ハイデルベルグ:第3四半期決算を発表

2026年2月9日

ハイデルベルグは 2025年12月31日締めの第 3四半期決算を発表した。売上高は前年同期比 4%増の 6億1700万ユーロ、受注高は 5億5000万ユーロから 5億1700万ユーロへ小幅減となった。同社は受注高減について、Drupa受注後の自然な減速によるものと説明している。

当四半期の利息・税金・減価償却費控除前利益(EBITDA)は 5000万ユーロで、前年同期の 2600万ユーロから大幅な増加に見えるが、2024年第3四半期には人員再編費用として 2900万ユーロが計上されていたのに対し、今年度は該当費用が発生していない。同社はこの再編により生産コストと機能コスト全体の改善が図られたとしている。

営業活動による利益(利子・税引前利益)は 3100万ユーロで、前年同期の 800万ユーロから増加。これにより税引後純利益は 1700万ユーロとなり、前年第 3四半期の 700万ユーロの損失から顕著な改善を示した。

地域別では、EMEA地域全体で受注が減少したものの、イタリアの政府主導投資プログラムにより第3四半期の受注・売上は増加。アジア太平洋地域では売上高が全体的に減少し、中国市場向け売上高は16%減となった。しかし、アメリカ大陸からの受注は 17%増加しており、同社は「関税とその将来的な動向については依然として不確実性がある」と指摘している。

ハイデルベルグは 2025年4月初旬より事業部門を 3つの主要部門に再編。オフセット・フレキソ・後加工ソリューションを含む「印刷・包装機器部門」は、当四半期の売上高が 3億1000万ユーロから 3億4000万ユーロに増加した一方、EBITDAは 3600万ユーロで横ばいとなった。

次にデジタルソリューション&ライフサイクル部門(デジタル印刷、ソフトウェア、サービス、消耗品)では、売上高が2億7200万ユーロから2億6300万ユーロに減少し、EBITDAも 2300万ユーロか ら1600万ユーロに減少した。ハイデルベルクはこの要因を製品構成の一時的な影響と説明している。

最高技術・営業責任者(CTSO)のデイビッド・シュメディング博士は、ハイデルベルクの強みは印刷機、ソフトウェア、サービスの一体化にあると指摘し、「デジタル印刷ポートフォリオの拡充とJetfire 75のような高性能システムの新規投入により、中核事業とそれ以外の分野の両方で新たな成長可能性を創出している」と述べた。

第3セグメント「ハイデルベルク・テクノロジー」は、eモビリティや防衛・産業システムソリューションを含む第三者向け受託製品開発・製造などをカバーする。当セグメントの売上高は 1200万ユーロから 1400万ユーロに増加したが、EBITDAは今年第 3四半期に 300万ユーロの損失(2024年第3四半期は400万ユーロの損失)となった。ハイデルベルクは、この分野の防衛関連事業を拡大し、それに応じて投資を行うことを計画していると述べている。

ハイデルベルクの最高経営責任者、ユルゲン・オットー氏は、「戦略的にも運営的にも、ハイデルベルクは、この計画を積極的に推進し、ダイナミックな将来市場におけるさらなる機会を活用する上で、非常に有利な立場にあります」とコメントしている。

これを強調するため、ハイデルベルクは最近、「経済対話」イベントを主催し、地域経済の 70 人以上の意思決定者、および CDU 事務局長のカルステン・リンネマン博士、バーデン・ヴュルテンベルク州議会議員(CDU)のクリスティアーネ・シュタープ氏、ドイツ雇用者連盟(BDA)会長のライナー・ダルガー博士など、複数の政治家を招いた。

オットー氏はこのイベントで、「ドイツ経済は大きな圧力にさらされています。他国と比較すると、高い人件費とエネルギー価格、複雑な規制、そして官僚的で時間のかかる意思決定プロセスが、投資とイノベーションの足を引っ張っています」と指摘した。さらに、「これらの課題は、当社の最大の拠点であるヴィースロッホ・ヴァルドルフで特に顕著です。当社は、これらの課題に対処するための戦略を策定しました」と付け加えた。

この戦略の一環として、ハイデルベルクは 2026年初頭にグループ資金調達を再編。2023年からのシンジケート・クレジットラインを、期限を前倒しして 2030年まで延長し、3億7000万ユーロから 4億3600万ユーロに増額した新たなシンジケートローンに置き換えた。これにより、計画中の事業拡大に向けた財務的柔軟性が向上する見込みだ。ただし、ハイデルベルクが前回の融資枠で実際に利用したのは 9100万ユーロのみであり、主に現金引き出しと輸出取引の保証に充てられた点に留意が必要だ。

ハイデルベルクは通期業績予想の達成が依然見込まれており、売上高は前年度の 22億8000万ユーロから増加し、約 23億5000万ユーロに達すると予測している。通期決算は 2026年6月10日頃に公表予定。詳細は heidelberg.comで確認可能。

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