ColorJet:FabJet Proを発表

2025年10月31日

インドのメーカー ColorJetは、シンガポールで開催された ITMA Asia展示会において、最新のインクジェットテキスタイルプリンター「FabJet Pro」を発表した。この 3.2m幅の機械は主にホームファニシング市場をターゲットとしている。

カーテン、ベッドシーツ、ソファカバー、カーペットの印刷を主な用途とする。小規模生産者向けのオールインワンマシンとして設計されている。実際、ColorJetは他の 3.2mマルチパステキスタイルプリンターも販売しているが、製品管理担当副社長の Smarth Bansalによれば、Fabjet Proの強みは 3種類のインクセットから選択できる点だ。顔料インクと反応性インクは主に綿用、分散インクはポリエステルや絹への印刷用である。

インクセットにより最大 12色まで対応可能だが、大半のユーザーはおそらく CMYKに加え青・赤・橙・緑の8色構成となる顔料インクを選択するだろう。インク自体は 10リットルのプラスチックボトルで供給される。

プリントヘッドは京セラ製(600×600dpi)とコニカミノルタ KM1024i(360×600dpi)から選択可能だが、いずれも独自の循環システムは搭載していない。バンサル氏は「テキスタイル印刷の顧客の中には京セラ製ヘッドを単純に好む者もいる」と述べ、次のように付け加えた: 「しかしコニカミノルタを使うユーザーは、そのヘッドの方が許容範囲が広く故障率が低いと感じている」

カラージェットの営業部長ミケーレ・リヴァは、京セラヘッドは高価だがパス数を減らして生産性を高められると指摘した。またインク選択に基づくより微妙なアプローチを示し、コニカミノルタヘッドはバインダー付き顔料インクとの相性が良いと述べ、こう付け加えた: 「反応性インクの場合、京セラは生産速度がはるかに高いため、稼働性において優位性がある。直接分散型インクでは、昇華型インクがより攻撃的なインクであるため、京セラよりもコニカミノルタの方が適していると思う。ある意味で顔料インクに似ているため、より強力なヘッドを使用する方が良い」

また、京セラヘッドに顔料インクを使用する場合、再循環機能付きモデルが望ましいが、当然ながらコストが大幅に上昇すると付け加えた。

基本モデルは京セラまたはコニカミノルタ製プリントヘッド 32基を搭載するが、最大 48基の KM1024iプリントヘッドに構成変更可能であり、価格を大きく押し上げずに生産性を向上させられる。

ColorJetはコニカミノルタ製プリントヘッドで最大 1440dpiの解像度を主張しているが、当然ながらヘッドキャリッジのパス数に依存する。パス数を増やすと生産性は低下する。それでもバンサルによれば、2パスモードでの標準的な生産速度は 1時間あたり約 600メートルとなる。公表仕様によれば、32個の京セラヘッドによる 2パスモードでは 508×1200dpiで 654平方メートル/時、一方コニカミノルタヘッド 48個では 360×720dpiで 535平方メートル/時を 2パスで達成する。

しかし、ITMA Asiaで複数の ColorJetスタッフと交わした会話から、大半のユーザーにとって最も合理的な構成は、遅いが信頼性の高い生産用主力機として、コニカミノルタヘッドと顔料インクの組み合わせとなるようだ。現在 3台の FabJet Proプリンターが導入されている。1台目はグジャラート州ワピ地域へ、2台目はデリーの NCRへ(いずれもインド国内)、3台目はトルコへ納入された。これら全てが顔料インクを選択している。主な理由は、輸出向け生産を行うためで、市場が水使用量の削減と持続可能性の向上を求めているからだ。

FabJet Proは InEdit NeoStampa RIPソフトウェアの ColorJet版を使用する。プリンターの価格は約 40万米ドルだが、これはプリントヘッドの選択に大きく依存する。FabJet Proの詳細は colorjetgroup.comで確認できる。

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