ITMA2019 Barcelona:速報(12)各社ブースの画像 -5-

各社の画像をアップしてコメントします。後日纏めて全体感などを再整理しようと思いますが、まずは ABC順にベタに並べていきます。

【KISCO – MATSUI】

KISCO(韓国):PAPIJETのブランドで水系テキスタイルインクに特化したインクメーカー

KLIEVERIK:オランダのテキスタイル周辺機器メーカー。ここでは昇華転写用のカレンダー(ヒートロール)を中心に展示

コニカミノルタ:私の前職なので詳細なコメントは控えます(笑)

・・・とは言いながら少しだけ(笑)。8年前のここバルセロナ開催の ITMA2011には、当時としては世界最高速のスキャンタイプ機 Nassenger Pro1000を発表。当時の他社が 300平米/時あたりがマックスだったところ、600平米/時で圧倒的に他社をリードしてこの先の在り方を提示しました。ドラフトモード(360dpiのワンスキャン)では 1,000平米/時を謳い、それが Pro1000というネーミングのルーツです。実際、トルコの潜在顧客はストップウォッチを持って、実際に 1,000平米/時でプリントできているのかを確認する人も出てくるくらいのを与えました。

ITMA2011でデビューした、当時の世界最高速スキャン機 Nassenger Pro1000

私が事業部長としての最後の大展示会だったミラノ開催の ITMA2015では、シングルパス機 Nassenger SP-1を発表。しかし、現実的なビジネスを行うには、超高速のシングルパス機と現実的な高速スキャン機の組み合わせ(+サンプルやストライクオフ用にエントリーモデルも必要)と主張し、Nassenger 10(Pro1000のバージンアップ版)と Nassenger 8を展示して話題を集めました。

ITMA2015ではシングルパス機のユニットを展示し、動態デモはコモのショールームに見学客をバスでピストン輸送。他に高速スキャン機を2機種展示。

そこから4年経った今回は、スペースも大幅にセーブし、この時発表した Nassenger 10の一機種に絞った展示となっています。

公平の為に申しておくと、同じ Nasssenger 10でも、発表した当時からは、実際に使っている顧客からの厳しい要望を吸収してそれらを反映し、マシンとしての安定度は飛躍的に向上していると思われます。また、その間に蓄積した営業・サービスのノウハウ蓄積も大きく、顧客への設置から安定運営までのガイドは他社に勝るとも劣らないレベルで、それがコニカミノルタのロイヤル顧客を繋ぎとめている魅力であることは明らかです。

こういう産業用機器の展示会は、ボックスムービング製品のそれとは異なり、展示会で現物を見て気に入って成約・・・というのはまずありません。そういう意味では、「何台売れた!」というようなセンセーショナルなキャッチを謳うのではなく、今回の展示会でも明らかになってきた「シングルパスより、高速スキャン機」に絞り込んだ、コストパフォーマンスの高い展示というのは一理も二理もあります。実際、DURSTなどは展示会から撤退して、その費用を限定顧客対象のオープンハウスに回したこともあるくらいで、展示会の派手さだけが正解ではありません。(・・・とはいえ、DURSTも結局は展示会に復帰しましたが(笑)

し・か・し・・・ITMAや DRUPAのような「4年に一度の展示会」というのは、その時の売れ筋を展示すればいいというものでもないように思います。むしろ、この先(少なくとも)4年間にはこういうことをやっていきますというビジョンを提示する場であるはずです。そこがあればよかったのにな・・・と思った次第です。

KORNIT DIGITAL(イスラエル):顔料インクでDTG機(Tシャツプリンタ)を供給するメーカーとして知られているが、ここにきて顔料でR2R機に注力している。写真は最新鋭機 PRESTO

KORNITは既に8年前の ITMA2011(バルセロナ)で、将来はこちらの方向にも進出・・・とR2R機 ALLEGROのプロトを展示していた

Nessanの記事によれば展示した DTG機は「印刷前に布地に定着剤を吹き付け、印刷後にエンハンサーをスプレーする新しい PolyProプロセスを披露しました。そのため、前処理や後処理なしで布地に直接印刷できます。」という新技術を搭載したものです。

また、上左の写真は VRのゴーグルを装着して、そこで将来のテキスタイルの生産ラインのイメージをアニメで見せていて、自動縫製などのアイデアも斬新で、非常に興味深いコンセプトでした。これが実現するかどうかという現実的な問いはさておいても、こういうビジョンを提示するのが ITMAであるという認識は学ぶところがあります。

M&R:コンベンショナルなスクリーンによる Tシャツプリンタのメーカーだが、そのステーションの一つをインクジェットにして「Digital Squeesee」と称してハイブリッド化したものを展示。このコンセプトは多くの Tシャツスクリーンプリンターのメーカーで取り入れられている。スクリーンを排して、フルインクジェットにする KORNITのようなメーカーとは一線を画すもの。スクリーンにはスクリーンの良さ(インクジェットではできないこともある)という認識とプライド。

松井色素:ダいストーンというブランドで顔料インクを製品化、インクジェット業界に積極的に紹介している

続きます

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