Meteor:チップの供給不足を打開する

メテオ・インクジェットは、世界的なコンピューター・チップの不足に対して、これまで使用していた特殊なチップへの依存度が低い新しい電子機器プラットフォームを開発するという、興味深いアプローチをとっています。

メテオインクジェットは、新しいチップを調達しなければならなかったが、この新しいプリンター・コントローラー・カード2を開発した

メテオは、他の多くのプリンターメーカーが抱えている問題と同じように、さまざまなプリントヘッドを駆動するために使用するプリンターコントローラーカード(PCC)には、現在供給不足となっている電子チップがすべて使用されているためです。

メテオは、マイクロコントローラーを含むインテルのFPD(Field Programmable Device)アレイを使用していました。これは非常に特殊なチップで、ほとんどの場合、どちらか一方しか使っていません。マイクロプロセッサーは、入力されたデータに従ってさまざまな結果を出すことができる多目的回路であるのに対し、FPDは一つのことしかできませんが、その一つのことを非常に速く実行するように構成されているという違いがあります。この2つの機能を組み合わせることで、非常に優れたデバイスができあがるのだが、その複雑さゆえに、正常な供給に戻るのは最後の1つになってしまいます。

そこで同社は、インテル社のFPDチップを採用し、さらに供給問題が起きないように1年分の供給を確約してから、このソリューションが実際に機能するかどうかを判断する、というリスクを負ったのです。

メテオ社の社長であるクライヴ・アイリングは、こう説明すています。「それを使うための基板を設計しなければなりませんでした。今回は、大きなFPDチップと、それに対応するマイクロプロセッサーを別に用意しなければなりませんでした。何層にもわたって、それぞれのビットが動作することを確認するために、たくさんのテストが必要でした」。

幸いなことに、メテオは英国の印刷機メーカーであるダンテックス・デジタル社でテストを行うことができました。Aylingは、「英国にテストする人がいることは大きな利点でした。他の人にも出荷していましたが、地元の人がいてくれるのはありがたかったです。」

その結果、新しいプリントコントローラーPCC2が誕生し、現在、量産出荷されています。「メテオ社としては、劣悪なバージョンを顧客に提供するわけにはいかないので、新しいPCC2は旧バージョンより高速になる可能性を秘めています」とAylingは説明すています。「ほとんどのお客様は、旧バージョンで必要なことが実現できているため、メリットを感じないでしょう。ですから、ほとんどのお客様は、新しいものを古いものと同じレベルで使うでしょう。必要なのはそれだけだからです。」

さらに、「改良することを目的としておらず、ある部分では同じですが、さらに開発すればより良くなる可能性があります。そして、ある分野ではより良く、かつ高速になり、すべての分野ではより高速になるでしょう。」と述べました。

つまり、Intelが元のチップの供給を再開できれば、Meteorはそれを使うことに戻り、性能向上を望む顧客のために新しいコントローラをさらに開発することができます。しかし、Aylingは次のように指摘する。「今のところ、市場が必要としているのは、性能の向上ではなく供給です」。

メテオ社のビジネス開発担当副社長であるジョナサン・ウィルソン氏は、次のようにコメントしています。「過去10年間で、メテオを業界最大のデータパスサプライヤーに成長させた当社の顧客は、過去最悪のチップ供給不足が続く中、当社が解決策を見つけるまで待つ必要がありました。その忍耐が今報われ、過去2四半期に発生した受注残を早急に解消できることを嬉しく思います。」

Aylingは、次のように締めくくりました。「この大仕事を成し遂げられたことは、メテオの社員全員の大きな誇りです。特に、ケンブリッジのエンジニアリングチームが、このプロジェクトに注力した結果、記録的な速さで、堅牢で下位互換性のある代替製品をお客様に提供できたことは、賞賛に値すると思います。」

なお、あらゆる分野のメーカーが、依然としてサプライチェーンの問題に直面しており、コンピューター・チップの不足は、それを生産するためのシリコン・ファブの設立に時間がかかるため、あと数年は続くと思われます。

詳細は、meteorinkjet.comでご覧いただけます。

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