザリ感が先に立ち、折角のいい内容がボケてしまいがちです。
6.メーカーのプロパガンダに何故付き合わなければならないのか?(特に有償コンファレンスの場合)
これは特に Nessanのようなジャーナリストが言いますね。通常の(コロナ前の)プレスコンファレンスでも既にそうでした。「配布されるプレスリリースを読み上げるだけ」とか「そのリリースには肝心の FACTとしてのスペックやデータの記載が無い」とか「従来モデルからの改善点の背景の説明が無い」・・・等々。特に、日系企業の欧州出先販社は日本から十分な情報が与えられていないのではないか?質問してもまともな答えが返ってこない・・・などのフラストレーションを持っています。これをオンラインでやられたら単なる時間の無駄!有償コンファレンスでこれをやられたら泥棒とまで言い切ります(笑)唯一の利点は・・・つまらないプレス発表に参加するため、費用と時間をかけて会場まで出かけなくて済むことだそうです(笑)
ちょっと話は逸れますが、米国カリフォルニア在住で既に2回のワクチン接種を済ませた友人が日本に出張に来て、2週間の自主隔離中とかで、暇つぶしに国会中継を視たそうです。「自主隔離中なので、国会中継を見る機会があった。私の提案:① 国会は、全部オンラインで行う② 質疑は、ロボットが事前に用意された原稿を読む ③ AIで、「しっかりと」や「国民に寄り添った」などの抽象的な言葉を発言から自動的に削除する。」(笑)③ などは社内会議や役員会などにも適用できそうですね(笑)
プレス発表・リリースの基本は「スペックのデータシートは必須」「現行機からの改善なら、データを並べて性能向上の差分が明確に分かるようにする」「それを実現した技術背景を記述する」「業界人なら耳タコの飾り文句は最低限にする」・・・ことではないかと思います。
■ ではどうすればいいのか?
人を食ったような答えになりますが「面白いウェビナーにする・面白い企画を立てる」という王道しかないように思われます。自宅やオフィスの PC画面で視ていて「あ、もういいや、これ、詰まんない!」と席を立たれたり、後で続きを観ようと「本業の仕事」に戻られたり・・・こうならないように「面白い」「飽きられない」「引き込まれる」ようなウェビナーにする工夫が求められるということでしょう。
では、なにが「面白い」のか?「飽きられない」のか?それは「何をツマラナイと感じるか?」を裏返せばいいわけですが、私の言葉であえて言えば「刺激的な内容を提供する」ということではないかと思います。予定調和を避け、どう転がっていくのか目が離せない!・・・そんなウェビナーにすることでしょうね。社内や関係部署・関係者に忖度して、当たり障りのないことを発表する・・・面白くないです。自分の腑に心底落ちていない内容を現行棒読みする・・・国会答弁みたいでツマラナイです(笑)バズワードを並べて煙に巻く・・・リアルイベントなら案外これで通じていたのではないかと思いますが、オンラインイベントは逆にこういうもののメッキが剥がれます。なにをこなれない言葉を並べてペラペラ喋ってるんだい?
まあ、言うは易し、西川きよし・・・ツマンネ~(笑)自分でも、こう啖呵を切った以上は「面白い!」と言われるような、時には「踏み込み過ぎた問題ウェビナー」とくらいに評されるような刺激的なものを目指したいと思います。
逆説的ですが、ウェビナーは聴いてみないと面白いかつまらないかが判断できないわけです。3回くらいつまらないウェビナーを繰り返すと「あの人のはつまらない」「あそこのはオモシロくない」というブランドイメージが定着してしまいます。逆に、面白かったと思ってもらえるようなのを何度かやると「あの人のはオモシロい」「というポジティブなイメージも定着していきます。究極は YouTuber達はそうやってフォロワーを増やして食っているわけですね。
ウェビナー界の YouTuberを目指しましょう!(笑)