ローカル夏祭り:焼きそば事業採算報告(笑)

住んでいる地域の夏祭り、町会で数年に一度回ってくる理事の当番(ウチの班は14年に一度、2年続けて・・・平均すると7年に一度)、今年も昨年に続いて「焼きそば事業部長」を引き受けました。そもそも町会の運営は超シニアの役員(ほぼ全員が後期高齢者)と、輪番で回ってくる理事がやるのですが、昨今はマンションの住人などはそもそも町会に入らず、そうでなくとも若い人は理事でもイベントの担当を引き受けたがらず、ちょっと危機的な状況ではあります。

今年も、イベント担当に手を挙げる人が殆どおらず、しゃあないなあ、んじゃやるか!と、昨年に引き続き今年も、比較的ノリのいいご近所さんと焼きそば事業部長を引き受けた次第です。折角なので楽しんでしまおう・・・「粉モンはホンマに儲かるのか?」、採算報告です(笑)。

まず「屑野菜」を炒めて、一年使っていなかった鉄板のサビや臭いをとります

作り方はさほど難しくはありません。肉を炒め、野菜を炒め、適当に調味料を加え、焼きそばを炒めて、業務用焼きそばソースを加えて混ぜて、パックに詰める際に紅ショウガと青海苔を添えて出来上がり!

敢えてポイントと言えば「前日に野菜(キャベツ・玉ねぎ・人参など)を1ロット分ずつ刻んでビニール袋に入れておく(ここで出る屑野菜は捨てずに、鉄板のサビ・臭い取りに使う)」、「塩コショウ・焼きそばソースは少し大胆目に入れた方がいい」、「隠し味に豆板醤を少し加えると味が締まっていい感じ」・・・などでしょうか。ちなみにソースと紅ショウガは途中で足りなくなり追加で買いに走りました。

さて、表題の採算ですが、昨年との比較で見てみます。

さて昨年と全く同じ材料を仕入れ、同じレシピで作ったにも関わらず、売上高は対前年比で 41,300円低下(20%減収)しています。一方、材料は同じ内容にも関わらず 3,634円(6%)アップしています。結果として粗利益は 44,934円の減益となっています。原因は諸物価高騰(天候不順によるキャベツや焼きそば等の単価アップ)です。アベノミクスのインフレ目標は2%なのに、6%は少々やり過ぎのレベルでは?(笑)材料費比率(原価率)は28%から37%に悪化しています。

理論生産個数は材料の重量から計算して、いくつの焼きそばパックが出来たか?という数字で、昨年は26ロットで698パックが出来た=売れた勘定になります。昨年は定価300円を値引きせず完売できたので、売上高を理論生産数量で割った理論平均売価300円と整合しています。

今年の理論生産個数は、26ロット分の最後の1ロットは「お遊びでスタッフ向けに非売品を作った」ため、昨年の25/26となっています。この個数(671個)で売上高を割ると、平均単価は250円(昨年より17%安)だったことがわかります。

何故、平均単価が下がったのか?昨年の熱い夏に比べ、今年はいまだ梅雨が明けず、日曜日は朝から大雨という予想・・・ということで、出来る限り土曜日に沢山作って売り切り、日曜日は少なめに・・・という方針を立てました。26ロットの材料の内、16ロット分を土曜日に、10ロットを日曜日に配分しました。昨年は土日に13ロットずつ均等に生産したのとここがまず異なります。

かつ、雲行きを見ながら売れ残りが出ないように、機動的にディスカウント施策を発動!土曜日は19時に「これ以降300円を200円に値下げします」とアナウンス、日曜日は「18時から30分間、小学生以下に200円!」とアナウンス、更に「盆踊りを踊った人にも200円!」とアナウンス・・・結果として売れ残りはゼロ、完売しました。結果として、平均単価は250円と下がった(下げた)ものの、天気を見ながら、かつ利益を確保しつつ機動的にディスカウント施策を導入し「フードロス」なく完売したのは快挙であろうと自画自賛(笑)

しかし・・・300円を200円にしたのは「お釣りの50円玉」が無かったからなんだけど、例えば「2個500円」とか「4個1000円」にする手はあったかなとミニ反省(笑)。まあ、実際の飲食業や、お天気が売れ行きに影響するビジネスでは、そのあたりをもっと真剣にやっているんだろうし、従って「ウェザーニュース」のような有料の気象情報提供サービスも成り立つことを実感!

最終ロットは、豚肉を炒める際にキムチを投入して「豚キムチ炒め」でちょいとつまみ食い(笑)完成品の「キムチ味の焼きそば」も最高でした!ボランティアスタッフ限定だったけど、これは高く売れるな!(笑)

さて今回は、私を含め町会のボランティアが運営を担当したので人件費・光熱費などの諸経費はかからず、粗利益=事業利益となりますが、これをアルバイトで賄ったとすると・・・16時から20時まで、焼き担当・パック詰め担当・売り子担当を6人として時給1000円で2日間・・・4x6x1000x2=48,000円、これを払っても利益は十分残ります。

また、実際に店で売ったとするとこの味なら500円は頂けると自信はありますし、最後にボランティアのノリで試してみた「キムチ入り焼きそば」は600円でもいけると思います。粗利増に一番効いてくるのは売価アップで、因みに今回の平均売価を倍の500円だったとしてみると売上高は336,400円、材料費原価は62,535円のままなので、原価率はなんと19%となります!やはり「粉モンは儲かる」ということでしょうか(笑)

町会の理事は14年に2回という輪番なので、次回は14年後、なんと80歳になった時ということで・・・いっそ、来年はボランティアではなく、アルバイトを雇って「業者」として参加して一儲けしてやろうかと(笑)

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