ねえ、こういうの、そろそろ止めませんか?(笑)

いきなり、謎のタイトルを書いて、しかも(笑)マークまで付けて・・・なんのこっちゃと思われたでしょうね(笑)

たまたま facebook で、畏友である BECKHOFF AUTOMATION の日本法人社長の川野さんがシェアした記事を読んで「そう、そうだよな!我が意を得たり!」とハタと手を打った勢いで書いているので、こんなタイトルになりました。ご容赦ください(笑) まずはその記事を引用しておきます。このリンクです。 

この記事は、中国(上海)の「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」を、日本人の 3D設計推進者の視点から観た「日本のモノづくりはこれからも強くいられるか」というタイトルの記事で、「中国をいつまでも後進国・途上国と位置付けて侮っていると抜かれてしまいますよ!」「でも、日本は慢心していて、かつ政府の取り組みもなんかズレてないですか?」と警鐘を鳴らしています。いい記事だと思います(あくまで個人の意見です(笑))

その中で・・・特にこの特定の資料を貶める意図は皆無なんですが、説明の為に下記のパワポ資料2枚を記事のなかから引用しておきます。あくまで一般論としてのサンプルなのですが・・・筆者はこれを「上の図で示した日本の5つの重点分野を見ても、「インダストリー4.0」や「中国製造2025」に比べて具体性に欠け、イメージ優先のぼんやりしているものに感じられる。」「下図のような分科会における検討イメージとして挙げられていたが、筆者はこの検討イメージから「強いものづくり」が達成できるイメージが出来ない。」と断じています。いや、全くその通り!

先日、酒井さんとの対談の中で「出たっ!私、こういう『パワポに綺麗な図や表がてんこ盛りの分厚い資料』ってあまり得意じゃないんですが(笑)」と言いました。どんな資料なのか思い当たる方は多いと思います。別に役所の資料でなくても、特に大企業系の皆さんは社内に氾濫していませんか?(笑)

この記事の読者の中には、それに目を通して説明を聞いてなにかを判断する立場にある人もいるでしょうし、そういう資料を作る(作らされる)立場の人もいるでしょう。そういう体裁の資料を作れと指示する立場の人もいることでしょう。

判断する立場の人は「うん、取り敢えず分厚い資料は作ってきたな。よしよし!オレ、この道はド素人なんだが、立場上それを言う訳にはいかんし、まあ取り敢えずプレゼンを聴いて、その間に気の利いたコメントを考えよう」なんて考えてます(笑) こういう資料を作れと指示した人は「おれも正直言うと腑に落ちてる訳じゃないけど、まあ経緯と前段だけは喋って、後は作ったやつに説明させよう。ま、どうせ自分がそれを責任もって遂行する積りはないし・・・」なんて考えてます(笑)

で、作らされた方は、説明までさせられて、心の籠らないプレゼンをやりますが、所詮もっともらしい情報を切り貼りして、主語・述語のハッキリしない綺麗な図と箇条書きなので、だから何? や、5W1Hの無い、力の無い説明にしかなりません。

プレゼンが終わった後には奇妙な沈黙が流れます。皆、最初に馬鹿な発言をしたくないのです(笑) でも、発言しないと存在感が疑われるというプレッシャーも有って・・・最初のコメントは往々にして「あの、本題とは関係ないんだけど、この漢字間違ってないかい?」(笑)

その後も、所詮は「馬鹿と思われないように『気の利いた質問をする』ということに腐心する」という無意味な時間が流れます。概ね「これではよくわからない」「このデータの裏付けが弱い」・・・なんて話になり、結論(機関決定)は出ないままに「もう少し、この点を精査するように」なんてことで終わります。

経営って、不確実な情報の中で、決めるべきタイミングで、決めるべき立場にある人が、ハラを括って決めてコトを進めるんことじゃなかったんかい、おい!(笑)

責任者がハラを括って決めた以上は、後になって「情報が不足だった。ちゃんと集めてこなかった部下が悪い」は絶対禁句!でも、確実な情報が取れるまで決断しないのはもっとダメ・・・そういうもんじゃないのかい、おい!(笑)

お役所も企業も・・・こういう壮大な無駄を繰り返していて大丈夫なんでしょうか?大丈夫なわけないですよね?(笑) という訳で冒頭のタイトルなんです。

ねえ、こういうの、そろそろ止めませんか?(笑)

■ 大野註:私が事業責任者をやっていた当時は、部下が私の為にこういう無駄な資料を作らないように指示していました。パワポ資料は要らんから、責任者(部門長)が自分でホワイトボードにアタマの中にあることを描いて、自分の言葉で俺に説明してよ、主語は自分で・・・とやっていました。この方が、きつかったんでしょうね、多分(笑) 部下に資料作りを投げて、自分は導入部だけ説明して、部下に説明させる・・・このスタイルの方が余程楽だったでしょうね。

■ 大野註:また、私が役員だったころ、役員会への報告資料や提案資料は、徹夜をしても全て自分が作っていました。自分の口で喋ることは、自分の腑にしっかり落としたストーリーであるべきで、部下とは言え他人に丸投げして作らせた資料を棒読みする器量は、少なくとも私にはありませんでした。まあ、そのやり方に反省が無いと言えば、それも嘘にはなるんですが・・・それはまた今度(笑)

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