- 2025-1-4
- 新年ご挨拶
皆様、あけましておめでとうございます。
2025年巳年のご挨拶を申し上げます。
2016年から始まったこの新年のご挨拶も、今年で10回目となりました。10回目を書くにあたり、ちょっと過去のものを読み返してみましたが・・・長い!長ったらしい(笑)毎年、それなりにいいことを書いているな!と自画自賛してはおりますが、ちょっと長いですねえ。正月からあんな長いものを読みたくないかなあ(笑)ちょっと反省です・・・というわけで、今回は少しだけ短くまとめようと思います・・・あ、少しだけね(笑)
ちなみに今年は巳年、昭和 28年(1953年)生まれの私は古希の節目を過ぎて歳男ということになります。次の節目は・・・75歳の後期高齢者でも目指してみますかね・・・あ、目指すもんじゃないか(笑)
青島刑事は何故ヒーローなのか?
年末年始のテレビ番組は製作スタッフの休みを確保するためにお笑い番組の撮り溜めや、過去の人気テレビ番組を纏めて流す習慣があるようです。典型的なのはテレビ東京の「孤独のグルメ一気見シリーズ」(笑)好きな番組の部類なのでいいんですけど・・・どうせなら六角精児の「呑み鉄本線日本旅」を纏めて再放送して欲しかった(笑)
まあ、それはさておき今回、私がウッカリハマってしまったのが「踊る大捜査線」!有名なシリーズなのでご存知かと思いますが、ざっくり申せば「権威の象徴」としての警視庁本庁と、現場を護る泥臭い所轄署の刑事たちが繰り広げる人間ドラマ・・・所轄の刑事たちは自分の現場なのに、本庁から来たエリート刑事たちにさんざん馬鹿にされコケにされつつ、最後はちょっと溜飲を下げるオチがつく・・・みたいな展開のアレです。
一度か二度見ればパターンは分かってしまうので飽きちゃうのではないか?・・・とか思いつつ、結局また見てしまう。織田裕二扮する青島刑事の生きざまに何故こうも易々と共感してしまう・共感させられてしまうのか?
思うに「警視庁本庁に代表される権威に対して、無駄と分かりつつタテをつく所轄の刑事への判官びいき」・・・なんだろうけど、もう少し細かく突っ込んでみると「警視庁本庁刑事たちの言葉は、超硬直化した組織の論理!頭でっかちで現場を知らない経営企画部門の論理!コンプライアンスを振りかざして思考停止した某部門の論理!」(笑)
それに対して「何のためのコンプライアンスなのさ?事件は会議室で起こってるんじゃない、現場で起こってるんだ!コンプライアンスなんて糞くらえ!」(あ、実際にはこんなことは言ってません、あくまで大野の解釈です(笑))・・・と、ごく当たり前のことを言っている!そこに普段の会社生活で感じている矛盾、でも口に出して批判して戦うのもためらわれる・・・そんな心情をストレートに代弁しているのが青島刑事なんじゃないでしょうか?
「不適切にもほどがある」、略して「ふてほど」は昨年の流行語大賞にも選ばれました。こちらは話がやや複雑ですが、タイムマシンで昭和と令和の今の世相を比較することで「どこかおかしくなってしまった今」を浮き彫りにして、それに対して阿部サダヲが「これって変じゃん!」とあっけらかんとダメ出しをする部分が共感を呼んだのでしょう。
何が世の中をオカシクしてきたのか?
これは、正直申してまだちゃんと考察が出来ていないんですが、かつ炎上ワードもあると思われるのですが・・・青島刑事よろしく、あえて言葉にしてみます。私は 1977年の会社入社・・・2016年まで在籍していた 39年の会社員生活の中で「え?これ、なんかヤバいじゃん?」「おかしくなってきたのでは?」と思ったことを順不同かつ網羅的ではなく思い付きベースで書いてみます。原因系ではなく現象としての結果系なんですが・・・
まず「うつ(病)」があります。メンタル(ダウン)とかデプレッションとか、いくつかインパクトを和らげる言葉探しがありました。私の同僚や部下も何人かがダウンし、私の息子も陥りかけたし、私自身も今思えばそうだったんだろうなという記憶もあります・・・その昔はノイローゼの一言で片づけられていたものが、最近では研究も飛躍的に進み、原因もかなりわかってきたようで、症状別のクスリも開発されています。
でもね・・・なんかおかしくないですか?うつになった同僚は部下は薬を処方され、それを服用しているうちはいいけれど止めるとやはり不調、場合によっては「では薬を変えてみましょう」みたいなことになって・・・いわば薬物依存になってしまう。製薬会社と医師の都合のいい連携で、結局薬物依存を断ち切れない・・・ノイローゼの一言で片づけて「まあ、くよくよすんな!そのうちよくなるぜ!気分を変えて呑みに行こう」・・・なんて時代の方がよほど健全だったのでは?
労基署(労働基準監督署)ってのがあります。うっかり査察で指摘事項があると面倒だしイメージダウンということで、必死に「基準」なるものを守ろうと取り繕う。水曜日はノー残業デーとか称して 18時で職場の電源を強制的に切って回る。過剰労働にならないようにと「パソコンがオンになっている時間のログ」をとって、超過しそうなやつには警告が来る。「違反」をした本人も、させた上司も「コンプライアンス警察」からダメ出しを食らう。挙句の果てには、国を挙げて「働き方改革」と称して「働かないこと」を奨励する。(*1)
おかしくないですか?仕事の性質によって業務負荷の度合いは波があるもんでしょう?経理などは四半期ごとに決算があるし本決算時は休出は当たり前・・・でも後で代休などでバランスをとるのは常識。典型的には開発!新製品ローンチ前には、現場は不夜城で皆会社に寝泊まりし、熱気と活気に溢れていた。開発なんてクリエイティヴな仕事は「9時に来て5時に帰る」なんていう公務員的な業務のやり方ではなく「やってて楽しい、ウハウハッ!」ってドーパミンが出るときに好きなだけ集中して仕事するってなノリが必要でしょう。それを夕方5時で強制的に断ち切ってどうすんのさ?・・・これをやり始めてから徐々に日本の製造業は沈んでいったのとは相関がないとは思えません。
あまり関係ないかもだけど「モンスターペアレント(モンペ・モンペア)」なんてのが出てきて教師や教育委員会を徹底的にやり込める。やられる側はメンタルになったり、保身に回る回避行動に終始する。
コンプライアンス・・・私が一番嫌いな言葉です(笑)この言葉を振りかざして、自分は法の番人とかと勘違いしている輩はクソだと思いますね(笑)いちいち例は挙げません。青島刑事が左遷され一巡査となって勤務している交番へ、小学生が道で拾った 100円玉を届けに来ます。規定では「落とし主が 5~10%のお礼を渡す」ってことなんでしょうが、青島巡査は一瞬考えて「いいことをすれば、いいことがある」と書いた紙を渡し、100円玉をその子にあげる。「こういうのなんていうか知ってるか?超法規的措置って言うんだぞ(笑)」・・・コンプライアンス警察にはわからんだろうな~(笑)
コンプライアンスと似た響きの言葉に(コーポレート)ガバナンスがあります。なんだ、この生煮えのカタカナ(笑)委員会等設置会社はそんな中でも最も進化した形態と言われているようだけど、それを導入して久しい会社がどんどん傾いていくのを止められない委員会って何さ?え、それは執行の仕事?じゃ、そんな執行役社長を選んだ指名委員会の責任はどう取るのさ?コンプライアンス同様に、(コーポレート)ガバナンスって言葉を弄ぶ輩もクソと思いますね(笑)・・・正月早々、下品ですみませんね(笑)
そして SNS!みんな、SNSでの批判や炎上にビクついて当たり障りのないように振る舞う。匿名の批判なんて無視すればいいんです。幽霊の正体見たり枯れ尾花・・・幽霊なんていないんですよ。(*2) SNSについてはまだちょっと考えを整理できていない部分もあります。全会一致で知事に不信任を突きつけた兵庫県議会、なんと失職した元知事が SNS戦術が奏功して再選された。その後の県議会の腰砕けや百条委員会の成り行き・・・なんなんでしょうね?ここはもうちょっと考える必要があります。
いろいろ表面的に目に映ること書いてきましたが、あえて一言で纏めれば「オトナの常識」というものが失われてきている・劣化して来ている・口に出し辛くなってきている・・・ということではないでしょうか?
上に列挙してきたことの大半は「オトナの常識」で判断すれば取るべき行動はおのずと明らかなことばかりではないですか?今年は言葉に惑わされず、同調圧力をひらりと躱(かわ)して、ひとつひとつの局面を「オトナの常識」で判断することに立ち返って見ませんか?
思うに「オトナの常識」を忘れ、空疎な言葉に惑わされ、同調圧力に屈してきたのが最近の経営者どもの体たらく・・・そんな風に見えませんか?そこの経営者のあんた、そうアンタのことだよ(笑)どこまで本気でお国の言う「働き方改革」なんて信じていますか?ちゃんと自分の言葉に落とし込んでみなさいよ(笑)
あ~あ、結局は正月から長々と書いてしまった。反省(笑)さていよいよあの稀代のポピュリストのトランプ政権が発足します。ど~なることやら・・・それについて書き始めるとエライことになりそうなので、別途ということにしましょう!1月9日17:00から開催予定の「新春砲弾かい?いえ放談会ウェビナー」でも触れますので、是非登録ください!
今年一年が皆様にとって有意義で実り多い年となることを祈念致します!しっかりしろよな、経営者もどき達(笑)
*1:労基署は従業員を多く抱える大企業の事業をマークする方が効率はいいしインパクトも大きいと思っているかもしれません。でも大方の大企業はそこまでブラックではないことが多いです(皆無とは言いません(笑))それより、ホントのブラック企業を是正していくことに注力すべきと思っています
*2:公益通報者など匿名であるべきものもあるので一概に「匿名は卑怯だ」というつもりはありません。そこらへんはそれこそ「オトナの常識」で判断すればいいことです