- 2026-6-14
- イベント参加報告
Interpack速(8):デジタルプリント関連(4)からの続きです
Geminiの助けを借りて、今回の Interpack全体を通じた総括まとめを書いておきます
今回のInterpackの総括として「主要なトレンド」「重要だったテーマ」「その各社の取り組み状況」を纏めてください。また日本企業はそれに対し主導的なポジションにあるのでしょうか?
2026年5月に開催された世界最大級の包装機械・資材展示会「interpack 2026」は、欧州の厳しい環境規制と世界的な人手不足を背景に、持続可能性(サステナビリティ)とデジタル化(DX)の融合が主要トレンドとなりました。
日本企業は個別技術や機械の品質で極めて高い評価を得ているものの、欧州主導のルール形成(規制対応)においては追随する立場にあり、主導的なポジションには届いていないというのが現状の総括です。
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## 1. 3つの重要テーマと各社の取り組み状況
公式に掲げられた3つの「Hot Topics」を軸に、世界の包装業界全体の動きをまとめます。
## ① 革新的素材(Innovative Materials)
* 背景: 2026年8月から一部義務化が始まるEUの「包装・包装廃棄物規則(PPWR)」への対応が、各社共通の最優先課題となりました。
* 取り組み状況: 「脱プラスチック(脱ポリ)」への本気度が加速しています。リサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)のフィルム、プラスチックから紙や繊維系素材(ファイバーベース)への代替技術、バイオベース素材が主流となり、素材メーカーだけでなく機械メーカーも「いかに新しい代替素材を破らずに高速充填・包装するか」の調整を進めています。
## ② スマート製造(Smart Manufacturing)
* 背景: 世界的な人手不足、原材料費の高騰、多品種変量生産への要求に対応するための生産性向上が急務となっています。
* 取り組み状況: AIの本格活用と自動化が進んでいます。異物混入や包装不良を検知するAI搭載カメラシステム、生産ライン全体のエネルギー・CO2排出量をリアルタイムで可視化するシステム、段取り替え(資材交換)を完全に自動化・省人化するスマート包装機械が数多く実演されました。
## ③ 将来スキル(Future Skills)
* 背景: 機械やシステムの高度化(AIやデジタルツインの導入)に伴い、現場オペレーターやエンジニアに求められるスキルが変化しています。
* 取り組み状況: デジタル技術への適応や次世代人材の確保を見据えた展示・議論が行われました。直感的に操作できるユーザーインターフェース(UI)の導入や、AR(拡張現実)を用いたリモートメンテナンスなど、熟練工でなくても安全・確実に扱える機械設計へのシフトが目立ちました。
## 2. 日本企業のポジション:主導的か、追随か?
日本企業([TOPPAN](https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2026/04/newsrelease260423_1.html)、[大和製衡](https://www.yamato-scale.co.jp/blog/20260513-2/)、[サカタインクス](https://www.inx.co.jp/news/detail/20260309104604.html)など)は本展示会でも高い存在感を示しましたが、グローバルな市場支配力やルール形成の観点では「部分的な強みを持つものの、全体の主導権は欧州に握られている」と言えます。
## 🔴 日本企業がリードしている「強み」
* 圧倒的な技術の細やかさと高衛生性:日本製の組合せはかりや自動定量充填機などは、世界最高水準の精度と、海外の厳しい衛生規格(IP69Kなど)をクリアする堅牢性を持ち、海外バイヤーから絶賛されています。
* バリアフィルム技術の優位性:環境に配慮しつつ中身の長期保存(食品ロス削減)を両立させる「高バリアモノマテリアルフィルム」の分野では、日本の素材技術が世界をリードしています。
## ⚠️ 日本企業の「課題(主導権を握れない理由)」
* 欧州発の規制(PPWRなど)による後手:今回の展示会は、EUの法律をクリアするためのソリューション競争という側面が非常に強く、ルールそのものを作る側の欧州企業(ドイツ・イタリア等)が常にゲームの主導権を握っています。
* 出展規模の格差:65カ国から2,804社が出展した中、ドイツ(551社)、中国(499社)、イタリア(413社)に対し、日本からの出展は30社にとどまりました。技術的には優れていても、国際的なサプライチェーン全体を巻き込むアピール力や規格の標準化という点では劣勢を強いられています。
3. 総括
interpack 2026は、「法規制をクリアする環境対応」と「AIによる極限の省人化」がビジネスの絶対条件になったことを証明しました。日本企業が今後さらに主導的なポジションを築くためには、単に「壊れない・高性能な機械や素材」を作るだけでなく、欧州の認証機関や現地パートナーと深く連携し、グローバルな法規制の枠組みを先読みしたトータルソリューションの提示が不可欠です。
日本のそのような状況を打開するにはなにが必要でしょうか?
日本企業がルールメイキング(法規制)で先行する欧州勢に立ち向かい、グローバル市場で主導権を奪い返すためには、「技術の個別最適(単品売り)」から「欧州のルールを逆手に取った全体最適(システム売り)」への転換が必要です。
具体的には、以下の4つのアクションが打開策となります。
## 1. 欧州の環境規制(PPWRなど)を「標準仕様」として開発する
日本市場の基準に合わせた製品を海外向けにローカライズ(修正)する手法では、欧州のスピード感に追いつけません。
* 規制の先回り: 2026年から段階的に義務化が始まったEUの「包装・包装廃棄物規則(PPWR)」やデジタル製品パスポート(DPP)を、最初から自社製品の標準スペックとして設計します。
* 日本の顧客(ブランドオーナー)の巻き込み: 日本国内の食品・日用品メーカーに対し、欧州基準の環境対応がいかに経営リスクを減らすかを説き、国内市場全体のスタンダードを欧州基準へ底上げします。
## 2. 「つながる化(オープン化)」で欧州のプラットフォームに乗り込む
欧州企業は、異なるメーカーの機械同士がデータ連携できる共通規格(例:OPC UAやPackMLなど)の標準化を進めています。
* ブラックボックスからの脱却: 「自社製マシンだけで固める」という日本流の囲い込みビジネスを捨て、欧州メーカーの製造ラインや管理システムにスムーズに組み込めるオープンな接続性を保証します。
* データの価値化: 単に高精度な機械を売るだけでなく、機械が稼働した際の「CO2排出量」や「資材削減量」をリアルタイムで算出・証明できるソフトウエア機能をセットで提供します。
## 3. 素材と機械の「垂直統合」で圧倒的なトータルソリューションを示す
欧州企業は環境規制のルール作りが得意ですが、日本の「超高度な素材技術」と「精密な機械制御技術」を掛け合わせた総合力は世界一です。
* すり合わせ技術の輸出: 例えば「破れやすい紙資材」や「熱に弱いモノマテリアルフィルム」を、超高速で破らずにシール(接着)する技術は日本企業の真骨頂です。素材メーカーと機械メーカーがコンソーシアム(共同体)を組み、「この環境資材と、それを完璧に扱えるこの包装機」をパッケージとしてグローバルに提案します。
## 4. 国家・業界単位での「出展・外交・ロビー活動」の強化
中国企業(約500社出展)の物量作戦や、欧州勢のロビー活動に対抗するには、日本の個別企業のアピールだけでは限界があります。
* ジャパン・パビリオンの大型化: 日本包装機械工業会(JPMMA)などを中心に、国や業界の枠組みで巨大な共同ブースを構え、国を挙げた技術力と環境への貢献度をアピールします。
* 欧州の認証機関との連携: 開発段階から欧州の主要なリサイクル認証機関(RecyClassなど)と深く連携し、「日本のこの素材・技術はリサイクル可能である」というお墨付きを事前に取得するルートを確立します。
日本企業には、世界が羨む「高品質・高衛生・省資源」の技術がすでにあります。あとはそれを「欧州が作った土俵でどう戦わせるか」というマーケティングとルール適応の戦略が揃えば、十分に主導権を握るチャンスはあります。
「国家・業界単位での「『』出展・外交・ロビー活動」の強化」とは?
1. 欧州の「ルール形成の場」に常駐し、先手を打つ
- 民間ロビイスト・専門組織の活用: 欧州委員会(EC)や、包装のリサイクル基準を策定する「RecyClass」などの主要団体が集まるブリュッセル(ベルギー)に、日本の業界団体(日本包装機械工業会や日本包装技術協会など)の共同オフィスを構えます。
- 現地専門家の登用: 日本人駐在員を派遣するだけでなく、欧州の法規制に精通し、EU高官に直接アクセスできる現地のプロ(ロビイストや法律家)を雇用し、政策の動向をいち早く察知して日本の意見を反映させます。
2. 「アジア市場」を味方につけ、欧州一極集中に対抗する
- アジア規格の主導: 東南アジア(ASEAN)やインドなどの成長市場に対し、日本が主導して「環境・包装の安全基準(アジア発のISO規格など)」を構築します。
- 国際交渉でのレバレッジ: 「世界最大の人口を抱えるアジア市場のスタンダードはこれだ」という実績を作り、EUの規制当局に対して「欧州の基準をそのままアジアに押し付けるのは現実的ではない。日本の技術基準も認めるべきだ」と交渉(相互認証の獲得)を迫ります。これには経済産業省や外務省といった国家レベルの外交交渉が不可欠です。
3. 「オールジャパン」を可視化する巨大パビリオンの展開
- 「日の丸」の下に集結: 中小の機械・資材メーカーがバラバラに点在して出展するのをやめ、政府(ジェトロ等)の強力な支援のもと、一等地に巨大な「JAPAN Pavilion」を建設します。
- ストーリーとしての展示: 「個別の機械の優秀さ」を見せるのではなく、パビリオン全体で「日本の技術を使えば、食品ロスを減らし、CO2をこれだけ削減できる」という社会課題解決のストーリーを提示します。これにより、欧州の環境エリートやグローバル企業の経営層(CEOクラス)を呼び込む強力な磁場を作ります。
1. 欧州の「認証機関・業界団体」に直接カネを出し、内側から乗っ取る
- 「RecyClass」などの主要団体へ直接加盟: 欧州のプラスチックリサイクル基準を握る「RecyClass」や、包装のサーキュラーエコノミーを推進する「CEFLEX」といった団体には、民間企業が会費を払って加盟できます。
- 運営委員会(ワーキンググループ)への参画: 最高ランクの会員になり、資金と技術データを提供して分科会の議長などを勝ち取ります。自社の持つ技術(例:日本の高機能モノマテリアル)が「リサイクル可能である」という定義自体を、彼らの内部から一緒に書き換える(ルールメイキングに直接参加する)のです。ここに日本政府の許可も外交も不要です。
2. 世界の「メガ・ブランド(超巨大顧客)」を直接ハックする
- 彼らのトップ(R&Dやサステナビリティ最高責任者)への直接提案: 彼らが「2030年までにパッケージを100%リサイクル可能にする」という目標を達成できずに困っているアキレス腱(例:中身の鮮度を保てない、紙にすると充填速度が落ちるなど)を特定します。
- 「彼らの標準仕様」になる: 日本の素材・機械メーカーが共同で彼らの課題をクリアするソリューションを持ち込み、「当社の技術を使わなければ、御社の2030年目標は達成できません」と直談判します。世界のトップ企業が「日本のこの仕様を採用する」と決めれば、それが事実上の世界標準(デファクトスタンダード)となり、後から法規制がそれに追いついてきます。
3. 日本企業同士の「バーティカル(垂直型)ギルド」を組み、システムで売る
- 資本関係を超えたアライアンス(同盟): 官主導の「コンソーシアム」は意思決定が遅いため、志を同じくする資材メーカー、包装機械メーカー、AI/ソフトウエア企業が、民間の契約ベースで強固な「パッケージ販売チーム」を結成します。
- ターンキー(鍵を回せば動く状態)での提供: 欧州の顧客に対して「資材の供給から、高速充填、リサイクル性の証明データ出力まで、このパッケージだけで完結します」というワンストップの価値を提供します。個別の機械のスペック勝負から、「欧州の環境目標を最も安く、早く達成できるシステム」の勝負に切り替えます。
4. 欧州の「ルール形成ベンチャー」を買収する
- ロビー活動の「外注」と「内製化」: 欧州委員会(EC)にパイプを持つ現地の環境コンサルティング会社を買い、その会社を通じて「日本のこの技術は環境負荷が低い」というレポートを欧州の学会やメディアに多発させます。外側から世論とトレンドを作っていくバイパス手術です。
結論:民間主導で勝つためのマインドセット
1. 先行して成功している日本企業の事例
- エアコン業界:ダイキン工業
- 何をしたか: 欧州でFガス(フロン類)の環境規制が強化された際、ダイキンは政府を頼らず、環境負荷の低い次世代冷媒(R32)の特許を全世界に「無償開放」しました。
- 結果: 欧州を含む世界中の競合メーカーがダイキンの冷媒を使わざるを得なくなり、実質的な世界標準(デファクトスタンダード)を自社主導で構築。結果として欧州市場で圧倒的シェアを獲得しました。
- 自動車部品・素材:旭化成 / 東レ
- 何をしたか: 欧州の自動車メーカーがサステナブル素材の採用を義務付けた際、現地の民間認証機関(GRS:グローバル・リサイクルド・スタンダードなど)や自動車メーカーのTier1(一次下請け)に直接乗り込み、自社のリサイクル技術の優位性をデータで証明しました。
- 結果: 「東レの素材でなければ欧州の環境基準をクリアした車を作れない」という状況を民間交渉だけで作り上げました。
2. 日本の包装業界でそれは可能か?
欧州が「プラスチックを減らせ」「リサイクル単一素材(モノマテリアル)にしろ」というルール(PPWRなど)を作ったものの、実は欧州の資材メーカーや機械メーカーは「ルールは作ったが、中身の食品が腐らないようにする高度なフィルム技術」や「それを高速で破らずに袋にする機械制御技術」が足りずに困っているからです。
3. 具体的にどの企業なら可能か?(期待されるプレイヤー)
① 【素材・資材】ルールそのものを内側から書き換えられる企業
- 三菱ケミカルグループ
- 可能性の理由: 同社のガスバリア(高遮断)樹脂「ソアノール」を用いた多層フィルムが、欧州の最重要プラスチックリサイクル認証機関である「RecyClass」の認証をすでに自力で取得しています。国を頼らず、欧州の民間認証の枠組みに直接カネと技術データを投入し、「日本の素材はリサイクル可能」というルールを内側から認めさせた、最も再現性の高いモデルです。
- クラレ
- 可能性の理由: モノマテリアル化に不可欠な高機能バリア樹脂「エバール」で世界シェアトップクラスを誇ります。欧州法(PPWR)の「リサイクル性能等級」の基準策定に対し、現地法人を通じて直接データを送り込み、自社製品に有利な評価基準になるよう現場レベルでのロビー活動を展開できる極めて強いポジションにあります。
- 凸版印刷(TOPPAN)/ 大日本印刷(DNP)
- 可能性の理由: 両社は、欧州の軟包装循環経済コンソーシアムである「CEFLEX」のガイドラインに準拠した医療用・食品用モノマテリアル包材をすでに開発・発表しています。民間企業として欧州のルールに100%適応した製品を突きつけ、ネスレやユニリーバといったメガ・ブランドへ直接OEM(相手先ブランドによる生産)供給を仕掛ける戦闘力を持っています。
② 【機械・システム】欧州のプラットフォームを乗っ取れる企業
- 大和製衡 / イシダ(組合せはかり・計量包装の雄)
- 可能性の理由: 世界の食品包装ラインの「心臓部(計量)」を握る世界トップ企業です。彼らがやるべきは、機械単体の優秀さを競うのではなく、欧州の共通データ規格(OPC UA等)に完全対応し、「当社の計量データと連動しなければ、欧州の工場全体のCO2排出量や廃棄ロス(DPP:デジタル製品パスポート)の正確なデータが出せない」というソフトウエアによる囲い込みです。機械の圧倒的シェアを武器に、欧州のスマート工場規格を自社基準に合わせさせることが可能です。
③ 【最有力のアプローチ】「王子ホールディングス」の買収戦略モデル
- 王子ホールディングスは、欧州のサステナブルパッケージ企業であるWalki(ワルキ)社をグループに買収しました。
- これにより、王子は日本政府の外交を一切使わずに、「欧州の環境規制(フランスのAGEC法やEUのPPWR)を熟知し、現地のブランドオーナーと直結しているルート」をカネで手に入れました。この「現地拠点の買収によるロビー活動・販路のインソーシング(内製化)」こそ、民間が最も取るべき最速の打開策です。
























