共進ペイパー&パッケージ:デジタルプリントが好調

ふとしたご縁で鍛冶川和広副社長と繋がり、共進ペイパー&パッケージを訪問してきました。一時的にせよコロナ収束サマサマです。

Kazuhiro Kajikawa, Executive Managing Director of the Hacoplay division of Kyoshin Paper and Package.

↑↑これは Nessanの記事に登場した鍛冶川副社長で、ハイデルベルクの PrimeFire106の日本導入第一号となった記事でした。

今回はそのハイデルベルクの「PrimeFire106」の撤収前ということで、それを拝見に行きました。このマシンの何が不具合なのか?そこは公開しませんが(・・・というか、画質的には大野のレベルの素人には全く問題があるようには見えない)、流石にハイデルベルクとして今後開発を継続しない・・・という宣言をすると、先の無いマシンというのは使い続け難いですよね。頑張って運用ノウハウを蓄積しても次に繋がらない・・・これ、メーカーサイドとしては心しておくべきことだと思います。ファイティングポーズをとらない・とれなくなったらそこで見放されます。

経営者の鍛冶川さんによれば、PrimeFire106の導入を決めた時と今では、競争条件が変わって来ているとのこと。勘違いされがちですが、進化しているのはデジタル機だけではなく、既存のオフセット機も進化してきているのです。典型的な計算でのアナログとデジタルの「損益分岐点」が、導入を決めた時から大きく下がった・・・ここまで下がったらオフでカバーできるじゃないか!ということでオフセット機を導入するとのことです。

このことは、じわっと大きな意味を持っているだろうと私は感じました。オフセット機が損益分岐点をそこまで下げる進化をしてきたのなら・・・ランダってどうなっちゃうんだろう?最近、その関係のニュースがなにやら少なくなってきた気がするので気になりますね・・・

私自身、分野は違いますが「液晶フィルターの BGRをインクジェットで塗り分ける」装置の開発に絡んでいたことがあり、その時もフォトリソ法で使う「マスク(印刷の『版』に相当)」の価格がどんどん下がり、再生もできるようにもなり、損益分岐点が下がってしまって、デジタルのスペースが無くなりそうになった経験があるので、デジャブを見る思いです。

しかし、共進さんは、デジタルプリントのパッケージ業界では光ってますねえ!共進ペイパー&パッケージは「ハコプレ」という「小ロット・カスタム」指向のオンデマンドプリントで知られる存在。これは創業三代目の鍛冶川和広副社長の想いの詰まった事業で、サイトからも熱気が伝わってきます。

今年はコロナ禍にも関わらず、デジタルプリント・・・中でも「ウェブからの受注」が伸びているとこと。加えて海外工場(タイ)が、コロナ禍でも販売好調な製品のパッケージを扱っており、中国から中国以外への生産シフトも相まって好調な受注状況とのこと。

大野として気になったこと・・・包装材料って「商品の顔」的な側面があるので、プルーフとの色合わせなんかが凄くシビアで、ウェブからの入稿で簡単にプリントでは済まないのでは二のか?これに対しては、二極化が顕著だとのこと。実際、従来にも増してそこが厳しい分野はあるが、ウェブからの入稿・受注のアイテムに関してはクレームは皆無とのこと。なるほどね・・・

ウェブからの受注はそういうことには寛容な一方で、そこにこだわりを持つ層もある・・・後者は捨てちまえじゃいいじゃん(笑)どこか、その拘りにつき合ってくれるところに頼んで頂戴、サヨナラ・・・なんて考えてしまう大野は印刷業は経営できない体質のようです(笑)

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