- 2022-11-1
- トピックス
今回は、10月28日に決算短信を公表した、印刷機メーカーでインクジェット機も手掛けている小森コーポレーションを見ておきます。決算説明会は 11月8日に予定されていますが、ご存じのように現在私は JITF2022の準備で忙殺されており、じっくり説明資料を読み込む余裕が無いかも知れません。ということで、取り急ぎ決算短信の数字ベースでのコメントを書きます。
小森コーポレーション
第2四半期の実績は売上高・営業利益とも良い数字が発表されています。第1四半期ではまだ十分に円安効果を享受できていなかったようですが、ここにきてフルに享受できたのではないかと思われます。
これを受けて、売上高・営業利益とも年間の見通しを上方修正しています。決算短信には「直近に公表されている業績予想からの修正の有無 :無」と記載されていますが、同社は決算短信公表の前日の 10月28日に「2023年3月期業績予想の修正に関するお知らせ」で上方修正を適時開示しています。これは業績見通しがある基準を超えて変動する場合、それが分かった時点(適時)に開示する・・・というルールに従ったものです。したがって「この開示情報からの修正の有無 :無」ということになります。
この上方修正を公表するはいけいとして、下期をどう見通しているのかを、エプソンの場合と同じ手法(年間見通しーQ1&Q2実績=下半期の見通し)で計算すると、下半期も上半期を上回る売上高を上げられるだろうと読んでいることがわかります。しかし、エプソンのように「記録的な」売上高を読んでいるというほどではなく、なにやら手堅い数値と見受けられます。
売上高に対応する営業利益も、なにやら手堅い数字に見えます。まあ、そもそも厳しい局面にあるオフセット印刷機事業なので、あまり派手な見通しを公表するのは躊躇われる側面もあるのでしょうか?大野てしては、今の円安レートが続くとすれば、もう少し上方修正の余地はあるように思います。
同社は第1四半期の決算短信ではインクジェット機に関する情報は無く(下記)、今回の第2四半期の決算短信にも記載はありません。今年で、drupa2012でランダが派手なプレゼンをしてから 10年が経過します。Heidelbergやドイツ系の印刷機メーカーがこの契約から撤退し、残るは小森コーポレーションのみとなっています。11月8日の決算説明資料でどういう情報が開示されるのかを「高い緊張感をもって注視したい」と思います(笑)
「今回の 2022年度第1四半期の決算短信にはインクジェットに関する記載はありません。先の決算短信に記載された「開発計画と事業体制の見直し」がどうなったのか・・・第2四半期の情報開示に期待したいところです。」(第1四半期のコメント)