Webinar series : Covid-19 Report & Discussion 4:コロナ危機 世界からの報告とディスカッション 日本

2020年10月29日16:00~このフォローアップ講演があります

これまで4回開催した「コロナ危機 世界からの報告とディスカッション」シリーズですが、その中でも最も参加者数と反響が大きかったのが今回の有吉教授のセッションでした。IMFがコロナの影響も織り込んで「見通し(Outlook)」を発表しましたが、その IMFのアジア太平洋地域事務所長を5年間務めた経験値も含め、非常に分かり易く「数字の読み方・背景」を語ってくれました。

先生がマイクとカメラに向かって淡々と喋る、通常のオンライン講義とは異なり、時々大野が相槌を打ったり、「ちょっと質問いい?」と軽く突っ込むスタイルも、案外好評でした。

数字が見辛いと思われ恐縮ですが、IMFの「見通し」の数字は要は右のグラフのように「今年はマイナス成長となるが、2021年にはそこからまた V字回復する(グラフは文字通り「V字」)」・・・そうなんだ、今年の苦境を乗り越えれば、来年は元の軌道に戻るんだ!じゃ、ここは歯を食いしばっても頑張るぞ!・・・私のような単細胞はそう思ってしまいますね(笑)

ここから先は有吉さんが言ったというより、単細胞の大野が解釈した主観の話となりますが「IMFのような権威ある国際機関が『悲観的に過ぎる見通し』を発表して、それ起因でパニックを起こしてはいけない」・「この『標準見通し(予言でも予測でも予想でもなく、あくまで見通し Outlook)』には、当然『前提』がある」・「かつ『その前提を下振れさせる』いくつかのリスクも書き込まれている」・「標準があれば上振れもあれば下振れもあると思うが、今回は下振れがかなり重点的に書き込まれている」・・・

第一回目の IT Strategies の Marco Boer氏の時にも「それ、ちょっと見通し甘くないかい?」と突っ込みましたが、大野の私見では「100年前のスペイン風邪でも第2波・第3波が有ったように、緩めれば必ずぶり返しがある」・「感染抑止施策=経済活動低下・・・なので、後者を回復させようとすると、また感染者数は上向く」・・・要は当面は「低温にセットした『サーモスタット・オペレーション』をせざるを得ない」というのが私見です。有吉さんの話を聞きながら、やはりそう確信した次第です。今年を乗り切れば、来年はまた去年と同じ繁栄が・・・それはないよなと思うのです。

余談ですが、最近「中国寄りに過ぎる!」と、イマイチ評判がよろしくない WTOのテドロス事務局長ですが、IMFのような国際機関に勤務していた経験からは「理解できないこともない」と、やや同情的でした。「あの」中国に気持ちよくちゃんと動いてもらおうとすると、それなりに気を遣わなければ・・・という側面はあるようです。なるほどね~!・・・

今回使用した資料と、YouTubeの録画リンクは事前登録された方にのみ別途お送りいたします。また、今回の好評に力を得て、有吉さんにはまた何らかの形・テーマでウェブ登壇をお願いしようと思っています

Click to read the background of this series このシリーズの背景はこちらをご覧ください

新設したこのコーナーは、世界各地の私の知人を ZOOMで結んで現地のコロナ状況を報告してもらい、今後の見通しやビジネスに与えるであろう影響に関する私見をインタビューし、それをウェビナーという形で皆様に公開するという試みです。自社の組織を通じて報告されてくる世界各地の状況とはまた違った切り口で情報をご提供できれば幸甚です。

【第4回:有吉章, 日本, 2020.April.23(THU) 11:00 JST】

大野の大学教養学部時代の同級生で、工学部応用物理学科から大転身で大蔵省に入省し国内外の金融政策に深く関与、現在は大学教授ほか諸方面の役職を兼任している有吉章さんに「コロナ下の経済見通しの読み方」についてお話を伺います。IMFの見通しが発表されましたが、そのIMFにも勤務した経験なども交えて、今後の経済見通しをどう考えればいいのか?についてざっくばらんに語ってもらおうと思います。

登録リンクはこちらです

有吉章(ありよしあきら)

国際大学国際関係学研究科特任教授。東京大学工学部計数工学科卒、オックスフォード大学Ph.D.(経済学)。1976年大蔵省入省。銀行局、証券局、国際金融局、金融庁等で金融行政、国際金融政策に携わり、金融庁企画課長、財務省国際局総務課長、財務省副財務官などを歴任。また、国際通貨基金(IMF)において1998年から2000年には金融為替局(現通貨金融システム局)の局長補などを務めた他、欧州復興開発銀行(EBRD)調査局等にも在籍。2005年10月より2010年3月までIMFアジア太平洋地域事務所長。2010年4月から2017年3月まで一橋大学経済学研究科教授兼国際・公共政策大学院教授。MUFGリスク委員会委員、ASEAN+3 Macroeconomic Research Office (AMRO) Advisory Panel 委員等を兼務したたほか、2015年から一般社団法人ジャパン・リスク・フォーラム代表理事・会長(現任)。2017年9月より現職。


関連記事

ページ上部へ戻る