富士フイルム:ユニグラフィカを買収

富士フイルムは、リヒテンシュタインに拠点を置き、カスタマイズされたインクジェットシステムを開発するヨーロッパのシステムインテグレーター、ユニグラフィカを買収しました。

富士フイルムは、富士フイルム・インクジェットシステムインテグレーショングループのために、Unigraphicaを買収

富士フイルムは、買収金額や買収時期については明らかにしていませんが、これ以上の法規制上のハードルはないようです。富士フイルムヨーロッパはユニグラフィカの全株式を取得し、この取引は今月末に完了する予定です。7月 1日以降、同社は Fujifilm Unigrafiphica AGと社名を変更する予定です。

これにより、富士フイルムは Fujifilm Integrated Inkjet Solutions(FIIS)をより広いヨーロッパ市場へ拡大することができます。FIISはすでに日本、米国、英国で事業を展開しており、欧州でのプロジェクトも手掛けています。FIISの役割は、Dimatixプリントヘッド、42Kプリントバー、Mini 4300シリーズ産業用プリントバー、富士フイルムのインクポートフォリオなど、多くの確立した技術を取り入れ、顧客と協力してこれらの要素の一つ以上をインテグレートする特注プロジェクトを開発することで、通常は産業印刷用途の顧客の生産ラインに組み込まれます。

このようなインテグレーションは、ユニグラフィカのような小さな専門会社が担当するのが一般的ですが、FIISの売りは、富士フイルムの全面的なバックアップが受けられるということです。提案から検証まで、すべてFIISが行います。富士フイルムグループは、目立たないようにするのが好きですが、15年ぐらい前から、このやり方で成功しています。このグループは、より複雑で目立たないアプリケーションに進出しようとしているため、今後、このグループに関する情報を耳にすることが多くなると思われます。

ユニグラフィカは、この種の仕事に適しているはずです。ユニグラフィカは 1985年に設立され、欧州を中心に 20カ国、50社以上にカスタマイズされたインクジェットシステムを導入している強力な顧客基盤を持っています。同社の製品には、インクジェットプリントモジュール「Jetstar」があり、108mmから 1080mmの幅で、200mpmで動作し、600×600dpiの解像度を提供します。セキュリティ印刷、明細書や請求書、オンデマンドの書籍印刷などに使用されます。また、300mphの TransJet搬送システムもあり、高速デジタル印刷と折り加工、ミシン目加工、ニス加工などの他の工程や、カメラシステムとの統合を可能にします。

ユニグラフィカ社 CEOのジョセフ・シュヴァイガーは、次のようにコメントしています。「富士フイルムグループの一員となることで、ユニグラフィカがお客様に提供できるリソースが増え、新しいインクジェットプリンティングソリューションにアクセスできるようになることに期待しています。」

もちろん、富士フイルムは、すでにヨーロッパ市場をカバーしている既存のチームに、個々のエンジニアを加えるだけでもよかったのです。しかし、ユニグラフィカは富士フイルムとより大きな足跡を残し、ヨーロッパでの実装、技術検証、アフターサービスを提供できるようになりました。

米国 FIISの副社長兼ジェネラルマネージャーであるグレッグ・バルチ氏は次のように述べています。「ジョセフ・シュワイガーとユニグラフィカのチーム全員の知識、専門性、高い評価を得ることができ、感激しています。”「さらに、「この加入が我々のビジネス拡大を支え、加速させることを確信しています。」と述べています。

FIISの詳細は、inkjet-integration.fujifilm.comから、また、unigraphica.comと fujifilm.comからも情報を入手することができます。

原文はこちら

なお、富士フイルムのプレスリリースを引用しておきます。サンバのインテグレーションチーム、攻めてるなあという印象ですね。

2022年 6月 8日

欧州におけるインクジェットビジネスをさらに拡大

インクジェットシステムのカスタマイズ提供に強みを持つ欧州の有力システムインテグレーターUNIGRAPHICA(ユニグラフィカ)社を買収

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、欧州におけるインクジェットビジネスをさらに拡大するため、インクジェットシステムのカスタマイズ提供を強みとする、欧州の有力システムインテグレーターUNIGRAPHICA AG(本社:リヒテンシュタイン公国、以下 ユニグラフィカ社)を買収します。

このたび、当社の欧州地域統括会社であるFUJIFILM Europe B.V とユニグラフィカ社の間で、ユニグラフィカ社の発行済全株式を取得する株式売買契約を締結しました。7月1日(予定)に、ユニグラフィカ社を「FUJIFILM UNIGRAPHICA AG」として新たにスタートさせ、当社のカスタマイズインクジェットシステム導入支援サービス「FUJIFILM Integrated Inkjet Solutions(フジフイルム インテグレーテッド インクジェット ソリューションズ)」(以下「FIIS」)の欧州展開を図っていきます。

ユニグラフィカ社は、顧客の要望に応じてカスタマイズしたインクジェットシステムなどを提供するシステムインテグレーターです。ユニグラフィカ社は、1985年の創業時から蓄積してきた、アナログ印刷機やその周辺機器の販売ノウハウ・実績を生かし、デジタル印刷分野でのビジネス展開を加速。現在では、インクジェットシステムや加工機を用いたデジタル印刷工程全体を最適化させるシステム提案力を有しています。また、システム設計・実装も担い、システムの迅速な立ち上げから導入後の設計変更までの技術サポートを展開。これまでに欧州を中心に20カ国50社以上に顧客ごとにカスタマイズしたインクジェットシステムを提供するなど強固な顧客基盤を保有しています。

当社は、インクジェットシステムを自社で設計・開発できる技術力を生かして、1,200dpiの高解像度出力を実現する高精細プリントヘッドや、広い色域や様々な基材に対応する各種インクの販売だけでなく、ヘッドとインクを組み合わせて顧客に最適なインクジェットシステムとして提供するサービスも行ってきました。さらに昨年には、本サービスを進化させて、顧客が求める印刷速度や画質、印刷する基材など、よりきめ細かな顧客ニーズに応じて、ヘッド・インクはもちろん画像処理方法なども当社が選定し、顧客ごとにカスタマイズしたインクジェットシステムとして提供する「FIIS」を米国・日本で開始。日用品や食品、建材などの幅広い分野の製造業の顧客から高い評価をいただいています。

当社は、今回、ユニグラフィカ社を買収し、欧州でのインクジェットビジネスをさらに拡大させます。具体的には、当社が有するインクジェットシステムの技術力や製品力と、ユニグラフィカ社のシステム提案力や顧客基盤を組み合わせて、顧客の製造ラインに最適なインクジェットシステムの導入提案から同システムの設計・実装・技術検証・アフターサービスまでを欧州で迅速に提供できる体制を構築し、「FIIS」の普及拡大を図ります。また、顧客毎に異なるインクジェットシステムの多様なニーズにきめ細かく対応することで、技術力・システム提案力をさらに高め、製品・サービスのより一層の価値向上を図っていきます。

当社は、高度なインクジェット技術や高品質な製品・サービスの提供を通じて、さらなる事業拡大を進めるとともに、産業用インクジェット市場の拡大、インクジェット技術応用による新産業の創出に貢献していきます。

ユニグラフィカ社の概要

社名 UNIGRAPHICA AG
設立年月 1985年
所在地 リヒテンシュタイン公国 ルッゲル

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