ドイツ放浪記(70):要衝の橋

Gdansk(Danzig)の南方約 30km、ヴィスワ川に接して Tzcew(ドイツ名 Dirschau)という町がある。日本語 Wikipediaには「トチェフ」と書かれているが、現地では「チェフ」のほうが近い。この駅を起点に発着するローカル列車も多く、駅や列車に表示されている駅名としてよく目にする地名である。

Gdanskからここを経由して Malbork(Marienburg)方面に行く列車は駅を出てすぐにヴィスワ川の鉄橋を渡ることになる・・・逆方向は Tzcewに到着する直前・・・が、この鉄橋は第二次世界大戦勃発時のポーランド侵攻に際し、ここを無傷で確保したいドイツ軍と、それを阻んで爆破したいポーランド軍がせめぎ合った場所である。

ポーランド侵攻は 1939年 9月 1日午前 4:45に、ドイツ海軍の訓練艦 Schleswig-Holstenが Danzigの Westerplatteを砲撃することをもって正式な開戦とされている。ただ実際には、ベルリンと東プロイセン(重要な都市ケーニヒスベルクやヒトラーの総統地下壕 Wolfsschanzeなどがあった)を結ぶ鉄道の要衝である「ディルシャウ鉄橋 Dirschauer Weichselbrücke)」を無傷で守るため、これを破壊してしまいたいポーランド守備隊を、開戦 12分前の午前 4:33に爆撃した。

その後、午前 6:10~6:40にかけてポーランドの守備隊は橋の部分的爆破に成功したが、その後ドイツ軍に掌握され、10月 15日までに仮の非常橋が架橋された。1945年 3月 8日の夕刻、戦況悪化によって東部から撤退してきたドイツ軍によって再び破壊された。

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