富士フイルム:数字は力強い回復を示す

富士フイルムは、第3四半期の決算を発表し、パンデミックの影響から回復しつつあることを示しました。そのほとんどがヘルスケア部門の売上によるもので、世界的な健康関連の危機の中では当然といえば当然かもしれません。

決算報告では、ヘルスケアとマテリアルソリューション部門を 2つに分割し、ヘルスケアを独立した部門としたことが説明されています。一方、プロダクションサービスは、ドキュメントソリューションのオフィス事業から分離し、グラフィックシステム(商業・産業印刷)と統合してグラフィックコミュニケーション事業とし、「富士フイルムグループ内でのシナジー創出を加速し、グローバルに印刷業界にさらなる価値を提供する」ため、新たにマテリアル事業として位置づけられたようです。

富士フイルムは、ほとんどの主要な数字について、業績を 4つの主要セグメントに分割しています。ヘルスケア、マテリアル、ドキュメントソリューション(主にオフィス印刷)、イメージング(主に写真)。このサイトをご覧になっている方の多くは、グラフィックコミュニケーション(インク、プリントヘッド、プリンター)、電子材料事業、ディスプレイ材料(主に電子ディスプレイ画面用部品)、工業製品、ファインケミカル、記録メディアを含む素材部門に注目されていることでしょう。当四半期の素材部門の売上は 1,585億円となりました。

第3四半期累計の素材事業全体の連結売上高は 4,649億円(前年同期比 11.4%増加)、連結営業利益は 579 億円(前年同期比 25.9%増加)となりました。これは主に、半導体の需要に牽引された電子材料分野の売上が増加し、前年同期比 20.8%増の 1,070億円となったことによるものです。

グラフィックコミュニケーションズは、9.3%増の 2,111億円となり、材料部門の中で最大の売上を計上しました。第3四半期に限れば、グラフィックコミュニケーショ ンの売上は前年同期比 2.6%増の 726億円となりました。

これは、主に日米を中心とした Covid-19の流行からの需要回復に伴い、印刷用原版の売上が増加したことによるものです。また、産業用インクジェットヘッドも、欧州や中国の建材印刷市場の需要拡大を受け、堅調に推移したとのことです。インクについては、家庭用・オフィス用染料インクを中心に売上を伸ばした。

興味深いことに、決算短信のこの部分はこう結ばれています。「インクジェット市場のニーズを満たすグローバルな生産体制を構築することで、事業の成長をさらに加速させます。”」これは、富士フイルムがインクジェットのさらなる成長を見込んでいることと、経営陣がこの分野での現在の業績に満足していないことの両方を示唆していると思います。

富士フィルム全体では、売上高が 1兆 8,609億円、前年比 18.3%増、営業利益が 1,865億円でした。これは、メディカルシステム事業、バイオ CDMO事業、ライフサイエンス事業などのヘルスケア分野の売上が増加したことが主な要因で、前年を大幅に上回り、富士フイルムの予想を上回りました。

富士フイルムが 2022年 3月 31日に終了する通期業績予想を修正したのは、主にビジネスイノベーション(オフィスプリンティング)分野の減収とイメージング(主に写真)分野の増収を見込んでいるためです。このため、富士フイルムは売上高を 2兆 5,100億円と予想していますが、営業利益を 2,200億円から 2,250億円に、税引前利益を 2,400億円から 2,450億円に上方修正しました。同社に関する詳しい情報は、fujifilm.comからご覧いただけます。

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