「働き方改革」考

ず~っと疑問に思っていた言葉、それが日本でいう「働き方改革」です。二つの側面があるのですが、今日はその一つだけ、「ポン」とその扱いの背景にあるものについて書きます。

ポンはもちろん麻雀のポンではなく(笑)フランス語で pontと書く「橋」の意味です。火曜日や木曜日が休日の場合、週末との間にある月曜日や金曜日を自動的に「橋のように」繋いで有休消化日としてしまうもので、ドイツでも Brücke(ブリュッケ:橋)と言っています。1981年にドイツに初めて赴任した当時、もうそれは当たり前の習慣としてヨーロッパには定着していました。40年前の話です。ひょっとしたら既に戦前から存在していたのかもしれません。


これはクリスマス休暇などでも拡大解釈され、クリスマスから元旦の間はほぼ自動的に休みになり、12月26日や27日に出勤して日本本社に「仕事してますよ」的メール(私の時代はファックス」を出したりするのは日本人駐在員だけでした(笑)

日本でもずっと後(比較的最近)になって国が法律を作って「休日を動かして週末と繋ぐ」なんてことをやりましたが、ヨーロッパではそんな姑息なことはしません(笑)

今朝のメルマガに「★ 今日は月曜日ですが、火曜日が休みのため在宅や休暇の方も多いのではと推察します。ヨーロッパではこういう日はほぼ自動的に休みとなりますが、日本もコロナを機にそういう流れになってきているように思います。オフィスでこれをお読みの方、お疲れさんです!帰りましょう(笑)」と書きました。

実際 GoogleAnalyticsをチェックしてみても、いつもなら週初めでアクセスが跳ね上がるのが通例の月曜日ですが、今日は休日並みに少ないのがわかります。一方、株式市場は開いているし、銀行口座にも動きがあったので今日は法的には平日であることもわかります。要は、大方の日本人・・・少なくとも私のサイトにアクセスされる「インクジェットコミュニティ」の方々の大多数は、40年前にヨーロッパでは既に当たり前の習慣となっていた pontや Brückeを活用していると想像されるのです。時間のある時に昨年あたりのデータと比較チェックしてみようと思いますが、明らかにコロナ以降に在宅勤務が大きな流れになって以来、一気に進んだ流れと思われます。

・・・なあんてことを思っていたら、早朝に、ある方から「大野さん、おはようございます。この時間に出勤してメールを見ている日本人です」(笑)って、ちょっと自虐的なメールを頂きました。

私は「自分のやってることが好きで、オフィスに来て仕事をする」とか「国が決めた休日や祝日や、会社が決めた労働時間なんかに捉われずに好きな時間に好きなだけ仕事をする」というは全く否定するものではありません。実際、自分自身が現役会社員時代にそうだったし、今もそういうもんです。この方の出勤もそういう部類であることを祈ります。

ダメだなと思うのは・・・このコロナ禍にあってもなお社員を信用せず在宅勤務を認めないとか、そういうことを推進しないとか・・・その一方で、会社としての残業代節約にコンプライアンスのスキンをかぶせて、パソコンの電源のオンオフで退社時間やモニター・管理しているような会社・・・残念ですね!何やってんだか(笑)

更に、出勤して(させて)何をやっている(やらせている)というと・・・上司へのくだらない報告書作成!マネージャーの仕事はマネジメントすること・・・なんて大きな勘違いをして、自分で世の中に出ていかなくなった管理職や役員どもが、自分の上位職に「合理的に見える説明」をするための報告のヒエラルキー!付加価値を生まない作業の連鎖です。

その一番上にあるのはプロパー役員や企画部門管理職が「社外取締役に『ちゃんとした説明』をするためのお勉強資料作り」だったりします。無駄もいいとこ!

こういう会社や組織には未来はないので、直ちに帰宅して転職サイトをチェックしましょう!会社からやるとモニターされてますぜ(笑)

関連記事

ページ上部へ戻る