米国ゼロックス:決算数字から見えてくるコロナとの苦闘

ゼロックスが昨年の第 4四半期と通年の決算を発表し、第 4四半期の売上高は前年同期比 7.9%減の 17億8000万ドル(2,047億円@115円)、通年の売上高は前年同期比 0.2%増の 70億4000万ドル(8,096億円@115円・・・以下同じ)でした。

Xerox’s Webster research Centre, near Rochester, New York in the USA.
米国ニューヨーク州ロチェスター近郊にあるゼロックス社のウェブスター研究センター。

しかし、ゼロックスは第 4四半期に 7億1100万ドル(818億円)の税引き前損失を出し、2020年第 4四半期の 1億300万ドル(150億円)の利益から減少しました。通年では、ゼロックスは 4億7500万ドル(713億円)の税引き前赤字を計上し、2億5200万ドル(378億円)の利益から減少しました。通期の営業利益は 4億6400万ドル(534億円)から 3億7500万ドルへ(431億円)と 19.2%減少しました。

同社は次のように述べています。「2021年第 4四半期は、2021年第 3四半期と比較して、販売後の収益が若干増加しましたが、コロナ変異種の影響が長期化し広範囲に及んでいるため、多くの顧客が従業員の職場復帰の計画を延期していることが続いています。現在、2022年後半には職場の出勤率および販売後の売上が増加すると予想しています。」

「コロナの大流行によって生じた輸送や物流に関する問題など、グローバルなサプライチェーン全体の問題には改善が見られるものの、これらの問題は引き続き前例のないレベルの混乱を引き起こし、当社製品およびサードパーティ製 ITハードウェアの不足と輸送遅延を引き起こしています。これらのサプライチェーンの混乱は、2021年第 4四半期においても実質的に改善されておらず、2022年上半期を通じて課題として残ると予想しています。このため、お客様が当社の印刷技術やサービスへの投資を継続したことにより、機器や ITの売上が予想を下回り、輸送・物流コストが増加し、四半期末の受注残高が増加しました。」

「新型変異種の出現の可能性を含むコロナのパンデミックの継続的な影響と、世界的なサプライチェーンの混乱により、景気回復が遅れ、当社の収益と利益率に引き続き影響を及ぼすと予想しており、2022年の後半には改善が見込んでいます。」

パンデミックによるこのような混乱にもかかわらず、同社は「Project Own It」イニシアチブを通じて、目標とする 2021年の総コスト削減額 3億7500万ドル(431億円)を実現しました。また、2021年度のフリーキャッシュフローの 2倍に近い 10億ドル以上(1,150億円)を株主に還元しました。

副会長兼 CEOのジョン・ヴィセンティンは、次のようにコメントしています。「持続可能な長期的成長のための投資と業務改善を行いながら、フリー・キャッシュフローを増加させることができたのは、当社のチームと戦略の質の高さを浮き彫りにするものです。私たちは、Xerox Financial Services, CareAR and Innovation(PARC)を立ち上げるとともに、プリント、デジタルソリューション、ITサービスにおける成長のための基盤を構築しました。2月のインベスター・デーで、長期計画や成長への投資を収益化するための戦略について、より詳しくお話しできることを楽しみにしています。

同社の詳細については、Xerox.comからご覧いただけます。

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