日本:サイン & ディスプレイショウ @ビッグサイト 8月30日~9月1日


ビッグサイトに「サイン & ディスプレイショウ」を視察に行ってきました。ビッグサイトの西館第2ホールだけという、例年通りのこじんまりしたスペース。海外のサイン系展示会と比較して云々はいいとして、今年はプリンタの実機展示が少なかったように思います。展示会はスポットで観るのも重要ですが、毎年定点観測することで、その差分から何かを感じることも重要です。昨年のメモは無いので恐縮ですが、聞き取りも含めて感じたことを書きます。

そもそも欧州の FESPA や中国の APPPEXPO 等と比べてスペースも狭く、プリンタメーカーの出展社数も少ないのが日本のサイン&ディスプレイショウの「特徴」ですが、今回は更に減った、或いはブースは有っても実機展示が減った印象です

。国内メーカーではローランドDGのブースが無く、durst の代理店の日本製図器も無かったようです。出展していた SwissQprint や HP もプリンタ実機は持ち込まず、サンプル展示という形でした。

そんな中で、目立たないながら中国機が出ていました。メディアやその応用用途の提案は結構活発にあったように見えます。バックリット電飾看板がフィルムから布にシフトする兆しもあります。また、LED や電飾サインの存在感が増しつつあるように見えます。

【EPSON】

壁紙の施工方法を実演し、結構な集客を実現

エプソンはサインとTシャツなどプロモーショングッズの展示。エプソン販売が企画していると見られますが、壁紙の施工業者が実践的な施工方法をプレゼンし大勢の集客をしていました。

目立たないながら、今回の新規提案は「ポリエステルへのTシャツプリント提案」とのこと。Tシャツと言えば木綿(コットン)生地というのが通り相場と思っていましたが、スポーツアパレルや機能性の衣類は、繊維に機能を持たせることが可能なポリエステルが主流・・・となると、それにプリントする需要もあるとのこと。

所謂「昇華転写でポリエステルにプリントするスポーツアパレル」というのが市民権を得つつありますが、これをDTG ( Direct to Garment )にも拡げるという需要。エプソンは既存のコットン向けインクと共通化するため、ポリエステル生地への前処理で対応(インク種を増やさない)という選択をしたということです。

【ミマキ】

いつもの様に存在感のある MIMAKI のロゴ

昇華転写紙のジャンボロール

大容量インクタンク

数少ない「日本での新製品発表」

海外展示会でも国内展示会でも安定して元気に存在感を見せているのがミマキエンジニアリング。国内展示会で「世界初デビュー」を謳う新製品が発表されることは珍しいですが、ミマキはそんなことも意に介さず?昇華転写機の新製品を発表。ジャンボロールが扱えるようになり、インクタンクも大容量にしてヘビーユーザーに対応した製品と見えます・・・ということは、そういうヘビーユーザーが増加の兆しがあることの反映かもしれません。3Dプリンタも積極的にアピールしています。

【武藤工業】

武藤工業 早川社長(左)

武藤として初の本格UVフラットベッド機

UV にシフトをしつつあるということでしょうか?自社開発品の Value Jet UV 機の他に Performance Jet という名称で、おそらく OEM 調達したとみられる本格フラットベッド UV 機を展示していました。海外と大きく違う日本の状況・・・UV 機のポジションが日本では非常に低いのですが、そこらを変えるパワーとなってくれれば面白いと思います。

【SwissQprint・HP・EFI】

SwissQprint ジャパンの大野社長

高価なプリンタだが認知が進んで来たとのこと

EFI 多田マネージャー:セルカムのブースにて

HP:蜷川実花の作品を広報に

海外メーカーはブースを持っても実機を展示しないか、代理店ブースに展示するという経費カット施策。海外では大きな存在感を示している durst 機や AGFA 機は姿もありませんでした。ただ、画質では最高峰の SwissQPrint ジャパンの大野社長によれば、UV フラット機が徐々に認知されてきて手ごたえを感じているとのこと。このあたり、展示会と実需の微妙なギャップが生じている=展示会が世の中の需要の強さを反映していないという状況が起こりつつあるのかも知れません。

【中国メーカー:XINS】

徐社長

ユニークで安価な小型機を並べた中国企業{XINS」。ヘッドの素性に関しては「オリジナル」とのこと。

【沖データ】

沖データは、事業譲渡を受けたセイコー・アイ・インフォテック由来のプリンタ群を展示加えてトナーベースのプリンタを活用したTシャツ用のソリューションを、テクノプロモーションの川井社長が展示して活発なアピールを展開していました。詳細はこちら(P&PROMサイトを参照) 川井さんには欧州の展示会でもよくお会いしますが、常に新しい商材を探しに海外を歩かれているようです。インクジェットではないのですが、こういう「やっている人の顔が見えるマーケティング」は好きなので紹介しておきます。

【リンテックサインシステム】


オレフィン系メディアと、ミマキのUVインクの合わせ技で FICACSS という環境対応システムを訴求。また OCE (CANON) のゲルUVプリンタ「コロラド」を展示していました。

【リコー】

目立たないところに展示されていたリコーのラテックス機。参考出品とのこと

【ジャパン・ネットワークサービス:ダイレクト昇華プリンタ】

独自インク

【従来はフィルムが主流だったバックリットですが、これはポリエステル布です】

ポリエステル布の電飾看板。裏のLEDを制御して動きのある表示も・・・

【LED 電飾が結構目立っていました】

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