リストラについて考える

「構造改革」というオブラートに包まれていることが多い(・・・いや、全てそうだな(笑))リストラ・・今回はこれについて考えてみたい。特段、特定の企業をイメージしているわけではなく、これまで見聞きしてきた諸々のケースに共通する内容を遠目で見ての想いを書いてみた次第である。え?ウチのこと?・・・と思う方がいたら気のせいです・・・多分(笑)

そもそも誰が悪いのか?

リストラされるものの大半は一般従業員である。稀にアリバイ作りとして管理職の一部も対象となるが、そこでリストラされる管理職は余程出来が悪いとか、あるいは逆に「マトモ」だからリストラされるのだろう。しかしながら、そもそも会社にリストラが必要な事態に至らしめたのは、役員・幹部層ではないのか?そこに対するパニッシュメントが無くてなんでリストラの大義名分が立つのだろう?

今の経営陣にはひょっとしたら罪の意識はないかもしれない。「前任者達のツケをひろって後始末しているのだ」なんて思っているかもしれない。でもリストラされる側から見れば「そんなの関係ね~」だろう。経営責任を明確化する意味でも、リストラ宣言する前に、意味のある役員から「私の責任です、リストラが完了したら辞任します」ということは、あってしかるべきであろう。どうせ引退間際のポンコツ役員では意味はない。

前任者(達)があまりにひどかった?だとすればその責任も同時に追及するべきだろう。ストックオプションを没収するとか・・・まあ、一般論で言えば、自分を追及しないような人物を後任に据えるので、無理でしょうけどね(笑)ビッグモーターの現社長は兼重親子を糾弾しない「子飼い」だったから社長になれた例を持ち出すまでもなく・・・

いずれにせよ、一般従業員リストラだけが最終兵器扱いされてはいけない。まず最初に経営責任を明確にするべきだろう。それも「謝罪の言葉」などではダメで、出処進退まで明確にしてもらいたいものである。

構造は変わるのか?

構造改革と称しながら、リストラが終わった後は構造が変わっているのだろうか?

私はかつて銀塩写真事業をリストラしたコニカに居た。あの時は「銀塩写真事業・銀塩カメラ事業を廃業する」という明確な構造改革が起こった。銀塩写真という 100年続いた技術の終わりだった。

また、コニカがミノルタを吸収合併した。経営統合などという曖昧な言葉がまかり通っているが、あれは「コニカを存続会社・ミノルタを消滅会社とする吸収合併」である(疑われる向きは証券コードを参照されたい)。この時は2つの会社をひとつにするのだから、共通部分を減らさざるを得ないという大義名分もあった。

が、それ以外のケースで「構造改革」というようななことが起こったのを見たことがない。個別のケースには踏み込まないお約束だが、廃業や重複削除というような明確な理由のないままに・・・というのでは「それって単に経営陣が怠慢だったのではないのか」と思われても仕方ないであろう。そこのパニッシュメントはどうなっているのか?

経営者は「このリストラが終わった後、どういう会社の『構造』を描いているのか」?所詮は縮小均衡ではないのか?

構造改革後の構造が曖昧なまま「構造改革」なんて言葉を使うのはいかがなものか。少なくともコトの本質を曖昧にするつもりで「構造改革」なんていう言葉をなかば慣習的に用いるのはマヤカシ以外の何物でもない。ハッキリとリストラというべきだろう。そうでないならより明確に「パフォーマンスの低いものの馘首」と明瞭な言葉を使うべきである。

全社一律の愚

だいたい、こういうリストラをやる際には「全社一律」の愚をやりがちである。人数の多い大事業部と、ギリギリでやっている中小の事業部を一律に「★★%減」のような形で減らす愚である。構造改革という以上は「伸ばすべき事業にはリストラどころか、追加・補充があっても然るべき」と思われる。しかし、そんなことが起こるのはまず見たことが無い。

これからを期待されている中小の事業部でも「お前のところも何人か出せ」と迫られるのが常である。小さいところは一人でも欠けると即ネガティブな結果に繋がってしまうギリギリの運営をやっているところも多い。最少催行人数という考え方で「これ以上減らしたら組織が成り立たない」・・・そんな事業部も存在するのである。

・・・これも「構造改革をやった後の構造」を描けていないから起こることですね。

働かない働きアリ

動物行動学の有名な実験で「働きアリという兵隊のようなアリを観察すると、80%は働いているが 20%はあまりちゃんと働いていない。この 20%を排除すると・・・残った 80%が全員働き出すかと言えばさにあらず!残り 80%の 80%(最初の 64%)は相変わらず働くが、20%(最初の 16%)はやがて働かなくなり、また 80:20の集団になる」・・・

リストラ直後というのは、ピリッとして全軍躍動のような状態がごく短期間現出するかもしれないが、そんな稀有な状態が続くはずがない。結局元のような状態に戻るだけである。そしてその過程で、最少催行人数を満たせなくなった中小事業部の崩壊も起こる。

リストラの実務

リストラなのだから、最終的には誰の首を斬るのか?という固有名詞に落とし込んでいく必要がある。所謂「リスト作り」・・・漏れたら大変な極秘リストである。乗る方も大変だが、リストを作らされる方もかなり精神を病む作業であるし、また実際に病んだ事例も知っている。ここは実例を避けて通れないので割愛する。

この過程では「辞めてもらっては困る人材リスト」も作ることになり、そういう人材には「辞めないでね」となんらかリテンションをかける。でも、そういう人材は他所でも通用することも往々にしてあることで、いっそ見切りをつけて出ていくということも起こる。結局リストラ効果のネガティブな結果は「引き止めたい人材は見切りをつけて出ていき、出て行ってもらいたい(会社にしがみつくしかない)人材は残る・・・そういう皮肉なことが起こることにある。

組合は頼りになるか?

結論、全くなりません(笑)一般論として、リストラをやるような会社はまず組合と握ります。何のために組合費を払ってきたのか?そっちに腹が立つくらいです(笑)

結論

最初に戻るが「リストラをしなくてはならない状況にまで会社を導いたのは、決して一般社員ではなく、経営陣であり、最後は社長であること!前任から押し付けられた負の遺産であるなら、前の経営陣にも責任の追及をしなければならないこと」・・・

一般社員のリストラに手を付ける前にその経営責任の明確化を図らずして、どこにリストラの大義名分があるだろうか?その際の経営責任の明確化は、単なる辞任ではない。役員報酬の過去に遡っての返上や、その後に残る役員特権すべての返上まで含めないと・・・と思う次第である。

もちろんリストラ期間中は、役員賞与はゼロ、報酬も全額返上が至当だろう。貴方の経営の失敗の結果リストラされる側の収入減はそんなものではないのだから・・・

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