米国ゼロックスと富士フイルムが何らかのディールにつき協議中(全訳付)

富士フイルムがゼロックスを買収する可能性は低いとはいえ、ゼロックスと富士フイルムが何らかの取引について議論しているという複数の報告があります。

ほとんどの文書がデジタルファイルとして作成され、簡単に保存したりデジタル形式で送ることができるようになるにつれて、オフィス複写機の需要が少なくなったために、Xeroxは苦労しています。同社の9.7%を保有する最大株主であるカール・アイカーン(Carl Icahn)は同社のリーダーシップの変更を公に要求しており、それと闘わなくてはなりません。さらに問題を複雑にするために、ゼロックスは昨年、より成功したビジネスであるサービス事業を別の会社Conduentに分割しました。

ゼロックスは、アジア太平洋地域の富士フイルムと既にパートナーシップを結んでおり、1962年に合弁会社として設立された富士ゼロックスがありますが、同社の株式は富士フイルムが75%を所有しています。これはもともと、富士フイルムのチャネルを通じてゼロックスの技術(開発した製品)を流通させるのが趣旨でしたが、近年は富士フイルム側(富士ゼロックス)の方が多くの製品開発を推進しています。しかし、昨年富士ゼロックスは、2011年から2016年の間に3億4000万ドルもの過剰利益を計上したという会計スキャンダルを明らかにしました。これは逆に、ゼロックスの当該期間の数字の修正を迫ることにもなりました。

ゼロックスは約77億ドルの企業価値(株式時価総額)がありますが、約40億ドルの負債を抱えています。一方、富士フイルムは約220億ドルの企業価値を有しています。富士フイルムは、今後3年間で戦略的買収に約45億ドルを割り当て、従来のフィルム事業を転換しようとしています。先週このディールの噂が流れた際、Xeroxの株価は上昇し富士フイルムのは下落しましたが、これは富士フイルムがゼロックスを必要とする以上に、ゼロックスが富士フイルムを必要としていると市場が見ていることをはっきりと示しています。

現在のところどちらの側も、この話を否定も肯定もしてはおらず、今のところは憶測の域を出ているわけではありません。

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Xerox and Fujifilm discussing deal

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