- 2019-2-9
- イベント参加報告
公式サイトに「page展は、1988年開催以来、2019年で32回目を迎える、印刷メディアビジネスの総合イベントです。」とあるように、特にインクジェットをテーマにした展示会ではないのですが、あえてインクジェットを切り口に回ってみました。
■ IMAGE MAGIC
販促物やグッズをネットでオーダーできるサービスを展開しているようですが、ここではTシャツのオーダーエントリーから、プリント工程、梱包発送までを RFIDタグで管理するという、同社の製造工程をデモ。このシステムを外販するとのことです。
RFIDは高いから普及しないのでは?という先入観があって、QRコードが主流と思い込んでいましたが、RFIDの特徴はデータを書き換えられること。最初にプリントする前までは、RFIDにはTシャツのボティ(生のTシャツそのもの)の色やサイズ情報しか入っていません。それをプリンタに繋がった RFIDリーダーに当てると「その色とサイズのボディにプリントするべきジョブがリストされ、その優先順位の高いものからプリントしていくことになります。この時点で RFIDタグには「発注者・送付先・デザイン・納期・・・」等の固有情報が付加されます。ここがプリントでしかない QRコードとの最大の違い!
検品が終わると「検品済」の情報が更に付加され、(この情報が付加されていないと梱包工程に進めない=検品漏れが無くなる)最後にそれを梱包装置に繋がっている RFIDリーダーに当てると、送り先が印字されたラベルの付いた封筒が梱包装置から出てきて袋詰めをします。下の動画をご覧ください。
同社はこのシステムを印刷業界に外販するとのこと。競合にも外販するとのこと。気になる RFIDタグの価格は、発注数量などによってかなり幅があるとのことですが、10円/枚あたりと推測。このシステムが無く全て人力に頼る仕組み、QRコードで管理した場合の仕組みとの比較で、RFIDが有利になる条件はあるのでしょうね。
■ OCEAN TECHNOLOGY
同社のサイトによると「「競争のない未開拓市場であるブルー・オーシャンを切り開く為の様々なソフトウェア、ハードウェア、ビジネスモデル技術をご提供する」をコンセプトに命名されたとのこと、創業は 2012年と比較的若い企業のようです。
展示していたのは UVインクで盛り上げ装飾をプリントするプリンター。対象物のサイズは 60cm x 90cm x 10cm まで可能とのこと。最初に白インクで盛り上げ部分を形成し、その後 CMYK+LM+LCで着色し、更にヴァーニッシュ(ニス・透明インク)も可能とのこと。中国製とみられるコンパクトなプリンタで、本体価格は 450万円とか・・・
AGFAは UVインクの応用事例を展示しています。かつては UVインクは盛り上がりが問題とされ、「盲牌ができる」とか、「多数部プリントして積んだ場合フラットでないと問題が起こる」と言われ、それを解決するためにヘッドも小液滴に走った経緯がありますが、ここにきてその盛り上がりを逆手に取って、それを活かした用途が開発されてきたようです。
UV機に関しては完全に後進国の日本が何か変わる兆候なのでしょうか?
■ コニカミノルタ KM-1による「特色」の再現をアピール
昨年は日本写真印刷による「運慶・快慶」の仏像美術印刷物を展示して、KM-1の高画質をアピールしていましたが、今回は「特色」を幅広く再現できる可能性を訴求していました。ロゴや製品に使われるコーポレートカラーは、CMYKのプロセスカラーでは再現に限界があるとされた時代は過去のものとなりつつあるようです。
■ リコー