- 2019-9-4
- 業界 Who's Who
特殊印刷機を一品料理(所謂ワンオフ)で受託開発するユニークなメーカー「日本文化精工」をご紹介します。同社は小規模ながら「平版(オフセット)」・「孔版(スクリーン)」・「凹版(グラビア)」・「凸版(フレキソ)」という全ての既存方式の印刷機を、顧客の仕様に応じて開発できるというユニークなメーカーですが、最近はインクジェット技術も取り入れ新たな可能性を開拓しています。
同社のサイトのなかの会社概要>沿革のページを見ると、1934年に創業以来、実に広範な産業分野に多彩な特殊印刷機や装置を納入してきたことや、地味ながら日本の基幹産業の部品などへの印刷や製造を支えてきたことがわかります。
YouTubeの同社の動画チャネルです。同社が手掛けた様々な印刷機の動画があります。
インクジェットではなくオフセットですが、1989年から 1996年にかけて 200台も出荷された CDの盤面印刷機です。それ以前にも 1982年に世界初の CD用スクリーン印刷機を CBSソニーに納入したり、その高速化を図ったりと、その分野では大きな存在感を示していたことがわかります。今は音楽や映画のネット配信が主流となり、その役割を終えつつありますが・・・
こちらはインクジェットで円筒形状のものにプリントするもの。通常のインクだけでなく、エッチングレジストな特殊な液体も取り扱い可能とのこと。
こちらは、インクジェットによる CDプリンタですが、プリンタそのものよりも、ワークのマテハンを行う機構もセットで開発できることに注目です。
↓↓ サンプルの展示棚の写真です。クリックするとスライドショーになります。
パブミラーはその名の通り、パブ(居酒屋)のアイテムとして、お酒のロゴが入った鏡ですが、ここではインクジェットでフルカラー画像をプリントし、その後に鏡面を蒸着するというもので、版が不要になり、小ロットやオリジナル画像でも製作可能とのこと。
清水社長によれば、インクジェットへの期待は各産業界から高まっているとのこと。また、印刷とは直接関係ないながら、昨今の生産現場での人手不足から、ワークをセットしたり並べ替えたりするマテハン装置に対する引きも高まっているとのこと。
思えば、ヨーロッパではスクリーン印刷機メーカーがインクジェットに進出するというケースが多く、それがインクジェットの用途拡大に大きく貢献しているわけですが、日本のスクリーン印刷機メーカーは必ずしもそういう状況ではありません。その分、スクリーン印刷も含む既存方式を全て網羅する同社がその役割を担っているというところです。
特殊印刷機の一品料理受託で相当広範囲な産業分野に既にその存在を認知されており、その経験値と共にインクジェットの技術をさらに磨けば、日本にはまだ数少ないインテグレーターとしてかなりのポジションを確立できるように思われます。
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