気になるニュース:OceがCanonから分離独立?

オーストラリアで気になる動きがあります。これって Oce が Canon から分離独立する前兆ということ?

詳細は文末のリンクから元の英文記事をお読みいただくとして、冒頭部分を訳しておきます。

managing director Craig Nethercott

Océ Oceania launches in Australia

Océ オセアニアがオーストラリアで始動

Océ Oceania is now underway in Australia, taking over the management of branded wide format and production inkjet range from parent company Canon.

Océ オセアニアが進行中です。この会社は親会社の Canon から(Océ ブランドの)ワイドフォーマットとプロダクションIJ機の事業を引き継ぎます。

Craig Nethercott, managing director of Océ Oceania, says the newly carved out entity is now fully operating with a national team to support the company’s customer base.

Océ オセアニア社長の Craig Nethercott 氏は、新たに分割された事業体は、全国のメンバーからなるチームが顧客基盤をサポートするために既にフル活動していると述べています。

The products on offer include the ColorStream/ProStream continuous feed inkjet series, the ColorWave series high-speed wide-format family, the VarioPrint i300/i200 series sheet-fed inkjet systems, the Arizona 6100 flatbed series and the  flagship Colorado 1640 64” roll-to-roll printer, the first to feature the Océ UVgel technology, launched last year.

Océ オセアニアが扱う製品は、ColorStream/ProStream シリーズの連帳インクジェット機、ColorWave シリースの高速ワイドフォーマット機、VarioPrint i300/i200 シリーズの枚葉インクジェット機、Arizona 6100 シリーズのUVフラットベッド機、そして昨年発売されたフラッグシップの Colorado 1640 64” ゲルUV技術を搭載したロールメディア機です。

Nethercott says, “We will be taking over the marketing, distribution and service for the Océ branded wide format and production inkjet range from Canon, with a new go-to-market strategy which we believe will make us a more responsive and agile organisation that can engage more closely with our customers and focus more strongly on the needs of the professional print market in this region.

Nethercott は「我々はキヤノンから Océ ブランドのワイドフォーマット機とプロダクションIJ機に関するマーケティング・販売・サービスを引き継ぎます。新しい市場開拓戦略により我々はもっと敏感で機敏な組織を作り、この地域におけるプロフェッショナルプリント市場のニーズに対してもっと顧客に寄り添って、もっと強力に関わることができるようになると信じます。

■大野註:これは一体どういう意味なんでしょうか?少なくともオーストラリアに於いては「旧Océ がキヤノンから分離独立した」としか見えないのですが…?コトの善し悪しは別として、普通は買収されて100%子会社にされた企業は、吸収した側の支配下選手となりそこの事業部門となって、シナジーと称するあれやこれやの手段で同化させられ、元のカラーを失っていくのが通例ですが、これはその全く逆で、一旦同化せさられたものの、それを拒否して、あたかも元の企業がそのまま在ったかのような形で分離独立を果たした…ように見えます。

新会社のサイトのドメイン名にはキヤノンの名前は入っておらず、Océ のみです。プロフェッショナルプリントといいながら、取り扱い商品にはキヤノンの電子写真の高速機も入っていません。一方、キヤノン・オーストラリアのサイトからは Oce の製品がゴッソリ抜け、元々のキヤノンらしいイメージになっています。また双方のサイトのNews Release に本件は全く触れられていません。キヤノンと Océ の統合についてはいろいろなことが言われています。今回のこの動きは「統合」とは真逆の方向に見えます。

しかし、大野はこの動き、必ずしも「統合の失敗」とは思いません。一般論ですが、統合とかシナジーとかいうと、なにやら耳ざわりのいい言葉に聞こえますが、その実態は「呑み込んだ側が、呑み込まれた側に、自分たちの流儀や規則を押し付けて、呑み込まれた側が本来持っていた勢いやモチベーションを壊してしまう」ことが往々にしてあるのです。典型的には既存の大組織が、新規事業など比較的小さく異質な組織を呑み込む時に起こりがちな事象です。

上記の青字部分は、裏を返せば「今までは、敏感で機敏な組織ではなく、この地域におけるプロフェッショナルプリント市場のニーズに対して、ちっとも顧客に寄り添っておらず、強力に関わってもいない…社内儀式ばかりが優先される組織だったと言っているのです。個人的には、それならば分離独立は正解!と思います。

関心事は、これがオーストラリアだけの話に留まるのか?それとも他地域にも波及するのか?本体同士はどうなのか?ということでしょう。目が離せませんね!

また富士フイルムが米国ゼロックスをテイクオーバーし、過半数のシェアを握り、12人中7人の取締役を送り込むということになっています。富士フイルムはどういうマネジメントをしていくのか?これにも大きな関心事ですね。

キヤノン・オーストラリアのサイト
Océ オーストラリアのサイト
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