Sensient Technologies:非コア製品ラインを売却(含むインク)

これは10月21・22日頃に公開情報となっているので「今更」かもしれませんが、インクジェットインクの業界では大きな存在感を持っている Sensientが「非コア製品ラインを売却」するとのことです。

2019年11月の上海TEXにおける Sensientブース

Sensientは、私などインクジェット業界の人間には「水系インク・昇華転写インクに強い」という側面がクローズアップして見えがちで、実際デジタルテキスタイルに絡んでいる業界人なら知らない人はいないハズです。が、本業は食品業界に供給する色材・香料で、1882年に創業、売上高で約1500億円規模の企業です。

Wikipediaの英語版(Google翻訳)によれば「Sensient Technologiesは、ウィスコンシン州ミルウォーキーを拠点とする色材、フレーバー、フレグランスの世界的なメーカーおよびマーケティング会社です。 同社の製品は、さまざまな種類の食品や飲料、医薬品、化粧品、ホームケア製品、パーソナルケア製品、特殊印刷およびイメージング製品、コンピューターイメージング、産業用カラーに使用されています。 Sensientの2013年の収益は1,468百万ドルでした。細分化には、Sensient Flavors&Fragrances GroupおよびSensient Color Groupが含まれます。 Flavors&Fragrances Groupには、Sensient Natural Ingredientsが含まれています。」とあります。

事業売却に関するネット上の公開情報は例えばこちら(Food Business News)や、こちら(Africans Live)などにあります。

全文引用は避けますが、後者の記事のタイトルは「第3四半期の収益が33%急落する中、非コア製品ラインを売却する意向」とあります。

ポイントは「米国–グローバルな色材、フレーバー、フレグランスの会社である Sensient Technologiesは、戦略的焦点をさらに固めようとしているため、インク、フルーツプレパレーション(Fruits preparation:■ 大野註:食品業界以外にはあまり馴染みのない用語ですが、ネクターやジュースなど均一分散とか増粘などフルーツ関連食品の技術と想像)、フレグランスのビジネスラインを売却する計画を発表しました。」ということです。

CEO兼 Presidentの Paul Manning氏によれば「これらのビジネスラインは、同社にとって数年にわたって大きな逆風でした」と彼は10月18日の決算報告で第3四半期の財務結果について話し合いました。 「コアビジネスへの投資に再度焦点を合わせて最大化し、製品ポートフォリオ全体と成長の見通しを改善できると考えています。一貫した結果を提供する当社の能力は、これらのビジネスラインの逆風や注意散漫がなくても大幅に改善されると予想しています。」とのことです。

しかし「マニング氏は、ペットフードからスープまで幅広い製品カテゴリーを含む北米およびヨーロッパの食品および飲料の全体的な市場は、12ヶ月間減少していると指摘しました。これは、特にフレーバー成分の製品ラインでビジネスに直接影響を与えました。フレーバー成分の製品ラインは、スープやヨーグルトなどのカテゴリーで大きなポジションを占めています。」と、本業も苦しいことを述べています。

また「Sensient Technologiesは、特にカラーグループ内の合成食品の色とインクで、原材料のインフレに対処している、とマニング氏は述べました。米中貿易戦争に関連する関税が原材料価格の上昇を引き起こしている、と同氏は述べ、米国に本拠を置いていないSensientのライバルは関税と原材料のインフレに対処していないと付け加えた。」「彼らの多くは、その状況をさらに活用するために、製品でさまざまな価格戦略をとることができます。したがって、一種の二重の苦境を負っているのです」とマニング氏は言いました。「原材料のインフレーションが発生し、価格の引き渡しは米国に拠点を置く企業のみによるものであるため、価格の引き渡しに苦労します。それは、私たちにとって色材の利益の足を引っ張ります。」・・・と、米中貿易戦争の高関税の影響に関してコメントしています。

売却する・・・では、どこが買うのか?上海TEXの会場では、某社と某社の2社と交渉して纏まらなかった・・・という噂が流れていました(名前は秘します)。12月・年内には決着しているだろうとのことです。

遅くなっていますが、上海TEXの纏めは近々書きますが、本件は展示会のテーマとは別に、一番大きな話題だったように思います。

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