- 2026-8-27
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大野註:Raising the barで棒高跳びの「bar」を上げるイメージの「基準を引き上げる」と bar code の「bar」を掛けています。
2026年8月27日
私たちが購入するほぼすべての製品には、製品本体またはそのパッケージのどこかにバーコードが記載されている。しかし、このありふれたバーコードに大きな変化が訪れようとしており、パッケージのデザインや印刷に影響を及ぼすことになる。
バーコードの基本的な目的は、製品の「グローバル・トレード・アイテム・ナンバー(GTIN)」を表示することだ。これは、さまざまな種類の製品を識別するための国際的に認められた方法である。このシステムにより、製品は世界中に輸出されても、同じ識別情報を保持することができる。
この基本概念は、1970年代初頭に「ユニフォーム・グローサリー・プロダクト・コード・カウンシル」(通称ユニフォーム・コード・カウンシル)によって開発された北米のUPC(ユニバーサル・プロダクト・コード)に端を発している。これは主に米国とカナダで使用される12桁のコードであり、1974年頃にリグレー社のチューインガムのパッケージに初めて登場した。いくつかのバリエーションがあるが、最も一般的なのは小売店のレジで使用されるUPC-Aである。
70年代半ばには、国を識別するために桁が1つ追加された。これにより、ブリュッセルに欧州商品番号協会(EAN)が設立され、同協会はこのコードを若干修正した「EAN-13バーコード」として採用した。これにより、欧州各国間の商品の流通が円滑化され、アジアをはじめとする他の地域でも急速に普及した。また、EAN-13コードのバリエーションとして「日本商品番号」も存在する。
また、スペースが限られている場所での使用を目的とした、より短い8桁のバージョンであるEAN-8や、価格などの追加情報を記載するための2桁および5桁のバリエーションも存在する。白いスペースで区切られた、太さが異なる長い黒い線で構成されるおなじみの1次元バーコードは、しばしばEANバーコードとして知られている。これらさまざまなコードはすべてGTINという枠組みの下に統合され、UPCは現在GTIN-12、EAN-13はGTIN-13として知られるようになった。
1990年までに、UCCとEANは、新たな国々への進出や、RFID(無線周波数識別)などの新技術への展開を続ける中で、世界的な協力協定を締結した。2004年までに、これらの組織は非営利団体「グローバル・データ・シンクロナイゼーション・ネットワーク(Global Data Synchronisation Network)」へと変貌を遂げた。これは通常、より覚えやすい名称「GS1」と呼ばれており、現在ではあらゆるバーコードシステムを管理している。
GS1の本部はブリュッセルにあるが、90カ国以上に個別のGS1組織が存在する。GS1はバーコード規格を定義し、あらゆる製品識別コードを管理する中央データベースを運営している。そのため、ベンダーは自社製品に必要なバーコードを取得するためにGS1に会員登録する必要があり、これにより重複が防止される。
GTIN-13コードはいくつかの部分で構成されている。最初の3桁は、GS1プレフィックスとも呼ばれ、国コードである。例として、アイルランドの場合は「539」、出版物の目録作成に用いられるISBN(国際標準図書番号)を表す「978」や「979」などがある。さらに、「020」から「029」までのプレフィックスは、個々の小売業者による内部使用のために確保されている。プレフィックスの後にはメーカーコード、その後に製品コードが続くが、いずれも桁数は可変である。最後の桁はチェックディジットだ。
サンライズ2027
次の章は、2022年に初めて発表された「サンライズ2027」イニシアチブだ。これは、水平の黒い線からなる、既存の至る所で見られる1次元バーコードから、新しい2次元バーコードへの移行を意味する。2次元コードの定義には、いくつかの異なる種類のコードが含まれる。これにはQRコードも含まれるが、他にもいくつかの種類の2次元バーコードが存在する。その他の選択肢としては、非常に小型で工場部品の追跡によく使われる「データマトリックス」、配送ラベル用の住所や梱包情報を含めることができる「PDF417」、航空会社がスマートフォンアプリ上の搭乗券に採用している「アステカ」などがある。
しかし、一般消費者にとってはQRコードが最も一般的になるだろう。これらは3つの角に位置マーカーがあるため、スキャン装置がどの角度からかかえても容易に位置を特定できる。アクセシビリティアプリでの利用を容易にするために設計された「アクセシブルQRコード」というバリエーションさえ存在する。これらはサイズが大きくコントラストが高いため、通常の1メートル強という距離よりも遠くからスキャンすることができ、そうでなければQRコードの位置を特定するのに苦労する人々にとって有用だ。また、スクリーンリーダーに依存する人々のために、QRコードの目的を説明する機能なども組み込まれている。
QRコードには、マルチメディアリンクを含め、最大7000文字の数字を格納できる。最大30%のエラー訂正に対応しており、風雨などの自然環境による損傷を受けやすい屋外広告に便利だ。
どの2次元コードを採用しても、各製品のGTIN番号は変わらない。しかし小売業者は、リコールに活用できるロット番号、ベビーフードなどの期限切れ商品を販売する法的リスクを軽減するための消費期限、あるいは消費者向けの製品詳細情報を掲載したウェブサイトのURLなど、その他の情報を追加することが可能になる。
デジタル製品パスポート
これらすべては、EUの「デジタル製品パスポート(Digital Product Passport)」の概念と完全に合致している。これは2024年に導入されたもので、すべての製品にその特性に関する具体的なデータ、特にその製品のリサイクル方法に関する情報を付加する仕組みだ。これは持続可能な製品のためのエコデザイン規制の一環であるため、材料組成や分解手順に加え、製品の修理可能性や交換部品の入手可能性に関する情報も含まれる。
その第一段階として、2026年7月19日に開設されたEU中央DPP登録簿があり、あらゆるカテゴリーの製品を登録できるようになっている。データは少なくとも10年間、登録簿に保管されなければならない。
このシステム自体はさまざまな製品カテゴリーに順次導入され、2027年には特に電動自転車用バッテリー、繊維製品、履物、玩具などが対象となる。その他の品目は今後数年間で段階的に導入されるが、2030年までにはすべての製品が対象となる予定だ。DPPの責任は、特定の製品をEU市場に投入する企業(EU域外で製造された製品の場合は輸入業者)が負う。DPPには使用材料や製造工程など膨大な情報が含まれるため、輸入業者は製造業者からこれらの詳細情報に加え、通関に必要なあらゆる情報を取得する法的責任を負うことになる。したがって、これらの規定は、インドの繊維メーカーや中国の自動車メーカーなど、EU域外の多くの製造業者に影響を及ぼすことになる。
また、中国は独自のDPPを導入しつつあるため、中国企業には優位性がある。これは、中国企業のEUへの輸出を容易にするためであると同時に、主にトレーサビリティやリサイクル可能性の面で、EUが求めているのと同様のメリットを中国にもたらすためでもある。中国のシステムは3つの階層から構成されている。その中には、中央登録機関として機能し、実施すべき基準を設定する「国家DPP登録管理サービス」が含まれる。次に、製造業者向けに業界ごとに異なるDPPフレームワークが存在する。第3の層は企業レベルのシステムであり、これにより製造業者や輸出業者は国際基準への準拠を確保できる。GS1中国は、中国繊維情報センターと協力し、中国の輸出業者間の相互運用性を確保するため、繊維業界向けの初の全国DPP白書をすでに作成している。
また中国では、「製品カーボンパスポート」の開発も進められており、これは各製品のカーボンフットプリントに関する検証済みの情報を提供するもので、これもDPPに追加される可能性がある。
製品にDPPを付与する最も簡単な方法はバーコードを用いることだが、DPPには標準的なバーコードが保持できる情報量以上のデータが必要となる。これが、新しい2次元バーコードが広く採用される主な要因の一つである。
DPPは製品のライフサイクル全体をカバーするため、単発のコードではない点に留意する必要がある。むしろ、関係者はその製品のライフサイクルを通じて、登録情報を更新し、さらなる情報を追加することができる。
パスポート管理を超えて
製品の識別、在庫管理、製品パスポートの要件に加え、これらのコードはブランドに2つの大きな機会も提供する。1つ目は、顧客との関わりを深めることだ。顧客がスマートフォンでQRコードをスキャンし、その製品に関する追加情報を得られるように促す。これには、食品のレシピや関連するマーケティングキャンペーン、さらには特別オファーなどが含まれる可能性があり、製品に付加価値を与えたり、競合他社に対してブランドに優位性をもたらしたりするあらゆるものが対象となる。
2つ目の利点は、QRコードがさまざまなレベルの検証を可能にし、偽造のリスクを低減できる点だ。これにより、小売業者は在庫商品を正確に確認でき、消費者は購入する商品に対してより大きな信頼を持てるようになる。
皮肉なことに、QRコードは消費者を対象とした詐欺にも利用されてきたため、一般の人々は場合によってはその使用に対して多少の警戒心を抱く可能性がある。典型的な手口としては、空白のラベルに新しいQRコードを印刷し、それを看板広告などの元のQRコードの上に貼り付けるというものがある。これは駐車場の決済システムで支払先をすり替えるために使われてきたが、デバイスをハッキングするために利用される可能性もある。
とはいえ、「サンライズ2027」の期限が急速に迫っているため、パッケージに2次元コードがさらに多く見られるようになるだろう。これらは買い物体験の身近な一部となり、ブランドが消費者との関わりを深める機会として活用するにつれ、パッケージ上でもより目立つようになる可能性が高い。一部のブランドはパッケージデザインを更新する必要があるが、多くの日用品にはすでにQRコードが組み込まれている。
印刷業界において最も直接的な影響を受ける分野の一つが、コーディングおよびマーキングだ。個々の製品ごとに固有のシリアル番号が必要な場合、コードを生産ライン上でリアルタイムに印刷しなければならないこともある。しかし、静的な2Dコードであっても問題がある。既存のコーディングおよびマーキングソリューションのすべてが、現在の生産速度で2Dコードを生成するために必要な高解像度に対応できるわけではないからだ。
これは、今年初めに開催された「インターパック」展示会から得られた教訓の一つであり、これについては来週さらに詳しく取り上げる予定だ。
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