ジャパンパック 2022 (JAPAN PACK 2022) – 6 –

ジャパンパック 2022 (JAPAN PACK 2022) – 5 - からの続きです

インクジェット視点で、私の関心を惹いたものは「水系インクによる軟包装へのプリント」です。スクリーンが一世代前のサンプルと、そこからかなり進化した最新のサンプルを展示していました。展示こそ無かったものの、カナオカが実用モードで工場を稼働させるというニュースがあったり、コニカミノルタから水系インクのソリューションのアナウンスがあったりと、この分野は実用モードに入りつつある印象です。ただ一方で、軟包装のフィルム包材から紙包材へのシフトも強力に推進されている様子もあり、その辺の成り行きにも目が離せないところです。


もうひとつ、私の関心を惹いたものは「サーマルインクジェットの勢力拡大」です。前職でピエゾヘッドを扱っていた関係で「サーマルは水系インクしか撃てない=応用範囲は狭い」という固定観念があったのですが・・・一方、ピエゾヘッドは単体で十万円~数十万円という価格で、そこにインク供給系・メンテ機構・搬送系・UVランプ等々を加えると、モノクロ単色でも数百万円、フルカラーとなると少なくとも一千万円・・・みたいな価格帯になりがちです。しかし、サーマルヘッドで溶剤や UVインクなどが撃てるようになってくると、簡易なシステムなら一桁安い「数十万円」という価格で実現可能になります。


更に今回もう一つ「ハンドヘルド」機が簡単に実現できてしまうという側面に気が付きました。段ボールの梱包箱へのプリントも、必ずしも全ての箱がベルココンベアを流れてきて、ラインサイドに固定されたヘッドでケースマークやバーコードをプリントするわけではなく、オフラインでの需要も結構あるのでしょう。また、建材など「重量物」などはそもそもコンベアに乗せるものではなく、従来は「ステンシル」印刷していたところ、簡易なハンドヘルド機でプリントというのは新たな可能性でしょうね。

関連記事

ページ上部へ戻る