- 2019-2-23
- イベント参加報告
写真速報(7)からの続きです
サマリーを書いておきます。下の表はデジタルプリンタを中心とした出展者の推移です。展示会はこのような定点観測・推移観察・差分分析が重要です。
デジタルプリンター関連の出展者は昨年と比べて EFI/REGGIANIと KORNITの大どころの2社が抜けました。その他にも武藤工業(昨年は松井色素と共同で出展)、GoTxというメーカーが見当たりません。これをしてデジタルが退潮と見るのは早計です。今年は6月に ITMAが開催されるため、今回は予算をそちらに集中させたと見ることもできるからです。
但し、この展示会が「典型的なプリンタを見せる展示会」ではないというのも事実です。プリンタ自体を展示するなら、FESPAのほうがフィットするでしょうし、繊維業界の川上にアピールするなら ITMAの方が似合っていると言えるでしょう。インテリア業界の展示会としての、このホールのポジションは今後も当面は微妙なところを彷徨うように思います。
他の気づきとしては「ITACA」と「FERROROBIA」というセラミックのインク業界から「テキスタイル向け顔料インク」の参入が表明されたことです。ヨーロッパのセラミック業界はインクジェット化が急速に進行し、既に導入されるべき生産ラインには殆どインクジェット機器が導入されたので、新規設置は殆ど無く、僅かな置き換え需要のみ、ヘッドもスペアパーツ需要が少しあるくらい・・・インクは安定した出荷が出来ていると思われますが、これ以上の激増は見込めないというところでしょう。
そこで、顔料インクの応用展開先としてテキスタイル分野、中でも伝統的に顔料捺染が主流のホームテキスタイルに照準を合わせたものと想像されます。柳の下に泥鰌がもう一匹いるのかどうか・・・展開に注目したいと思います。
昨年登場したリトアニアの「オンデマンド・エンボス」の DIMENSE(会社の名前は VEIKA)はデジタルプリンターが並ぶホールからは抜けて、壁紙のホール3.1に移動しました。リコーの壁紙プリントエンジンの成果物(壁紙)や、HPの機器も、このデジタル機器ホールではなく、メインのホールに展示されています。
さて HPが本格的にテキスタイルに参入してくることが予想されている中で、来年あるいは長期的にハイムテキスタイルに於けるデジタルのポジションはどういう方向に行くのでしょうか?来年以降も定点観測を続けていこうと思います。