コロナ感染者データ(の表現方法)の日独比較

下の画像はお馴染みの NHKニュースで表示される全国都道府県別の感染者数です。もう見慣れてしまって「ふ~ん、そ~なの」とさほど心を動かされるものではありません。ただ、これは単に感染者の実数をプロットしただけで、各都道府県の人口とリンクしていないので「東京の 2181、北海道 683、沖縄 1175、鳥取 47・・・」などの何処がよりマシなのか?よりヤバいのか?・・・これが伝わって来ません。

一方、ドイツの公営放送 ARDのニュースサイト「tagesschau.de」には、かなり細かい自治体が「人口 10万人あたりに換算した直近 7日間の感染者数」が色分けされて表示された地図が掲示されます。まあ、正直申してそれぞれの色の差が少な過ぎてちょっと見辛いというのはありますが、人口規模が全く異なる東京都と沖縄県の感染者実数を並べるより余程意味があると思えます。これで見ると、首都ベルリンは濃い色で表示されているのに対して、旧西独の北部各州(その下部自治体はかなり田舎)はやや明るい紫で埋められているのが分かり、大都会ベルリンより蔓延度が高いことが視覚的にわかります。

実は NHKのコロナ特設サイトにも、下の方にスクロールしていくと「人口 10万人あたり換算の各県別直近 7日間の感染者数データ」はあります。これによれば沖縄県が突出して高く、いい意味での最下位の秋田県の約 20倍の蔓延度であることが分かります。ただ、折角ここまでやるなら「全国」のデータも出して欲しいところですね。

これと同様なデータはもちろんドイツのサイトにもあります。文字が小さいですが画像をクリックすると拡大します。各州のランキングですが、もちろん「全国(全ドイツ)」のデータも掲載されています。左に旧西独北部の州が集まり、右の旧東独の各州が集まっていますが、ざっくり見て旧東独の方が対旧西独の半分程度の蔓延度という感じです。旧東独は現在も失業率が高く、経済活動レベルの差が反映されているのか、あるいは旧社会主義陣営と資本主義陣営で「各種の予防接種の体系が異なっていた」ことに起因する免疫力の差なのか・・・このあたりは専門家でないのでわかりません。事実としてそういう傾向が見られるということです。

さて、最近の傾向のグラフですが、ドイツは徹底して「人口 10万人あたり 7日間合計」で数字を統一して表現しています。オミクロンのピークは 2,000人に届きそうなレベルまで高まり、それが急速に治まって 300人を切るレベルまで下がったものの、再び BA.5とされる変種で上昇中で、600人を超えてまだ上昇中です。

NHKのサイトには、同じ考え方のグラフは見当たらないので本記事冒頭の地図の数字から簡便に計算すると「新規感染者 15,815人/日 ÷ 日本の人口 125百万人 x 10万人 x 7日」≒89人となります。ピンポイントではありますが、ドイツと比べて約 1/7の蔓延度レベルと言えます。

ちなみに、そんなドイツでは、マスクは既に「法律で義務付けられている公共交通機関の車両の中」以外の場所・・・駅・レストラン・居酒屋・イベント会場・博物館など人の集まる場所では必要ありません。また入国に際しても「ワクチン 3回接種済み」のアプリか紙の証明だけで済み、日本のように「日本行の便搭乗の 72時間以内の PCR検査陰性証明」などは求められてはいません。

ガラパゴス日本に(だけ)居ると気がつき難いですが、世界とはこんな違いがあるのです。

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