- 2026-1-29
- トピックス
京セラ、高粘度産業材料向け1,500ノズル超のインクジェットプリントヘッドを発表
新開発の独自ピエゾアクチュエータ構造により高粘度・大粒径を実現
- 京セラ株式会社(社長:谷本英夫、以下「京セラ」)は本日、産業用途向け高粘度材料に対応可能な業界初*¹のインクジェットプリントヘッド(以下「プリントヘッド」)を開発したと発表した。この画期的な技術は、京セラが独自に開発した新型ピエゾアクチュエータと流体チャネル技術によって実現された。
この新型プリントヘッドは、従来のインクジェット技術では対応が困難だった先進的製造プロセス、塗装、3Dプリントなど、幅広い産業用途におけるインクジェット技術の応用拡大が期待される。
*1:ノズル数1,500以上で粘度80mPa・s以上の材料に対応可能なインクジェットプリントヘッドにおいて。京セラ調べ(2026年1月)。
1. 新アクチュエータ構造による高粘度・大粒径対応
2. 最適化された流路設計による高粘度・大粒径対応
■ 開発背景
近年、製造業では持続可能な社会実現のため、環境負荷や材料廃棄の削減に加え、生産効率の向上がますます求められている。インクジェット技術は、均一で微細な液滴をオンデマンドで噴射できるため、材料利用効率が高く廃棄物が少ないという持続可能性への貢献が評価されている。
こうした特性から、電子回路、半導体製造ライン、積層造形*2などの分野で革新的な製造プロセスとして注目が集まっている。さらに、自動車塗装分野では、より創造的なデザイン実現、マスキング工程の省力化、塗料ロス最小化を可能とする実用的なインクジェットプロセスの開発が進められている。
京セラは、長年培ってきたプリントヘッド開発の強みである高生産性、高解像度、高耐久性を活かし、高粘度材料の安定噴射を可能とする技術を確立した。その結果、従来インクジェット技術では扱いが困難だった粘度範囲の塗料や材料を用いた製造プロセスが実用段階に達した。
京セラは今後も、環境負荷低減、労働効率の向上、製造のデジタル化を推進する革新的技術の開発を継続する。
*2: アディティブ・マニュファクチャリングとは、材料を積層して三次元構造体を形成する製造技術の総称である。
応用例
■特徴
1.新アクチュエータ構造により高粘度・大粒径を実現
従来の圧電ベンドモード*3を活用し、噴射力を強化する独自の新型圧電アクチュエータ構造を開発した。この進歩により、京セラの従来技術と比較して最大16倍の高粘度材料と、最大20倍の大きな液滴を安定して噴射できるようになった。その結果、従来はインクジェット技術では対応が困難だった塗装や3Dプリンティングを含む幅広い産業用途への展開が可能となった。
*3: 圧電ベンドモード: 圧電効果によるたわみを利用し、圧電アクチュエータがインクを噴射する方法である。
2.最適化された流路設計により高粘度・大粒径を実現
高粘度材料用循環式プリントヘッドでは、安定した噴射が大きな課題であった。これに対し京セラは、独自の流体シミュレーションを活用し流路設計を最適化した。その結果、安定した噴射を実現し、生産性と品質の向上に貢献している。
■ 製品詳細
解像度 360dpi × 360dpi
実印刷幅 111.69mm
ノズル数 1,584
粘度*⁴ 80mPa・s
液滴体積*⁴ 280pL
*4:上記粘度・液滴体積での噴射は京セラの評価条件下で確認済みである。(実際の噴射性能は液体の特性や噴射条件により異なる場合がある。)
この技術を通じて、京セラは産業用インクジェットアプリケーションの新たな選択肢と、より持続可能な地球環境の創出を継続して推進する。





























