業界各社 2024年度第2四半期決算発表状況:ブラザー工業

業界各社 2024年度第2四半期決算発表状況をチェックしています。今回はブラザー工業です。

なるほど、ブラザーもなにか前回見通しから修正していますね・・・

まあ、売上高・営業利益ともあまり元気のでる数値には見えませんね

売上高も営業利益も下方修正しています。

はい、ではこの下方修正した値が妥当かどうか・・・の検証ですが、もし下方修正しなければ、下期に必要となる営業利益は右のようなグラフになっていたハズです。まあ、これはトレンドからもちょっと無理筋に見えますね。

ということで上のグラフのように下方修正したんですね。これで済むのかどうか・・・第3四半期に要注目です。

セグメント別の分解です。上期も通年見通しも概ね同じような傾向です。インクジェットに関わる身としてはやはり「ドミノ」の営業利益率が非常に低いのが気になります。このレベルなら、実態は赤字でも利益移転などで操作して赤字にはなっていないと見せるのも可能なレベルという気がします。あ、そういうことやった経験があるものとしての感触です(笑)やっぱり赤字ってのは目立ちますし、社内でも叩かれますからね(笑)

しかし・・・私の理解ではドミノを買収した当時って「いつまでもSOHO相手のプリンターではヤバいだろう!『産業用』という括りで業容転換を図る必要がある」・・・というのではなかったか?

で、『産業用』として 1)元々社内にあった工作機械など + 2)ニッセイという自動ドアのモーター・駆動系に強みを持つ企業を買収 +3)ドミノを買収・・・これらを括って「産業用」と称した・・・そんな経緯を思い出します。今日それが上の表のどこに反映されているのか?いずれにしても、いまだ高収益の情報機器事業に対して、産業用と括った分野はブラザー全体を牽引しているようには見えません。年間の営業利益の構成からはいまだに「P&S」がドミナントに見えます。この辺に関する経営陣の見解・説明・方向性の見直しの有無っていかがなもんなんでしょう?

あと、最近の話題で申せば、ローランドDGとのしこりはどうなっているのでしょう?同社のWFPをベースとしたブラザー独自のプリンターは現行機種なのでいいとして、この先の後継機種などはどういう方向なのでしょう?

✙✙ 2024年度 Q1のコメントはここをクリック下さい
業界各社 2024年度第1四半期決算発表状況をチェックしています。まだ第1四半期なので開示されている情報は多くなく、進捗率をチェックする程度です。しかし、別の記事でも書きましたが、歴史的な為替と株価の乱高下に振り回された側面もあったものと想像されます。

ブラザーは余りにも急だったこの乱高下に対応しなかった(する暇がなかった)のではないかと想像されます。資料を準備する段階では「既にかなり実態とかけ離れていた為替を妥当なレベルに見直した」と見えて、為替前提はそういう数字になっています。

ただ、乱高下前に発表した各社は(コニカミノルタを除いて)その分、売上高や営業利益も上方修正しています。ブラザーの場合はそこは期初の見通しを据え置いているのが不自然なところです。なにか(為替見直しによって出てくる売上高増・営業利益増を食いつぶす)悪化要因を抱えているのでしょうか?あるいは単純に「面倒だから」饐え置いたのでしょうか?そのあたりは次回の第2四半期を見てみたいと思います。

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