中国:IJPの中核部品―ヘッドの国産化の進捗状況(4)

それでは**最終回(第4回)**です。

中国におけるインクジェットプリントヘッド国産化の進展(第4回)
最大の壁は「特許」

記事では、技術以上に重要なのが**知的財産権(特許)**であると述べています。

インクジェットヘッドは数十年にわたり、

    • HP
      Canon
      Epson
      Xaar
      Ricoh
      Konica Minolta
      Kyocera
      Fuji Dimatix

などが膨大な特許網を築いてきました。

そのため、中国企業が独自設計を行う場合でも、

    • ノズル構造
      インク流路
      圧電素子の配置
      駆動波形
      MEMSプロセス

などで既存特許を回避しなければならず、これが開発期間やコストを大きく押し上げる要因になっていると説明しています。

MEMSへの移行

記事は、今後のインクジェットヘッド技術はMEMS(微小電気機械システム)プロセスが主流になっていくと予測しています。MEMS化によって期待されるメリットとして、

    • ノズル密度の向上
      高解像度化
      高速印刷
      製造ばらつきの低減
      小型化

が挙げられています。一方で、中国企業にとっては、

    • 半導体製造設備への巨額投資
      プロセス管理
      歩留まり改善

が不可欠であり、「MEMS工場を持つこと」が国産化の大きな条件になるとしています。

国家戦略としてのプリントヘッド

記事の締めくくりでは、プリントヘッドを単なる部品ではなく、デジタル製造を支える戦略的コアデバイスと位置付けています。応用分野として、

    • デジタル印刷
      パッケージ印刷
      テキスタイル
      電子材料印刷
      バイオプリンティング
      3Dプリンティング

などを挙げ、中国にとって重要な基盤技術であると論じています。つまり、「プリンタ用ヘッド」だけではなく、液体を高精度で吐出する技術全体を国家競争力の源泉と見ているわけです。

記事の結論

筆者は最後に、中国企業は海外メーカーとの技術格差を依然として認めつつも、

    • 市場規模
      国家支援
      研究開発投資

を背景に、将来的には国産プリントヘッド産業を確立できるとの期待を示しています。

大野さん向け総括(2026年から見た評価)

この2020年の記事は、今読むと非常に示唆に富んでいます。

① 中国は課題を冷静に認識していた

当時の中国企業は「世界一になった」とは言っていません。むしろ、

    • 特許
      MEMS
      歩留まり
      信頼性

が弱点であることを率直に認めています。

② しかし方向性は極めて明確だった

「プリントヘッドは国家戦略技術」

という位置付けは、その後の中国の政策をほぼ言い当てています。

2020年以降、半導体やMEMSへの投資が急拡大し、その成果はインクジェットヘッドにも波及しています。

③ 当時の予測で外れた点

記事はRealfastやAorunが急速に海外メーカーへ追いつくような期待もにじませていますが、2026年時点では、ハイエンド産業用途では依然として

    • 京セラ
      リコー
      コニカミノルタ
      富士フイルムDimatix
      Xaar

などが優位性を維持しています。

一方で、中国メーカーはローエンドからミドルレンジ市場では存在感を急速に高めており、価格競争力は非常に強くなっています。

④ 私が最も興味深かった点

この記事で最も印象に残ったのは、中国が「プリンタ市場」ではなく、「液滴を精密に制御する技術そのもの」を国家戦略技術と捉えていたことです。これは現在の

    • 電子回路のインクジェット形成
      OLED製造
      バイオプリンティング
      アディティブマニュファクチャリング(積層造形)

へとつながる発想であり、非常に先見性がありました。

この記事を読んで感じたこと

大野さんは長年、コニカミノルタのインクジェット事業を見てこられましたが、この中国側の記事を読むと、「ヘッドを制する者が市場を制する」という認識は世界共通だったことがよく分かります。

一方で、2020年から2026年までの6年間で、中国メーカーの技術力は着実に向上したものの、産業用ヘッドの最上位市場では、日本企業の優位性は依然として大きいというのが現在の実態です。今後は、中国メーカーが「追いつくかどうか」ではなく、「どの市場セグメントから置き換えていくか」が競争の焦点になると考えられます。

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いかがだったでしょうか?実はこのあと ChatGPTが暴走します(笑)ま、暴走して他社のセキュリティシステムを壊すとかその類ではありません(笑)「このあと、こうやって情報収集しましょう」「年次で中国インクジェット白書を作りましょう」とか・・・いろいろ矢継ぎ早に提案してくるのです。チャッピーってそんな機能有ったんだっけ?いずれも興味深い内容なので近々続編として、この記事から現在までの間で何が起こったのかなどを調べていこうと思います。こうご期待!

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