アルティメーカー(UltiMaker):3Dプリンター「S7」を発売

2023年1月30日

UltiMakerは、新しいデスクトップ3Dプリンタ、S7を発表しました。既存のS5をベースに、より安定した温度を中心とした多くの新機能を追加し、生産性と信頼性を向上させます。

Sシリーズのプリンターは、溶融フィラメント製造法(FFF法)を採用しており、基本的にプラスチックフィラメントを溶かして押し出し、オブジェクトの各層を形成するものです。S7プリンターは、自動ノズル昇降システム、スワップ可能なプリントコア、フラッド検出機能を備えたデュアルエクストルージョンプリントヘッドを使用しています。ノズルの直径は 0.25mmから 0.8mmまで選択可能です。ノズルの加熱時間は 2分弱で、180~280℃の温度で動作します。S7は 2.85mmのフィラメントを使用します。S5と同じ 330×240×300mmの造形エリアを持ち、11.9cmのタッチスクリーンを搭載しています。

UltiMakerのCEOであるNadav Goshenは、次のようにコメントしています。「S7では、S5でお客様にご好評いただいた点をすべて取り入れ、より良い製品に仕上げました。」

S7では、フラウンホーファー WKIが独自に行ったテストにより、プリントに含まれる超微粒子を最大 95%除去することが確認されたエアマネージャーを搭載しています。

さらに UltiMakerは、マシン前面のガラスドアを、S5のダブルドアから S7のシングルドアに変更し、より優れた温度制御を可能にしました。ビルドプレートからの熱でプリンター内の空気が温められ、ビルドチャンバー内を上昇します。しかし、S5では、大型部品の中心部に面したダブルドアの隙間から空気を吸い込み、ABSのような温度に敏感な素材をプリントする際に、反りが発生する可能性がありましたので、新たにシングルドアにすることでこの問題を解決しました。

また、ビルドプレートにひび割れを生じさせることなく、パーツを簡単に取り外すことができるフレキシブルビルドプレートを新たに採用しました。このプレートには、独自の PEIコーティングが施されており、接着剤を使わずにパーツをベースに固定できるほか、完成後にパーツを取り外す際にも、パーツがたわむことなく簡単に取り外すことができます。プレートには25個のマグネットと 4本のアライメントピンを使用し、正確な交換とアライメントができるようになっています。

プリントヘッドセンサーは、S5の静電容量式からインダクティブ式に変更され、より低ノイズで正確にビルドプレートをプローブすることができます。また、プリンターの傾きを自動で補正する機能を搭載し、蝶ネジによるベッドキャリブレーションが不要になりました。この 2つの機能を組み合わせることで、最初に積層するレイヤーの精度を確保することができます。UltiMakerはまた、プリントプレートのより良い視点を持つ、より高品質のカメラでリモートインチャンバーモニタリングを改善しました。

また、アルティメーカーはオプションでマテリアルステーションを販売しており、プリンターと合わせて S7 Proとなります。これにより、6つのフロントローディング・スプールベイとフィラメントの自動湿度調整および材料ハンドリングが可能になり、オペレーターの時間を節約しながら印刷の成功率と品質を向上させることが期待できます。

S7は、UltiMakerの 200以上の材料からなるエコシステムと互換性があり、UltiMakerの印刷ソフトウェア Curaとシームレスに統合することができます。

ゴーシェンは次のように述べています。「より多くのお客様が3Dプリンティングを利用してビジネスを成長させ、革新する中で、私たちの目標は、お客様が成功するための完全なソリューションを提供することです。新しいS7では、プリンター、ユーザー、デザインをDigital Factoryソフトウェアで管理し、UltiMaker Academyのeラーニングコースで3Dプリントの知識を高め、UltiMaker Cura Marketplaceで何百もの材料やプラグインから選択するなど、お客様は数分でセットアップと実行が可能です」。

UltiMakerは S5を引き続き販売しますが、S7は Sシリーズのフラッグシップモデルとなります。Ultimakerは 2018年に S5を発売して以来、何度もマイナーバージョンアップを行ってきたので、S7はその一環と見ることができ、実質的には S5の進化版と言えます。

なお、Ultimakerと Makerbotは昨年末に合併を完了し、新会社の名称は真ん中に大文字のMが入った UltiMakerとなりました。

新しいS7に関する詳しい情報は、ultimaker.comでご覧になれます。

ソースはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る