展示会報告 Heimtextil 2018(8)フランクフルト1月9~12日:デジタル集中フロア H4.0 Kornit Digital

続いて Kornit Digital です。一部はすでにこのサイトを始めた当初に動画などのテストを兼ねてアップしたものです。

目玉の一つは DTMF: Digital Textile Micro Factory です。
プリンタ(即定着)->カッティングマシンー>ミシンと繋げて短時間でカスタムの最終製品を仕上げます

昨年のハイムテキスタイルで、HPの項目で開設した DITF(ドイツ繊維染色研究協会)が、ERGOSOFT(RIP)・ミマキ(プリンタ)・ZUND(カッティングマシン)・JUKI(ミシン)などとコラボしてコンセプト展示しましたが、諸工程を分業するのではなく、デザインから仕上げまで一か所でコンパクトにやってしまう(=マイクロファクトリー)というものです。

今年はこのコンセプトをKornit Digitalが引き継いで展示をしていました。昨年の事例は「昇華転写プリント」で発色・洗濯工程が不要なのでシームレスなマイクロファクトリーが可能というものでしたが、Kornit Digital はTシャツプリントで培った顔料インクで、熱定着に要する時間は6分とのこと。

昇華転写はポリエステルが対象ですが、衣料品の世界には根強い「天然繊維(natural fibre)信仰」があるようで、顔料インクの出口の有力な一つかと思います。

ポイントは短時間(6分)で水洗無しに熱定着できる技術ですが、やはりジュリア・ロバーツ似のミシンを扱う女性の方に視線が行ってしまいますね(笑)

もうひとつの目玉は蛍光色の NEON INK です
イエローとショッキングピンクの蛍光色があります

蛍光色インク(商品名:NEON INK)を発表、顔料インク搭載のロールtoロール機にピンクとイエローの蛍光色を搭載してデモをしていました。目立ちませんが「FOF」というインクも紹介され、これは「Fixing on the Fly」という意味だそうで、定着というより一種の前処理剤を、インクと同様にノズルから出射して、短時間での定着を促進するものと考えられます。

Kornit Digital はイスラエル企業で、DTGの先駆けとして主としてTシャツプリンターで成長し、近年はロール布に顔料インクをプリントする Allegro というタイプを投入して業容の拡大を図っています昨年は Amazonと大口契約を結んだことで話題となったり、規制当局の審査で Amazon への設置が遅れることになって株価が急落したりと、元気で話題の多いで企業ですが、締めてみれば年間の売上高は 2016年の $109mil から 2017年は $114mil と伸びたようです。

2月13日に公表された2017年の決算数値と投資家向けプレゼンはこちら

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