新年のご挨拶 2024年:前編

新年あけまして・・・おめでたいとは言い辛い正月となってしまいました。元旦には能登で地震が発生し未だ全容さえつかめていない状況、2日には日航機と海保機の衝突事故・・・亡くなられた方々のご冥福と、被災された方々へのお見舞い・一刻も早い立ち直りを心よりお祈り申し上げる次第です。

ウクライナの戦争もまだ全く見通しが立っていないのに、パレスチナ・ガザ地区で新たな紛争が起こり、こちらも全く見通しが立っていません。コロナが漸く一段落した感があるのに、トンネルを抜けたら明るい陽ざしの中を走っている感がしませんね。過去を振り返れば「昔は万事シンプルで分かり易かった」、先を見れば「不透明な時代」と感じるのはいつの時代も同じなのでしょうか?不透明に加えて今は「不安の時代」という気もしますが、この気分も 1948年に作曲されたレナード・バーンスタインの交響曲に既にそういうタイトルがつけられています。

いきなり暗い書き出しとなってしまいましたが、個人的には年末年始の暴飲暴食が祟り、約10年ぶりに痛風を発症してしまいました。これは完全に油断です・・・自虐ネタですが、笑ってやってください(笑)

少しだけ昨年の世界を振り返ると・・・

国内においては・・・知名度の高い企業や団体の不祥事が次々と明らかになりました。多過ぎてどれが先だったのか、もはや時系列で思い出せないレベルですが「ビッグモーター」・「日大アメフト部」・「ジャニーズ」・「宝塚歌劇団」・「ダイハツ」・「自民党」・・・まあ、他にも何かいろいろありましたね・・・

個別にコメントしているとスペースが足りなくなりそうなので纏めますが、遠目で見るとどれもこれも極めて日本的な事象に見えます。いずれの事案も全く降って湧いた話ではなく、皆薄々知っていた・・・或いは公然の秘密だったものばかりでしょう?その組織に雇用されている中下層の人達はクビを賭けてまで告発し辛いのは理解できなくもないですが、上層部にはその状況を知りながら誰もブレーキを掛ける人は居なかったんですかね?

更には、それに対し中立や常識的な立場からモノ申すべき内部組織やメディアは何をしていたんでしょうね?誰かが告発するまで、あるいは被害者が命を絶つことによって明るみに出るまで「全く気が付きもしていなかった」?・・・ホントですかぁ?日本の企業・団体・組織は、低レベルのコンプライアンスは妙にちゃんとやる割に、こういう本質的な部分にはまず斬り込んでいないように思われます。責任を取らない社外取締役や各種委員会なんてその好例?・・・あ、悪例です(笑)

先に名前を挙げた企業や組織などはそれこそ解党的出直し・人心を一新してゼロから構築し直ししないと立ち直れないと思いますが、これも結局、逃げた責任当事者の子飼いや同じ穴の狢が後任として処理に当たっている例が殆どです。そういう人物を後任に据えておけば自分を告発することはないだろうという発想なんだろうと思いますが・・・そんなことで会社や組織が立ち直るハズはありません。

ついでに言っておけば、対応が全て遅すぎますね!決断力・即決力の無い人(達)がそういうポジションに就いているのです。逆かな?決断力・即決力が無いからそういうポジションに就けた?(笑)

では、どうすればいいのでしょうか?

それぞれ事情が異なるので個別にはコメントするのは手に余りますが、一般論として経営者の暴走や忖度・隠蔽を防ぐ「常識を保つ為の組織」としてビルトインされたはずの監査組織や社外取締役や各種委員会などが機能しないならば、先に「クビを賭けてまでは告発し辛い中下層」と書いた人達が立ち上がるしかないように思われます。貴方のことですよ!(笑)

先般、ChatGPTを作り上げた OpenAIを立ち上げたサム・アルトマンが取締役会から解任されたところ、従業員達が「だったら俺たちも彼について会社を出ていく」という反乱を起こして復帰するということが起こりました。これなどは大いに参考になろうかと思います。

まあ、米国の事例がそのまま当てはまるかどうかは別として、こういう企業や組織の(クズ)経営者達は従業員・組織構成員を「どうせクビを賭けてまでは告発してはこない中下層」と舐めているのが殆どです。ここにノーを突き付けるのが基本のキにように思います。

舐められてはいけません!社内の人間関係で世を渡っていては舐められます。どこに行っても通用するようになる・・・その為にはまず、自分が世の中に出ていくこと・矢面に立って経験値と人脈を自ら構築・蓄積して財産化することです。

さて海外では・・・書きたい切り口はいくらでもあるのですが、絞るとするならば「国家群の再編・分断」が進み深刻化しつつあること、そして上に書いた OpenAIが火を点けた「生成AIの勃興」でしょう。

ベルリンの壁が崩壊したのが 1989年・・・その年に生まれた人は今年 35歳という正に働き盛りの年齢になるわけですが、逆に私がその年齢の時代は「東西分断」「資本主義 vs 共産主義」「米国 vs ソ連」というイデオロギーの対立分断があったのです。その当時、先進国 vs 後進国(あまりに失礼な言い方なのでその後発展途上国と言い換えられた(笑))の関係は対立ではなく、リカードの「比較優位論:それぞれが得意分野に注力するのがグローバル視点で最も効率が良い。工業が得意な国は工業に、資源がある国は資源供給に注力」などという理論で「よろしくやっていた」のです。

それが今や G7と BRICSを核として(かつての)先進国 vs (かつて)途上国の対立という構図になっている。西洋民主主義陣営 vs 独裁権威主義陣営と言われることもある。私が教わった高校の世界史の授業では、ペルシャ戦争でギリシャが勝ったのは「民主主義市民国家ギリシャの専制政治国家ペルシャ(今のイラン)に対する勝利」と位置付けられていました。

この延長で論じるならロシアは負けて然るべきなのですが、なかなかそうはいきそうにない。「もしトラ」でトランプが大統領に返り咲いたりすると、先進国が信じてきた西洋民主主義ってなんだったのさ?という価値観の崩壊にも繋がりかねない。中国の個人情報監視技術の発展は、個人はもはや国家の監視からは逃げられないレベルにまで達しているとされ、それをベースに権威主義体制は盤石にさえ見えてしまいます。そしてその中国はインクジェットの大国にもなろうとしているのです。

じゃあどうすんのさって?ウクライナ戦争の報道番組によく登場するロシア政治・軍事の専門家の小泉悠氏の発言「結局のところ、自分はどちらの世界に住みたいか?」というのが価値判断の基準なんだろうと思います。今週末に台湾で総統選挙がありますが・・・中国に返還された香港に何が起こったか?をよく考えて「どちらの世界に住みたいか?」を軸に答えを出してほしいものだと願っています。

イスラエルのことも付け加えておきます。西洋民主主義陣営 vs 独裁権威主義陣営・・・と書くと、漢字の字面からは「西洋民主主義」が美しく見えてしまいがちです。今、イスラエルがパレスチナで戦争をしています。歴史に触れること無しにメディアが流してくる映像・画像からは「残虐・強大な軍事国家イスラエルが、ろくな武器も食料も持たない『可哀そうなパレスティナ人』を迫害している」と見えがちです。

しかし、バビロン捕囚やディアスポラ(民族離散)などで、そもそも二千年以上に亘って物理的な土地を有した国を持つことが出来ず迫害され続けてきたユダヤ人に、三枚舌外交でテキト~な約束をしたり(バルフォア宣言:右)、アラブ人を利用したり(映画「アラビアのロレンス」のテーマ)、クルド人が不自然な国境で分断されていたりする今日の混乱の原因を作ったのは、その西洋民主主義国家イギリスですからね・・・当時は帝国主義の時代で各国が覇権を拡大しようとしていたにしても・・・。

そのイスラエルには HP・KORNIT・LANDA・XJETなど、錚々たるインクジェット先進企業が所在しているのです。

生成AIの勃興やそのインパクトについては別項で書こうと思います。

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ちょっと長くなったので一旦区切ります。年頭のご挨拶を2部構成にしたのは初めてだな(笑)

後編に続きます。

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