富士フイルム:Revoriaの新機種を発表

2012年12月18日

富士フイルムは、Revoriaのプロダクションプリンターのラインナップを 4つの新機種で拡充する。これらの新機種は今年の Drupaでプレビューされたが、現在販売準備中である。これらはすべて乾式トナー印刷技術を使用しており、商業印刷業者や企業内印刷業務を含むライトプロダクション市場をターゲットとしている。

主力モデルは EC2100で、これは既存の EC1100の単純な後継機種のようだ。そのため、これは 4色 CMYKのマシンで、毎分 100枚の A4ページを印刷でき

これには、商業印刷市場によりアピールする特殊トナー用の追加トナーステーションを備えた EC2100Sというバリエーションもある。現時点では、富士フイルムはクリアトナーとピンクトナーのみを提供しているが、今後は金、銀、白も利用可能になる予定である。クリアトナーはスポットニス加工効果を追加するために使用でき、ピンクトナーは、赤、オレンジ、紫の色のスペクトル領域における色域を拡大し、また白人の肌の色調を向上させることができる。 理論的には、色を切り替えるのに 10分程度しかかからないはずだが、オペレーターにはこのためのトレーニングが必要である。

これらを補完するのが、2つのエントリーレベルのプレス機だ。SC285は CMYK、SC285Sは 5つ目のトナーステーションを搭載している。いずれも A4で最大 85枚/分の処理能力があり、それぞれ 80枚/分、70枚/分だった旧モデルの SC180/170よりも性能が向上している。

これらの新機種はすべて、富士フイルムが新たに開発した「縦型トナー現像技術」の恩恵を受けている。この技術では、現像器を重力に逆らって上部に移動させる。これにより現像ユニットのサイズが縮小され、富士フイルムはこれらの機種の全体的な設置面積を大幅に増やすことなく、5つ目のトナーステーションを追加することが可能になった。

これを補完するのが、2400 x 2400 dpiの解像度を実現する新しい LEDプリントヘッドだ。さらに富士フイルムは、これらのモデルすべてで使用されるトナーを、フラッグシップモデルであるプロダクションプレス Revoria PC1120で使用されているものと同じ Super EAトナーにアップグレードした。この機種は、テクスチャ紙にも対応できる中間ベルトロールフューザーを採用している。

この富士フイルムRevoria EC2100は、4色および5色の両バージョンで利用可能

 

印刷中のカラーのばらつきや表裏のズレを検知する「スマートモニタリングゲート D1」という新しいオプション機能がある。これは、印刷エンジンを遅らせることなく、これらの問題をリアルタイムで自動的に修正する。

新機種は、52gsmから 400gsmまでの非コート紙、および 72gsmから 400gsmまでのコート紙に対応するが、より厚手の用紙については、エアサクションフィーダーを使用する必要がある。 90 x 146mmから 330 x 660mmまでの用紙に対応する。また、オプションの給紙トレイと排紙トレイを使用すれば、長尺シート印刷にも対応し、最大 330 x 1300mmのバナー印刷も可能だ。 封筒、折りたたみ式カートン、一部のラベル用紙にも対応している。

フロントエンドには、AI技術に基づく自動画像補正機能を備えた富士フイルム独自の RevoriaFlowをはじめ、さまざまな選択肢がある。さらに、各印刷機には 2つの Fieryサーバーを選択できる。これらは Fiery FS600 Proプラットフォームをベースとしており、Fieryの標準的なカラーマネジメントおよびセキュリティ印刷ツールが含まれている。また、Fiery ImageViewerによるプレビューでピンクトナーの拡張色域もサポートしている。

さらに、オプションもいくつか用意されている。コート紙の確実な給紙を可能にするエアサクションフィーダーや、基材の静電気を除去して紙同士の貼り付きを防ぐ静電気除去装置D1などだ。また、両面断裁機能付き筋入れ機、折り機、中綴機など、さまざまなフィニッシングユニットも用意されている。

これらの新機種は、2025年 1月から世界各国で出荷が開始される予定だ。価格は、Revoria SC285が 3万 5000ユーロ前後、Revoria EC2100が 6万 5000ユーロ前後となる見込みだが、多くの機能がオプションの追加機能に依存している点にご注意されたい。詳細は、fujifilm.comをご覧ください。

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