無人島ジョーク(desert island joke)

ジョークのカテゴリーの一つに「無人島ジョーク」、英語で desert island joke というのがあります。国民性の違いを比較してネタにする「エスニックジョーク」の一分野でもあります。

Wikipediaにもこんな真面目な解説があります。「無人島ジョーク(Island joke)は、無人島に漂着した人、あるいは数人のグループを素材としたジョークである。この設定は、あるジャンルの人々に対する固定観念を明らかにするために用いられている。 これは職業、宗教または国籍についてのネタであることが多く、また登場するのが有名人である場合も多い。無人島という設定はステレオタイプな生活のかもし出す不合理性と登場人物の持つ偏見をより強調する。そして登場人物の持つ偏見や固定観念は、普通の(無人島ではない)環境にあっても、彼ら自身に特有の奇癖を明らかにするだろうことを示唆している。この設定は、またアニメーションや新聞漫画でもよく見うけられる設定である。ステレオタイプな状況設定は、ヤシの木が一本だけ生えた小島とぼろぼろの服を着た人物という組合せである。」

Desert tropical island with palm tree. Concept for rest, holidays, resort.

前置きはさておき、Nessanの記事紹介で思い出したジョークを再掲しておきます。某有名商社のフランス現地人の創作と聞きます。

とある無人島(英語では a desert island)に、かつて男が流れ着き、そこにもう何年も住み着いていた。助けを待っているのだが、極く小さな島で誰も気が付かない。そこに、ある嵐の翌朝、近くで船が沈んだのか、全裸の女性が流れ着いた。さて・・・

男がフランス人だったら何が起こる?・・・そんなこと、訊くだけ野暮というもの(笑)
男がアメリカ人だったら?・・・まず弁護士と保険会社にコンタクトしてから(笑)
男が英国人だったら?・・・誰かが二人を紹介してくれるまで何事も起こらない(笑)
男がオランダ人だったら?・・・もう一人、オトコが流れ着いて「割り勘」できるまで待つ(笑)
男がドイツ人だったら?・・・上官の「突撃!」という命令を待つ(笑)
男がドイツ人だったら(2)?・・・エイズ撲滅に関して延々と議論をして何も起こらない(笑)

さて、男が日本人だったら?日本人駐在員だったら?

・・・本社にメールを書いて、どうしたらいいか問い合わせる(爆)

「日本人駐在員あるある」ですが、かなり前からこういう日本人駐在員の行動パターンは有名なようで、上で引用した Wikipediaにもほぼ同じジョークが紹介されています。ただ本社に問い合わせる手段が「テレックス」になっているところが時代を感じさせますが・・・そんな時代から有名だったということでしょう。ほかにも「FAXで問い合わせる」というバージョンも存在します。

海外駐在員でなくとも、一般に出張者の顧客面談でも似たような事例は「持ち帰って検討します」でしょうか(笑) いずれにしても、現場で決められない日本人がネタにされているのです。

似たようなカテゴリーで「タイタニックジョーク」というのもあります。ツボは同じ、国民性の違いをネタにするものです。

【例えば・・・】
タイタニック号の引き上げプロジェクトにアメリカ・ソ連・東ドイツが共同で取り組む合意に至った。
アメリカの関心は・・・タイタニックと一緒に沈んだ何百億ドルともされる金塊だった。
ソ連の関心は・・・タイタニックの当時としては最新鋭のエンジン技術だった。
東ドイツの関心は・・・沈み行くタイタニックで、最後まで乗客を勇気づけるために演奏を続けた楽団のノウハウだった(笑)

まあ、これは「タイタニックジョーク」と同時に「旧東独ジョーク」という分類かもしれません。ドイツにはこのバリエーションが沢山あります。日本人がネタにされているのは(有名なヤツですが)・・・

沈みゆくタイタニック号で、救命胴衣を女性と子供に優先的に配るために、泳ぎが出来る男性乗客に対して船長が言った言葉:
アメリカ人には・・・救命具を女性と子供に配ります。救命具無しで海に飛び込んで頂ければ、貴方はヒーローです!
イギリス人には・・・救命具を女性と子供に配ります。ジェントルマンの貴方は救命具無しで飛び込んでください!
ドイツ人には・・・救命具を女性と子供に配ります。貴方は救命具無しで飛び込んでください。これは船長の命令です!
日本人には・・・救命具を女性と子供に配ります。貴方は救命具無しで飛び込んでください。ちなみに他の皆様は既にそうされました!(笑)

さてさて、本題の無人島ジョーク、本当のオチはここからです。無人島の日本人駐在員が本社に問い合わせたメールに、返信がありました。なんと書いてあったでしょう?答えは一番下(下のバナーの更に下)にあります。

本社からの返信:「現地の判断に任せます!」(大爆)

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