ロッキード・マーチン:月面ローバーの部品を 3Dプリント

多国籍企業であるロッキード・マーティン社は、ゼネラルモーターズ社と共同で、NASAのアルテミス計画で使用される可能性のある、完全自律型の新しい月面車を開発しています。ロッキード・マーチン社は、カリフォルニア州パロアルトにある同社のアドバンスド・テクノロジー・センターで、ローバーの自律システムの一部の初期設計と開発を行っています。このセンターには、ナイロン・カーボンファイバー・ABSなどの素材を使って、反りのない正確な寸法のパーツをプリントできる Makerbot Method Xが導入された 3Dプリンターラボがあります。

Lockheed Martin has used its Method X to print a number of parts for prototyping and proof of concept for the lunar rover project.
Lockheed Martin社は、このMethod Xを使用して、月面車プロジェクトのプロトタイピングと概念実証のために数多くのパーツをプリントしました。

ロッキード・マーチン・スペース社のシニア・メカニカル・エンジニアであるアーロン・クリスチャンは、同社では複数の MakerBotプリンターを使用していると言い、次のように付け加えています。「パーツを設計して印刷し、数時間後には手元に届きます。パーツを設計して印刷し、数時間後には手元に届きます。これにより、3Dプリントされたパーツを素早くテストし、弱点を特定し、モデルを調整して、一晩かけて印刷に戻し、朝には次の反復作業を行うことができます。3Dプリントによって、迅速かつ反復的な設計が可能になり、部品の待ち時間が数週間から数時間に短縮されます」と述べています。

さらに彼はこうも言います。「私たちは開発のごく初期段階にあり、ATCにあるローバーは自社で設計・開発したテストベッドです。この手頃な価格のモジュール式テストベッドは、3Dプリントを使って迅速に変更することができ、軍事、捜索救助、原子力用途、極限環境での自律性のニーズなど、他の用途に合わせて設計を変更することができます」。

Method Xは、ローバープロジェクトのプロトタイプと概念実証のための多くのパーツのプリントに使用されています。LIDARとは、電波の代わりにレーザー光を用いて物体を検知し、センサーに戻ってくる反射光を測定することで距離を測定する、基本的にはレーダーの一種である。ほとんどの自動運転車に搭載されているシステムと同じです。月面ローバーの場合も、同じマウントでステレオカメラ、方位アンテナ、RGBカメラ、レンジファインダーなどの異なるセンサーを搭載しています。このマウントは複雑な形状をしていますが、これはさまざまなセンサーに対応するためであり、また部品の温度を保つために十分な空気の流れを確保するためでもあります。

他にも、ローバーや他のロボットに搭載されている電子機器を、落下物から保護するための組み込み型電子機器ハウジングがあります。これはABSほど堅牢ではありませんが、六角形の形状のおかげで十分な強度があります。

ロッキード・マーティン社は、さまざまなプラットフォームで宇宙に行くことになる生産部品にも 3Dプリントを使用しています。クリスチャンはこう説明します。「3Dプリントした部品を宇宙でテストしたり飛行させたりする際の大きな利点は、設計がシンプルになることです。より複雑な形状を作ることができます。必要なファスナーの数や部品点数が減るので、テストや組み立てに必要な部品が 1つ減ることになり、大きなコスト削減になります」。

さらに彼はこうも言います。「また、将来的には宇宙でその場で組み立てられる可能性もあります。地球上で部品を設計し、印刷し、テストしてきたわけですから。将来的には、宇宙でも同じパーツを 3Dプリントできることがわかっています。なぜなら、その素材とパーツが宇宙でも機能することがわかっているからです。この方法の利点は、個々の部品を何度も輸送して保管するよりも、大量の材料を宇宙に飛ばし、必要な時に部品を印刷する方が安く済むことです。

クリスチャンはこう締めくくります。「デジタルインベントリのコンセプトは、私たちのデジタルトランスフォーメーションを前進させてくれます。」

このコンセプトは、パンデミックによる物流の問題や、それに伴う価格の高騰を考えると、地球上でも同様に適用できることは注目に値します。ロッキード・マーチン社についての詳細については こちら、Method Xについてはmakerbot.comをご覧ください。

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