コダック:GSSを買収

2023年6月6日

イーストマン・コダックのエグゼクティブ・チェアマン兼CEO、ジム・コンティネンザ氏

コダックは、オフセット輪転機、インクジェット輪転機の搬送システム、その他の印刷関連部品やエンジニアリングサービスを販売する Graphic Systems Services Inc.を買収しました。

GSSはコダックと 20年以上の付き合いがあり、コダックのプロスパーシリーズのインクジェットプレスや、今年初めに以前の記事で取り上げた新しいプロスパーウルトラ 520プレスの搬送システムの設計と製作に協力してきました。

1995年の創業以来、社長兼 CEOを務めてきたダン・グリーンが今年 5月に退任したのを機に、コダックが買収に踏み切ったようです。同社はオハイオ州デイトンにあるコダックのインクジェット拠点に近いスプリングボロに拠点を置いており、コダックにとっては追加のプレス製造拠点となります。

GSSは、ドリルや輪転機を製造していた Hamilton Tool Companyが AM Internationalに買収され、その跡を継いで設立された会社であるようです。GSSは 1995年 7月に AMインターナショナルから資産を買収して設立され、最近までハミルトン・ツール社に勤めていたフレッド・ハーディングとケネス・グリーンの家族によって所有されていたのです。

GSSはその後、オフセット輪転機メーカーの Schriber Harrisと後に Diddeを買収し、Global Web Finishingと Schefferの製品ラインも保有しています。GSSは現在もオフセット輪転機を製造している数少ないアメリカ企業の一つでしたが、最近はスペアーの製造と既存の印刷機のメンテナンスが主な業務となっているようです。当然ながら、コダックからこの事業を継続するかどうかの連絡はありません。

オフセット輪転機の需要が減少する中、同社はモノクロ・カラーを問わず、インクジェット輪転機用の輪転機の開発に進出しました。その結果、コダック、HP、京セラ、ゼロックスなどのプロバイダーからモジュールを輸入して統合することを望む印刷会社や印刷機ベンダー向けに、100台以上のインクジェット用ウェブトランスポートを製造してきました。また、GSSは Adphosと緊密に連携し、同社の乾燥システムを印刷機に搭載しています。

今回の買収により、コダックはインクジェット印刷機のコンポーネントのサプライチェーンをよりコントロールできるようになり、さらにエンジニアリングの専門知識を得ることができるはずです。コダックの会長兼 CEOであるジム・コンティネンザは次のようにコメントしています: 「GSSのような業界リーダーから、輸送システムの供給源と専門知識を得ることで、当社のインクジェットビジネスは、より強力で持続可能なものになるでしょう」。

また、「厳しい事業環境が続く今こそ、自らの運命をコントロールし、サプライチェーンのリスクを軽減して、お客様に印刷機を確実にお届けすることが重要です。今後、GSSのスキルとリソースを活用できることは、当社のインクジェット・ポートフォリオの拡大と完全に統合されたインクジェット・ソリューションの提供に引き続き注力する上で、非常に貴重なものとなるでしょう」と述べています。

コダックは、GSSに支払った金額や買収の資金調達方法については言及を避けていますが、これはコダックの今年の決算で取り上げられるはずです。なお、両社の詳細については、kodak.comgsspress.comでご覧いただけます。

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