第26回上海大判プリンタ展示会2018(2):EPSON 3200ノズルヘッド

■ EPSONの安価プリンターから剥ぎ取られたヘッドに関する続報です

EPS3200(EPSONの3200ノズルヘッド)「1年保証します」と書いてあります

UVインク機と書いてあります

これもUV機と書いてます

実際にUVインクを撃ってLEDで硬化させているようです。白インクも撃てると書いてあります!(白+彩)

まず現場で聞き込んだ話を書きます。

EPSON 4720

■ ESP3200と書いてあるが 4720とも言われている。
■ EPSON_USAの公式サイトで$120で在庫処分販売されていたものから剥ぎ取ったヘッドだろう。処分価格前でも$180の安価プリンター
■ ヘッドは1,700REM/個(17円/RMBとして28,900円/個)で売られている。暗号解読ボードは約2,500RMB/個(同じく42,500円)で売られている
■ 既に8万個(一説には10万個)のヘッドを確保したとのこと。2年分を確保したと表現した中国人もいた

更に、私の知り合いの中国プリンタメーカーにはEPSONの代理人と称する人物から下記のような売り込みがあったとのこと

売り込みにきた人物の名刺

■ 自分はEPSONの代理商である
■ EPSONは急成長する中国のUVプリンタがRICOHヘッドや富士DIMATIXヘッドに席巻されるのをみて危機感を募らせた
■ そこで従来の方針を変更し、中国プリンタメーカーの有力な数社を選定してプレシジョンコアヘッドを限定的に販売することに決めた
■ 御社はその一社に選ばれた。ついてはヘッドを買わないか?
■ XAARの新製品1201ヘッドよりパフォーマンスは上で値段は1/5だ

また、大野の知人の中国人から追加で下記のようなメールを貰いました

■ For the Epson 3200 which is Epson 4720, it can jet the UV and eco-solvent ink as their promoting point. I believe this head is another big threaten to all the printhead(PH) makers due to its cheap price and the reasonable performances.

■ I think the strong point of this PH is end user can buy this head everywhere in China or in overseas, because this head is from low priced home printer. The price of the printer is the price of the head, therefore, you can easily imagine the smart Chinese guys are working hard for the printer purchasing for those head sourcing.

■ The New Century had already broke the code of this 3200 in China, that is why they are so elegant now, they sold the decrypt card to their authorized dealers in RMB 2310 to 2500/pc. It means after the end user purchased the card, and if the card is working well, their replacement cost is only the head price from the market, therefore, if this is become successful, I can say this will destroy to all the PH manufacturers except Epson.

■ In my personal view point, if Epson did not care this, finally this will affect to Epson printer sales as well. So, this 3200 debut is the nightmare to every PH manufacturers in the especially for the scanning market.

■ Further at now, almost dye-sub market was fully occupied by Precison core 5113, only Kyocera or Samba can enjoy a little bit benefit for this industrial market. So you can imagine how this kind of small head can influence to the existing narrow scanning market (Less than 2m print width) in the low end IJ printer factories in China.

大野私見…を述べるにはまだ時期尚早なのですが…
■ 「EPSONの安価プリンタをバラして、ヘッドを取り出し、それで産業用プリンタを開発し販売する、またそのヘッドを転売する」というような行為がいいことなのか、よくないことなのか?よくないとすれば何故よくないのか?これはどの立場に立つかによって変わるものなので、ニュートラルな視点からはなんとも言えないところです。

■ ひとつ言えることは、「コトの善し悪しはさておき、こういうコトが可能だということ」です。まだ展示会に出たばかりなので長期に安定して動くものなのかどうかも未知数ではありますが、少なくとも展示会に出して「UVインク・白インクが撃てる」、「1年間ヘッドを保証する」、「10万個は確保してある」、「暗号解読ボードもある」、「価格は…」と謳うことが可能だということです。

■ 問うてみたいのはEPSONのスタンスです。暗号解読ボードが必要ということは、ヘッドにはプロテクトがかけられている=こういう転用をされないような対策を打ってある=EPSONとしては転用を歓迎しない、許さないという立場である…ということなのでしょうか?逆に、この程度で簡単に破られるレベルのプロテクトしかかけていない=そこまでしてやりたいならどうぞ!黙認しますよ。プロテクトは、正規にヘッドを買ってくれているミマキなどのパートナーに対するポーズに市過ぎないんだから(笑) どっちなんでしょう?

■ DX5と称されるヘッドは、最初はEPSONがプロテクトをかけたり、それを解読するボードがでてきたり紆余曲折ありながら、グレーマーケットで流通していたのが、その現状を追認して今はEPSONが正規に販売していると認識しています。この場合もプロテクトは簡単に破られてきました。簡単に破られてしまう暗号化によるプロテクト…その中途半端さの意味は何故?何が狙いなのか?は問うてみたいところですね。

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