Clubhouseって何さ?(1)

このところ、あちこちで「Clubhouse」という新手の SNSが話題を呼んでいます・・・というか過熱気味という状況でしょう。夜の9時を過ぎると参加者が多過ぎてサーバーが落ちるというような事態も発生しています。これって一体何なのさ?私自身、使い始めて1週間余りで、まだ試行錯誤で感触を確かめているような段階です。まあ、こういうものは、やらないでどうこう言うのではなく、やってみて見極めればいいや・・・ということで付き合っています。この段階で見えたものをレポートし、若干の考察を書いてみます。

端的に言い切れば「音声による SNS」ということになるのでしょうが、やったことの無い人にちゃんと本質が伝わるように説明するのは案外難しいので、Twitterに流れているスライドを借用しておきます。クリックするとスライドショーになります。

まずはアカウントを作って誰かに招待してもらい(ここがプレミアム感を生むみたい)、Twitterと同じように、誰かをフォローするところから始まります。フォローしている誰かが何かに参加したり主催すると、自分の画面にそれが表示され、自分もそれに参加できます。

そこに行くと・・・みんなが雑談しています(笑)。数名の雑談を、大勢で「Audience」として聴いている感じです。音質的には AMラジオの感覚です。フォローしている人と、自分の知らない人たちがそこで雑談・議論・激論しています。フォローしている相手というのは、自分から見て一定のリスペクトがあると考えられ、その人が誰かと話をしているのを聴くのは結構刺激や参考になるものです。

そして、そこで話している人達の中に「おっ!あの人が!」という人がいます。まあ、自分がフォローしている人と繋がっている人なので、話題も近い・・・でも、また違った世界・違ったテイストの話もしている・・・会社で、いつも同じ顔ぶれと話をしていると、結局同じ話の堂々巡り・閉塞感に陥ることってないですか?そうではない新しい出会い・・・これがちょっとした興奮を呼ぶとされており、セレンディピティと説明されています。

そして、ただ聴いているだけでなく、「Speaker」としてその会話の中に参加したり、招かれたりすることもあります。これも結構な嬉しい体験となって、ある種の恍惚感を生み出します。

Twitterって、結構文字入力が面倒とか、Zoomだともう誰と話すというのが事前に決まっているとか・・・それに対し、Clubhouseは「話す」ので文字入力不要です。また、Zoomのミーティングでなにかをプレゼンする時のように、事前の資料作りなどは不要・・・というか意味を成しません。あくまで「ナマ対話・会話」です。

ふと思うのですが・・・「ステイホーム」「在宅勤務」「飲食自粛」などのコロナ対策の諸施策で失われたもの・・・それは「偶然の出会い」「他愛もないおしゃべり」みたいなものではないでしょうか?面談しなくても ZOOMで代替できることが多いのはもうまぎれもない事実です。しかし ZOOMは目的があって参加するので偶然性を期待するものではないし、ZOOM呑み会をやっても決まったメンバーなので話の発展性や「スリル」はないですよね。

コロナという閉塞状況にあって失われた「おしゃべり」の機会を取り戻す・・・これが、このタイミングで Clubhouseが爆発的に広まっている理由のひとつではないでしょうか?

「偶然の出会い」「おしゃべり」・・・これで思いついたことがあります。リアルなコンファレンスがヴァーチャルになって失ったもの・・・それはまさしく「ネットワーキングの場」における「偶然の出会い」「おしゃべり」なんです!分かってもらえますよね?3月に開催するオンライン・コンファレンスには是非この Clubnouseを組み込んで、コーヒーブレークやネットワーキングパーティの「偶然の出会い」「おしゃべり」を実現しようと思います!

★次回は「FOMO」の観点から Clubhouseについて論評します。え?FOMOって何?印刷業界の人にだけ通じる言葉でいえば「仏壇マック」です(笑) お楽しみに!

堀江さんによる「中高年管理職でもわかる Clubhouse入門」もやりますよ!あ、「大企業役員でもわかる」とした方がいいかな?でもオリジナルタイトルは「猿でもわかる」だったんです(笑)

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