ITMA2019 連動企画:バルセロナ街歩き(9)地下鉄とスリ

バルセロナ市内の移動は地下鉄が便利です。どの路線も数分に一本の割合で電車が来るので、一本のがしてもすぐに次のが来ます。切符の買い方もシンプルで、10回券や5日券など割安なものも揃っています。

しか~し!唯一困るのがスリの存在です。命まで取られることはまずありませんが、キャッシュならともかく、パスポート・カード・スマホなど、ライフライン的なアイテムを取られると面倒くさいことこの上ありません。

私のツアーに申し込まれた皆様に下記のような注意文をお送りしていました。

■注意:
1)展示会終了時、地下鉄は混み合います。乗車券は一日券とか数日券の事前購入をお勧めします
2)混んだ地下鉄や観光地区にはスリが集団で活動しています。カードやパスポートはホテルに置いていき、必要最低限+アルファくらいの現金をポケットに分散して持っていかれることを強くお勧めします。
3)前回、同僚が3人被害に遭いました。私も観光地域でスリっぽい2人組に尾行されました…気が付いて、近くの店に入ってやり過ごしました。

4)また「偽警官」というのもいます。2人組で、一人は警官、もう一人は通行人の役割をします。突然、警官が話しかけてきて「この辺でスリが発生して捜査しているので協力してほしい」…とか言いながら、財布を見せるように言います。いきなり自分ではなく、そのへんの通行人をよそおった相棒から、まず財布を調べます。あ、ホンモノの警官なんだと思い込ませて、こちらが財布を出したら、ひったくって一目散に逃げられます。
5)私が出あったのはブラッセルで、一般人をよそおった通行人がまず、地図を広げて「XX教会はどのへんですかね?」とか道を尋ねてきて、そこで暫く話をしていたところに偽警官がダッシュしてきました
5)偽警官は身分証を見せますが、こちらが確認できないスピードでパパっとみせて引っ込めます。私は、この時点でアヤシイと思って「おいおい、俺は日本人だ。そんなに早く引っ込められては確認できないじゃないか!もっとしっかり見せてくれ」…で、しぶしぶ向こうが見せた時「念のため写真をとらせてよね」というと、バレたと思って「もういい」と去っていきました

6)私の娘は、バルセロナの地下鉄で3人組の女集団に遭遇…一人は見張り、一人は脱出用にドアをブロック、そしてもう一人が娘のバッグをごそごそいじりだした…娘は「なにすんのよ~!!」と大声を張り上げて撃退したようです。

こんなこと書いている自分も前回のDRUPAの時、路面電車の中で財布スられました(笑)
4年に一度の大展示会は、ビジネスマンだけでなく、それをめがけてヨーロッパ中のスリが集まってきます。特に日本人…最近はリッチな中国人もカモのようです。自戒をこめて、用心しましょう!

で、なにが起こったかというと・・・

知合いと食事をした後、ホテルに帰るため地下鉄に乗って、Catalunyaというメジャーな駅からたまたま空いた座席に座った瞬間、ラフな格好をしたニィちゃんが、ダダっと私に駆け寄り、警察のバッジを見せて、私のリュックを指さし「俺は警官だ!」と叫んで、車両から降りるように指示!なんだ、なんだ?これ、俺のリュックだけど?

あ、こいつ偽警官じゃないか?とピンと来て「ID見せてよ」「はい、いいよ」(と顔写真付きのプラカードを見せる)「これホンモノ?写真撮っていい?」「いいよ!あ、疑ってる?俺は本物の警官だ(笑)」と・・・シャツをめくると、そこにはホルスターに入った拳銃が!・・・なるほど、どうやら本物らしい。で、彼に促されて車両からホームに降りる。

すると、もう一人、私服の警官と思しきラフな格好の兄ちゃんが、母親と思しき中年のオバはんと、4人の少女(小学校低学年あたり)をホームのベンチに座らせて見張っている。なんとなく、状況が呑み込めてきた。ははん、あれがスリ集団か・・・

「我々はバルセロナ警察の覆面警官です。スリを摘発しています。たまたま社内で、あそこの子供が貴方のリュックのポケットのチャックを開けたので現行犯で逮捕したのです。何か取られていませんか?・・・そこには普段はボールペンとメモ帳くらいしか入れないんだけど、たまたまバッテリの減ったスマホを予備バッテリーに繋いで充電していた。確かにチャックは半開きになっていたが、幸い盗られてはいなかった。

その後、警官は私のパスポートの写真を撮り、住所氏名メルアドを尋き、調書の署名欄にサインを求めて解放してくれた。「リュックは背負っちゃだめだよ、こういう風に前に抱えて、いつもポケットが見えるようにするんだよ」とご親切に防犯指導まで(笑)あ、一つ勉強。覆面警官は an undercover policemanというらしい(笑)

あとで聞けば、私の場合は幸運にも未遂で犯人が目の前で逮捕され難を逃れることができましたが、少なくとも10人は被害に遭ったようです。日本人だけでなく、欧州人の友人も被害に遭ったようです。

私の場合は「財布・パスポート・カードは絶対持ち歩かない(たまたまこの日は必要有ってパスポートだけは携帯していた)」「リュックはワイヤーでベルトに繋いでおく(ひったくりと置き忘れ対策)」ということで被害最小限の行動をとっていましたが、それでもスマホを盗られたらダメージは大きかったはずです。

バルセロナはいろいろな意味で素晴らしい町で、地下鉄も非常に便利ですが、スリだけは頂けません!警察の奮闘を期待します。ま、根本原因は別にあるんでしょうけど・・・母親が4人の子供を連れて、電車のなかでスリをやらせる・・・哀しいものがありますけどね。

関連記事

ページ上部へ戻る