XJet:Carmel Pro 3Dを発表

2025年11月6日

3Dプリンター「Carmel」シリーズを開発した XJetは、新モデル「Carmel Pro」を発表した。これは既存モデルより小型で低価格化が図られており、初期投資額が既存 Carmelシステムより 60~70%低減されると主張している。

カーメルシリーズの他モデルと同様、インクジェットプリントヘッドと XJet独自のナノ粒子噴射技術を採用している。この技術では材料そのものを噴射して造形を行う。これはかなりユニークな手法だ。他のインクジェット式 3Dプリンターのほとんどは、粉末状の材料を固めるバインダーを噴射する方式を採用しているからだ。Carmel Proは金属とセラミック材料の両方を扱える。これらは噴射可能な液体状態で供給され、XJetはこれらをインクと呼んでいる(実際には着色剤を含まないためインクではない)。

XJetによれば、自社の全材料と互換性がある。これにはボールベアリング、歯科用途、バルブ・ポンプ部品などのセラミック部品向けジルコニア ZR02が含まれる。アルミナ(酸化アルミニウム A1203)は電気絶縁体や切削工具に使用される。金属材料にはステンレス鋼SS316Lが含まれ、外科用器具・高級品・水処理装置など多様な用途に用いられる。XJetはまた、部品印刷後に洗浄可能な溶解性サポート材も製造している。

Carmel Proは 4つの材料チャネルと多数の自動化機能を備えている。自動事前チェック付きワンボタンジョブ開始、ガイド付きセットアップウィザード、自己監視システムなどが含まれる。ジョブ間の準備時間は20分で、洗浄とセットアップに充てられる。

造形物は 350×140mmの取り外し可能なビルドトレイ上で生成される。造形速度は 1時間あたり高さ 1.4mmで、高さ 5mmまでの領域では ±50ミクロンの精度、100ミクロンまでは 1%の精度を実現する。最小造形サイズは 200ミクロンである。

装置全体のサイズは 1.75×1.9×0.85mで、従来のCarmel 1400 C/Mモデルより大幅に小型化されている。XJetのガイ・ジマーマン CEOは次のように述べた:

「大型システムと同等の精度と材料処理能力をコンパクトでコスト効率の良い形態で提供することで、新世代の製造業者、設計者、研究者がナノ粒子噴射技術の独自的な利点を活用できるようになる」

カーメルプロは 2026年第 2四半期に市販される。今月のフォルムネクスト展示会に出展予定であり、詳細は xjet3d.comで確認できる。

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