大阪ミシンショー(2):インテックス大阪 2月 16・17日

大阪ミシンショー(1)からの続きです

■ 島精機:ホールガーメント編機で有名。フラットベッド・インクジェット機も。

ホールガーメント編機が世界的に有名ですが、公式サイトの製品情報によれば、アパレルデザインシステム、カッティングマシン(CAD/CAM)そしてインクジェットと、やはり川中のプレーヤーだということがわかります。

インクジェットは基本はフラットベッドで、インクは反応・酸性と顔料タイプを揃え、分散・昇華(転写)は持っていません。他社がやらないことをやるという姿勢に徹しているように見えます。世界的にはマイナーな酸性インクは、編機で製作したウールのガーメントに着色するという目的と思われます。

顔料をいち早く導入し、白インクも揃えて「刺繍」を模したデザインもプリントが可能という訴求をしています。

 

ユカ アンド アルファ 3DデザインCAD

 

AGMS EFI/OPTITEXの代理店
インストラクターが OPTITEXの使い方を、画面共有モードで顧客に指導中

 

■ その他インクジェット機・全般印象

 

 

【 纏め 】

私も含めて、これを読まれているインクジェットに関わっている皆さんは「プリント」「プリンター」を軸とした世界観を持っていると考えられ、そこにフォーカスした「アナログvsデジタル」の利害得失を議論し、デジタル化のメリットを説き、それを推進しよう・推進できると考えがちです。

もう少し広い意味で「印刷業界」の皆さんは、印刷しただけでは最終製品にならず、後加工まで含めたワークフロー全体を見る視野の広さがあるように思いますし、実際、印刷の現場でも「印刷と後加工」はもはや一体という考え方が根付いている様に思われます。

一方、繊維業界では、印刷に相当する川上と、後加工に相当する川中が大きく分断され、各々に独自の文化があり、敢えて申せば「別の人種」が「別の国(展示会)」で暮らしている印象さえあります。更に申せが、川中に流れ込んでくる上流の川上のなかでも「プリント」は約10%にしかすぎず、マジョリティは「単色染」・「織物」であることを理解する必要があります。

おそらく川中でその合理化・近代化に取り組む人達のフォーカスは、まずそのマジョリティありきで発想が組み立てられ、個別カスタマイズプリントありきではないところに、我々インクジェット屋と大きな断絶があるようです。更に、ニット(編機で生産されるもの)などの傍流が話を複雑にもしています。

いずれにせよ、インクジェット屋が広義の繊維業界にその存在感を拡げていこうと考えるなら、後加工に相当する川中(更には川下)の文化と構造を学んでおくことは必須であろうと思います。

また例によって、日本の繊維業界やその川中はもはや世界の縮図ではないことを考え見ると、中国の CISMAや、ドイツの TEXPROCESSなどを視ておく必要が有ろうかと思います。

表面的ではありますが 2017年の TEXPROCESSのレポートはここにあります。

以上

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